新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

モンサンミッシェル⑨ ブルーからオレンジへ、そして鱗雲。朝焼けの光景も劇的だった。

2020-07-11 | フランス・モンサンミシェル

 翌朝、早起きしてもう1度モンサンミッシェルの夜明けを見に行った。ちょうど薄くもやがかかっていて、撮影にはどうかなと少し不安・・・。

 でも、その靄がかえって幻想的な雰囲気を強調しているよう。

 暗闇の中から徐々に岩山のシルエットが姿を現してきて、その存在が次第に明らかになってゆく。

 東の空がほんのりと朝焼けの気配を漂わせる。

 オレンジの光が島全体を包み始めた。夕焼の時は向かって左側が明るかったが、朝は逆に右側から明かりがさしているのがわかる。

 雄大な姿が、その存在をしっかりと現してきた。

 さあ、朝だ。もやも晴れてきた。

 一瞬、夕焼けにも負けない柔らかい光に包まれた全体像が、茜色に輝いた。

 今日も一日恵みの晴れが期待できそうだ。

 気がつくともう、空一面の鱗雲。これほどはっきりとした鱗雲も、なかなかお目にかかれない。

 少しホテルの近くの草原を散歩。

 バスに乗り、新たな気持ちで次の目的地を目指した。

 

 

 

 

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モンサンミッシェル⑧ 大半の観光客が帰った後に、ドラマチックな夜景が華やかに展開する

2020-07-07 | フランス・モンサンミシェル

 すっかり日が沈んでから、また新しいステージが幕を開ける。

 さあ、ライトアップが始まる。修道院の部分に光が当たり出した。

 レンズを思い切り開放して光を取り込む。

 まだ夕焼けの名残が残っていて、全体がピンクの世界。

 それと入れ替わりに、照明の輝きが強くなってきた。

 しっかりと水面に塔の先端まで映り込んでいる。

 ほどなく夕陽のピンクは姿を消して、濃いブルーの背景に変わってきた。

 まさに唯一無二。円錐形の造形物が華やかに立ち上がっている。

 深く、深く、闇に溶け込みながら、際立ってそそり立つモンサンミッシェルの雄姿を目に焼き付けながら、ホテルに戻った。

 昼にはごった返すほどに賑わっていた街が、夜にはすっかり人影もなくなっている。観光客の大半は日帰りの駆け足観光のようだ。

 せっかくここまで足を延ばしたのに、このようなドラマチックな光景に出会わずに引き返してしまうのは、とてももったいない! 他人事ながらそんなことを思ってしまう。

 とにかく個人としてはたっぷりと劇的夜景を堪能して宿に帰り、おいしいワインとともにベッドに倒れ込んだ。

 

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モンサンミッシェル⑦ 夕焼けのモンサンミッシェルは、絶え間なく形を変える雲と共に夕闇に沈む

2020-07-03 | フランス・モンサンミシェル

 一旦ホテルに戻り、一休みしてから今度はモンサンミッシェルの全景を時間の変化と共に撮影してみようと思い立った。

 ホテル近くに、砂州への水の流量をコントロールする場所があり、そこからモンサンミッシェルの姿がきれいにとらえられる。そこでスタンバイした。

 ちょうど陽が傾きだし、空の色がほんのりと染まり始めた。

 西の空に張り出した雲たちも茜色に変化しつつある。

 風も強く、絶え間なく形を変える雲の動きがなかなか面白い。

 ふんわりと柔らかい空気に包まれて、その輪郭が浮かび上がる。

 この日の大潮(最も海水面が高くなる時間)は19時9分。すっかり西側にある林方向に陽が落ちて行き、空が見事に染め上げられる。

 日没。モンサンミッシェルは徐々にシルエットに変貌して行く。

 手前の水面に水鳥が降りてきてえさをついばむ光景も。

 わずかに残る夕焼け空の中に、尖塔が突き刺さるようにそびえる。

 モンサンミッシェルはすっかり青暗くなった空間に、その姿を没しようとしている。

 

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モンサンミッシェル⑥ 砂州を歩いて渡る人々を見て、厳島神社の鳥居を思い出す

2020-06-30 | フランス・モンサンミシェル

 戻り掛けにもう1度砂州を眺めると、あ、小さなものが動いている。そうだ、何組かのグループが引き潮の時間帯を利用して砂浜を歩いて渡っているようだ。

 そうしたツアーも催されていることは聞いていた。今は歩けるが、それが満潮になったら砂浜は完全に海に没してしまい全く様相を一変させる。

 かつて巡礼にためにモンサンミッシェルを訪れた人たちの中には、急激な満ち潮の事を知らずに島に渡ろうとして、遭難してしまったケースが数知れずあったという。

 途中レストランに寄って軽い食事を摂った。

 テーブルからすぐ上に、修道院と尖塔がそびえていて壮観だ。

 ここにも長い階段を見つけた。こうした光景は、やはりモンサンミッシェル自体が高い岩山であることを思い起こさせる。

 出入り口付近に聖母像が飾ってあるのを見つけた。

 改めて砂州の遠景を眺めながら戻ってくる。

 今の時間は引き潮の時間帯。はるか対岸まで歩いて渡れそうな状態だ。

 そういえば、広島・宮島の厳島神社の鳥居へも歩いて往復したことを思い出した。モンサンミッシェルと宮島が友好都市になっているのも、こうした地形的な類似性の縁なのだろう。

 

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モンサンミッシェル⑤ 驚異の回廊から、ミカエルが司教の頭に指を突き刺す脅威のレプリカまで

2020-06-27 | フランス・モンサンミシェル

 聖堂を抜けて中庭に出た。その美しさから、ここはラ・メルヴェイユ(驚異)とよばれる、13世紀に完成しいた回廊。庭を挟んで円柱が二重に配置され、静寂な空間を形成している。細い柱は137本もある。

 ここからもそびえる尖塔はくっきり。

 眺めも広々としている。

 この3階には中庭と回廊があると共に、食堂も設けられている。

 ちょっと食堂のイメージには合わない感じ。だだっ広いとさえいえるような場所。

 実は修道院において、食事は信仰生活の要となる重要な儀式だそうで、みんなでワイワイにぎやかに食事をする訳ではないのだそうだ。

 2階部分には貴賓室がある。貴族階級の客を迎える部屋で、16世紀までは歴代のフランス王が必ずここを訪れていた。ほっそりした円柱が並び、ゴシックの様式が残されている。

 大天使ミカエルがオベール司教に修道院建設を命じる姿がレプリカとして残されていた。

 実はオベール司教はその命令には2度も応じなかった。そこで大天使は実力行使。司教の頭骸骨に親指で穴をあけてしまう。これで本当にびっくりした司教がようやく聖堂建設に着手したーとされる。

 ほんまかいな!  と思うけど、その頭に指を突き刺すシーンがこのレプリカに再現されているというわけ。

 さらに大天使ミカエルの、尖塔の天辺にある像の姿を再現した像も陳列されていた。

 

 

 

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