大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆(  しづめばこ P574 )                          

日々の恐怖 2月16日 客(2)

2019-02-16 18:22:33 | B,日々の恐怖






 日々の恐怖 2月16日 客(2)






 連日来てた名無しさんが現れなくなって一週間以上たって、

“ やっぱこのままバックれられちゃうんだろうな・・・・。”

って思ってた頃、名無しさんが来店した。
 私もマスターもまさか来てくれるとは思ってなかったので、嬉しくなって満面の笑みでお迎えした。
名無しさんが喜ぶ話をしたり、笑える話をしたりして楽しく盛り上がった。
その日もホステスに寿司を振舞いチップを渡し、ツケの分も払ってご機嫌で帰って行った。
 名無しさんが帰ってから、名無しさんが座っていた席を整えるためにカウンターを出て席を戻そうとした。
しかし椅子が入らない。

“ ・・・・・?”

って思いながらカウンターの下を覗き込むと、カウンターの底にアイスピックが、

“ ぶすっ!!”

と刺さってた。

“ もしかして、気に入らない対応してたら、これで刺されてたの・・・・?”

ってガクガクしてたら、店のドアが開いた。

“ ビクッ!”

としてそっちを見たら、警官二人と私服警官みたいな人が入ってきた。
 用を聞くと、

「 隣の店が客にアイスピックを盗まれた。
アイスピックを持った客は来なかったか?」

と言う。
 私は、

「 アイスピックってこれですか?」

ってカウンターの下を指差した。
 警察はそれを抜いて、

「 この男は要注意人物なので、気を付けてください。」

とだけ言って帰って行った。
 もう捕まっているのか、それともまだ捕まってないのか分からないけど、警察は犯人が分かってるようだった。
 マスターが追いかけて行ってあれこれ聞いたらしいが、名無しさんの事は何も教えてもらえなかった。
だから、名無しさんはいまだに名無しさんのままである。















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2月15日(金)のつぶやき

2019-02-16 07:00:20 | _HOMEページ_

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2月14日(木)のつぶやき

2019-02-15 07:04:24 | _HOMEページ_




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日々の恐怖 2月14日 客(1)

2019-02-14 11:23:02 | B,日々の恐怖






 日々の恐怖 2月14日 客(1)






 若い頃とあるスナックに勤めていた。
基本的に客層の良いお店だったが、まれに変なお客さんもいた。
 ある晩一人でふらりと来店したお客さんの話なんだけど、名前は名無しさん。
なぜ名無しなのかは読んでもらえればわかると思う。
 名無しさんは20代前半の若いお客さんだった。
だけど金回りが良いのか、金払いの良いお客さんだった。
一見さんはどんなお客さんか見るため、客あしらいのうまい私が担当していた。
 一度目の来店で高い酒をボトルキープし、店で一番高いつまみを頼み、ホステス全員に寿司まで振舞ってご機嫌で帰って行った。
 二度目の来店でボトルが空いたので、さらに高いボトルをキープ。
店にいるホステス全員にチップを渡し、これまたご機嫌で帰って行った。
 三度目の来店でボトルが空き、同じ酒をキープしつまみもじゃんじゃん頼んだ。
会計時に、

「 今日はお金ないからツケでいい?」

って言ってきた。
対応をマスターに代わってもらったら、マスターが、

「 名刺をいただけますか?」

って言ってた。
 因みに、来店してからの二度とも仕事についてや名前について聞いたけどはぐらかされてた。
だからニックネームやボトルネームは名無しさんだったのだ。
 名無しさんは、

「 名刺はちょっと切らしてる。」

とかもごもご言っていた。
 しかし、

「 名前も職業もわからない人のツケは流石にちょっと・・・・。」

とマスターも断った。
 名無しさんは、

「 今度来たら必ず払いますから・・・・。」

って土下座までして頼み込んだ。
 マスターもこれには折れて、と言うかもう現れないだろうって感じで半分諦めてツケを了承した。
変な空気のまま名無しさんは帰って行った。














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2月13日(水)のつぶやき

2019-02-14 07:00:48 | _HOMEページ_

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2月12日(火)のつぶやき

2019-02-13 07:01:14 | _HOMEページ_




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日々の恐怖 2月12日 遭難者

2019-02-12 09:52:23 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 2月12日 遭難者





 俺は登山が好きだ。
連休が取れれば必ず登山に行くほどに。
 俺には好きな山がある。
標高はそれほど高くないけど、険しい道のりで毎年遭難者が出ている山だった。
道の整備が進んでいないから、登山家の中でも敬遠されがちな山だった。
 俺は人が少ないその山を大いに気に入っていた。
まるで俺だけのもののようだった。

 ある休日のこと、俺はその山に登山に出かけた。
鳥のさえずりと川の流れる音がすがすがしい。
 しばらく歩いていると吊り橋がある。
頂上に行くにはそこを通らなければならない。
 つり橋に差し掛かったとき一人の男がいた。
男の様子が変だ。
男は手すりの外に立って、下をただ見つめている。
 俺はとっさに言った。

