日々の恐怖 4月27日 ワイの話(8)
それで、ワイが大人になってから、たまたま路肩で怪しい姓名判断士を見かけた時の話だ。
正直、ワイは姓名判断なんて胡散臭いと思いながら、冗談半分にからかうような気持ちで、
「 近々、子供が産まれるので・・・・。」
と嘘をついて占って貰った。
それも、ワイの名前で・・・・・。
要約すると、
「 もし、この名前を長男に付けようとしてるなら、絶対に辞めた方が良い。」
「 考えられる限りの中で、一番最悪なくらい良くない。
女運も壊滅的に悪い。
もし名前に拘りがあるにしても、長男にだけは絶対に付けては駄目。」
「 全体的に悪いけど、特にこの名前だと長男は家を守らず、必ず外に出て行き、家が壊れる。」
だった。
話を聞いたワイは、動悸が止まらなかった。
あまりにも、今のワイに当てはまり過ぎて、軽く恐怖すら覚えた。
占い師が言った。
「 他に考えている名前の候補はある?」
嘘で子供の名前なんて最初から考えていなかったので、テンパってワイは弟の名前を書いてしまう。
占い師が、
「 あ~~~~!」
と、驚いたように何度も頷く。
それで、
「 凄く良い。
長男に付けるのはもちろん、例え長男以外だったとしても、家を守る役割をしてくれる。」
「 代案が出ないくらい、姓名判断的には文句無しの名前だと思うよ。」
と解説してくれた。
偶然なのか必然なのかは分からないが、その時にワイは直感的に改めて妹の不思議な力をまた実感した。
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