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日々の恐怖 8月30日 東京都板橋区(2)

2019-08-30 18:29:49 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 8月30日 東京都板橋区(2)



 ところが、その部屋で寝起きしている佐藤さんだけは、老婆の幽霊を見ない。
親父と鈴木さんが、

「 佐藤、変なもの見たことないか?」

というと、佐藤さんは、

“ きょとん・・・・??”

とするばかり。
 それで、引っ越して1ヶ月して、親父と鈴木さんが黙っているのも悪いと思って、老婆の幽霊を佐藤さんに話した。
 すると、佐藤さんは、

「 う~ん・・・・・・・・。」

と考えてから、みかん箱を部屋の中に置いて、上にワンカップを置いて、

「 先に住んでいるおばあさん、ごめんなさい。
でも、俺は貧乏だから、どこにも行き場がない。
だから、申し訳ないけど、大学を卒業するまでは、この部屋に住ませてもらえないでしょうか?
 毎日お供え物をするのは無理だけど、田舎からお茶とお米だけは送ってくるので、それだけは供えます。
バイト代が入った時には、お花を一輪と、ワンカップをひとつ買ってきます。
どうか、よろしくお願いします。」

と言った。
 親父と鈴木さんは、

“ なに、やってんだろうな、こいつ・・・・。”

と思ったが、佐藤さんが真面目にやっていたので、一緒にそのみかん箱に頭を下げた。







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