「 危ないですよ!」

男は気づいてこちらを向いた。
 俺は悟った。
男は飛び降り自殺をしようとしているのだ。
 俺はさらに言った。

「 あなたが死んだら、奥さんや娘さんはどうやって生活するんですか。
自殺なんてやめてください。」

そんなことを言ったと思う。
 俺は男の家族なんて分からない。
どこかの刑事ドラマで見たようなセリフを吐いただけだ。
 男は俺のほうを見て、

「 勇気が出ました。」

そう言ったと思う。
 俺は自殺をやめたと思った。
良かったと思った。
 そのとき、男はぱっと手を離した。
男は飛び降りたのだ。
 俺はすぐさま119を呼んだ。
山奥だったし、数十メートルもある谷底だ。
男は助からなかった。

 後で分かったことだが、男は保険金をかけて、事故に見せ掛け自殺したのだった。
俺は救急隊員に事のいきさつを説明した。
 当然保険金は下りなかった。
俺はそれ以来、遭難者を見ても見ないふりをしている。














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2月11日(月)のつぶやき

2019-02-12 07:00:09 | _HOMEページ_





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しづめばこ 2月11日 P545

2019-02-11 09:47:19 | C,しづめばこ



 しづめばこ 2月11日 P545  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


小説“しづめばこ”は読み易いようにbook形式になっています。
下記のリンクに入ってください。
小説“しづめばこ”



大峰正楓の小説書庫です。
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2月10日(日)のつぶやき

2019-02-11 07:05:00 | _HOMEページ_

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2月9日(土)のつぶやき

2019-02-10 07:02:11 | _HOMEページ_





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日々の恐怖 2月9日 第一便(2)

2019-02-09 19:14:18 | B,日々の恐怖






 日々の恐怖 2月9日 第一便(2)






 俺が、

「 いいえ息子ですが、何でしょうか?」

と返すと、何か返事をボソボソ言っている。
それで、聞き取り難い声を、聞き耳を立てて無理矢理に聞いた返事の内容を要約すると、

「 跡継ぎの方ですね。」
「 もうすぐ24年前に出した荷が届きます。」
「 第一便です。」
「 ここで待っていますか?」

と言っているようだった。
 そう言い終わると、

“ ふっ!”

と気配が消えた。

「 おっかしいな・・。」

と思って外に出てみようとしたら、

“ ダガーン!”

とすごい音がした。
 驚いてサンダルを履きかけてたのを脱いで廊下に上がった。
二つの丸い光が、ガラス戸ごしに近づいてきて一瞬で玄関が壊れ、目の前に小型トラックが飛び込んできた。
俺は後ろにひっくり返るように倒れ、そのあと記憶がない。
 気がついたら病院にいた。
脳震盪と右の足首の骨折、それから下半身のあちこちにガラスによる切り傷。
 あとで聞いたところでは、居眠り運転のトラックが一度電柱に激突して、それから俺んちに突っ込んだみたいだ。
運転手もかなりのケガをしたらしかったが命に別状はなく、後でそこの会社の社長が謝りにきた。
玄関はすべて相手持ちで弁償してもらって新しくなった。
 入院中に、

「 なんで玄関にいたんだ?」

と両親に聞かれたんで、あったことをそのまま話したら、親父は、

「 寝ぼけたんじゃないか?」

みたいな反応だったけど、母親は24年前という俺の言葉を聞いてちょっと顔色が変わった。
けど何も言わなかった。
 その後、俺は大学に進学して実家を出、そっちで就職した。
あれは何だったんだろうといまだに不思議だけど、特に第一便という言葉が気になる。
これまでのところは、俺も実家のほうもなんともない。













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2月8日(金)のつぶやき

2019-02-09 07:02:46 | _HOMEページ_

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2月7日(木)のつぶやき

2019-02-08 07:48:12 | _HOMEページ_




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日々の恐怖 2月7日 第一便(1)

2019-02-07 09:03:38 | B,日々の恐怖






 日々の恐怖 2月7日 第一便(1)






 8年ほど前、俺が高校生でまだ実家にいた頃のことだ。
夜中の2時近くだったから家族は全員寝てて、俺だけゲームやって起きていた。
すると玄関のチャイムが鳴ったような気がした。
 俺の部屋は階段をあがってすぐなんで、よく聞こえる。
それで、こんな時間に、

“ だれか来たんだろうか・・・?”

と思って降りていった。
そのときは怖いという気持ちはまったくなかった。
 行ってみると、玄関の曇りガラスの戸ごしに外にだれかが立っているようにも見える影がある。
 それで、インターホンで、

「 どなたですか?」

と尋ねると、やや間をおいてから、

「 ご当主様ですか?」

という声がしたような気がした。
 ハッキリ聞こえた訳では無い。
インターホンを使ってるんじゃなくガラス戸越しにしゃべってるんだけど、大声ではないし、掠れて小さく聞き取り難く、今思い出しても男か女かもわからなかった。














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