日々の恐怖 4月25日 ワイの話(7)
ワイが小学生になったくらいの時に、マッマのお腹が大きくなった。
赤ちゃんがいるとマッマに教えられ、よく妹と二人でマッマのお腹に話しかけていたのを覚えている。
妹は何度教えても、赤ちゃんを舌ったらずな感じで『かーちゃん』といつも呼んでいた。
ワイは妹よりも一緒に遊べる弟がずっと欲しかったので、まだ性別が分からない頃から、しつこくマッマに、
「 ねぇ?弟?」
と何度も何度も聞いていた。
マッマは、
「 まだ分からないよ~。」
と言っていたが妹は何故か、
「 かーちゃんは弟だよ!」
と笑ってマッマのお腹に話しかけていた。
それから暫くしてワイはまたお兄ちゃんになった。
産まれてきたのは弟だった。
名前の一文字目を取ると『か』ーちゃん。
妹はお腹にいる時と同じように、今でも弟をかーちゃんと呼んでる。
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