サンタンジェロ城。サンピエトロ大聖堂の隣りの位置し、要塞、法王の住居などに使われてきたが、現在は国立博物館になっている。
日本語に直すと「聖天使城」。
ベルニーニによって造られた天使像の並ぶサンタンジェロ橋を渡って城に到達する。その一連の景観は素晴らしい。
だが、それ以上の絶景は、城の屋上に上った時に味わえる至上の光景だ。
その光景に接するためには、城内のこの階段をしっかり上って行くことが絶対条件になる。
夕方屋上に上り前方を眺めると、テベレ川に橋のアーチが映り込む。
そして、筋雲のように変化する夕焼け空とともに、サンピエトロ大聖堂のライトアップが始まる。
真っ赤に染め尽くされた空をバックに、聖堂のクーポラは光輝くシルエットとなって中空に屹立する。そんな姿を見ることが出来る幸せが、この城の屋上に存在する。