日々の恐怖 8月27日 東京都板橋区(1)
親父から聞いた話である。
親父が大学3~4年の間、男3人で小さくて古い一軒家を借りて住んでいた。
と言っても、家賃をちゃんと払ってるのは親父と鈴木さんだけだった。
もう一人の佐藤さんはあまりにも貧乏なので、居候させる代わりに家の掃除、ゴミ出しなどをやってもらうことにしていた。
親父と鈴木さんは、佐藤さんの困窮ぶりを助けてやろうということだったようだ。
間取りは3LDKで、LDK6畳・6畳・6畳に4畳半。
佐藤さんは4畳半に居候している。
この佐藤さんの4畳半に出た。
親父も鈴木さんも何度も見たのが、恨めしそうに正座する白髪の老婆だった。
出るタイミングも、朝昼晩関係なし。
多い時には一日に三回くらい見る。
4畳半の襖が開いている時、何気なく目をやると、中に白髪の老婆が恐ろしい形相で正座している。
来客の中にも、見た人が5人ほどいたらしい。
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