エゴン・シーレ展開催中の東京都美術館に行ってきた。
東京都美術館は、我が国初の公立美術館として1926年に開館した。最初の建物の設計は岡田信一郎だったが、老朽化に伴い、1975年に前川国男設計で現在の建物となっている。
美術館の敷地に入ると、まず巨大な金属球体が出迎えてくれる。これは井上武吉の「my sky hole 85-2」という作品。
時刻によって移り変わる周囲の風景をその球面に写し出して、美術館のシンボルともなっている。
その球体を過ぎると、スロープによって我々は地下に誘導される。この美術館の正面玄関は地下1階。中央広場から企画常設ブロック、公募展ブロック、文化活動ブロックと目的別に独立させたスペースが、広場を取り囲むように配置されている。
館の目玉となる企画展は、入口を入って左側のブロックで開催される。現在はエゴン・シーレ展を開催中で、シーレのポスターが大きく掲げられていた。
数年前に入館した時には現代作家による企画展が行われていたので、まずはその模様を少々。
塩谷亮の作品。母子の情愛を感じさせるシーンをまるで写真のような超絶技巧で描いている。
橋本大輔「観測所」。荒々しいタッチで描かれた廃墟となった観測所の光景。
岩田壮平の屏風絵。画面からあふれ出るほどの迫力で描き出された鯉。既成概念を破壊してしまう作品。こうした特別展もしばしば行われている。
私たちが訪れた日はシーレ展のほかに学童たちの作品展が開催され、親子連れの観客が多数訪れて大混雑だった。
さて、エゴン・シーレ展。今回展の主要作品を所蔵するウイーンのレオポルド美術館を以前訪れたことがあり、写真も撮ってきているので、次回から3回にわたってシーレの人と作品を紹介する予定です。