新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

ミラノ大聖堂は扉の彫刻も凄い!

2017-07-29 | イタリア・ミラノ

 ドゥオモ博物館見学を終えて、ドゥオモの前に来た。

 この大聖堂は1386年に、時の大司教によって建設が開始されたが、戦争などにより中断され完成したのは約500年後の1813年。しかも、最終的にはミラノ公国を征服したフランスのナポレオンの命で仕上げられたという皮肉な歴史を持っている。

 観光客があちこちで記念撮影。

 お洒落な女性3人組の記念撮影の後ろを、ミラノの‶ちょい悪”紳士が通る。


 ドン!と迫る大聖堂の真正面の姿。大きさは全長158m、幅93m、面積1万7000㎡と、バチカンのサンピエトロ大聖堂に次ぐ世界第2位の巨大教会だ。

 
 脇で母子が何事か対話中。

 正面扉は細かな浮き彫りの装飾がびっしりとなされている。中央大扉には聖母マリアの生涯が描かれる。

 これは受胎告知の名シーン。大天使ガブリエルの左袖の部分が変色しているが、これは第2次世界大戦時の爆撃で破損したものだとか。連合軍は大聖堂そのものは爆撃しなかったが、流れ弾がここに当たったものだという。

 キリスト誕生の場面。冒頭のキリストの十字架降下まで、克明に描かれた各場面を見ることが出来る。こんなに手の込んだ彫刻像が外壁だけで3500体もあるという。

 ドゥオモを横から見てみる。外観を見てもわかる通り、135本の尖塔の1つ1つに聖人が立っており、金のマリア像がその中心にいる。

 何といってもこの外観の壮麗さは他に比べようもないほどだ。


 今回は屋上に昇らなかったが、以前訪れた時の写真を少々。屋上の各塔の先端にある聖人像。

 壁面に施された、まるで刺繡のような細工の柱群。

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ドゥオモ博物館の彫像は、なぜかみんな上を向いていた・・・ミラノ

2017-07-25 | イタリア・ミラノ

 ガレリアを通り過ぎてドゥオモの前に来た。以前はドゥオモ入場は無料だったが、今は有料(3ユーロ)になっていた。しかも切符売り場はドゥオモから離れた別の建物の中。

 そこへ行くと、まず受付券を取ってそこに書かれた番号を呼ばれて初めて券売り場に行くというシステム。30分ほど待たされてようやく切符を入手できた。

 この切符はドゥオモとドゥオモ博物館との共通券になっていて、売り場の建物は博物館に繋がっていたので、博物館から見学することにした。

 博物館は、主としてドゥオモ内に飾られていた各種美術品などを展示している場所。1つ1つを見て行くと、なかなか味わい深い像が並んでいた。

 一番印象的だったのが、この像。戦いの最中なのか2人とも必死の形相が迫る。

 こちらは何かを祈っている様子。

 逆さ吊りの、まるで拷問を受けているのか。

 老人の表情も緊迫感があふれる。

 やっと、少し落ち着いた表情に出会えた。

 でも、なぜみんな上を向いた形ばっかりなんだろう?

 祈りの場面なのだろうか。

 初めて下向きの像と対面。

 ここからは女性像のオンパレード

 でも、なかなかいい表情の像が多いなあ。

 多くの像の中でも高貴なたたずまいを見せていた2人

 豪華なタペストリーもあった。

 大聖堂=ドゥオモのミニチュア版がここに飾ってあった。

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モナリザがヴィトンのバッグに‟変身”した!

2017-07-22 | イタリア・ミラノ

 ポルディ・ペッツオーリ美術館から裏に回ると、ちょっと素敵にカーブする小道があった。

 個人的に、こんな一見迷路風な道が大好きだ。

 その先にはオメノーニの家。堅固な建物の壁に8人もの巨人が並ぶなかなかの光景。

 それぞれの表情は結構怖い。建物の主を守る役目があったのかも。

 こんな顔でにらまれたら、泥棒に入ろうなどという気持ちはすぐに消え去ってしまいそうだ。

 さらに、その先の広場にあった建物にも、怖そうな親父たちがずらりの顔をそろえていた。
 眼が白目だと、一層怖さが引き立つ。

 ヴィットリオ・エマヌエーレ2世ガレリアに向かう途中、レオナルド・ダ・ヴィンチ像にあいさつ。

 ガレリアの入口。ここもいつものように人であふれている。

 ガラスの天井。19世紀後半、当時の流行の最先端である鉄とガラスを使ったモダンな構造物として注目を集め、今もミラノっ子の社交場になっている。

 そのガレリアで目立っていたのは、ルイ・ヴィトンの店のディスプレー。著名な画家の絵画をバッグのデザインとしてあしらった作品が陳列されていた。


 レオナルドの代表作モナリザがバッグになっている。

 それだけでなく、こちらはゴッホ。

 さらに、ルーベンス。

 陳列の仕方は、作品の大きな画面をバックにして前面にカバンが置かれる形だ。多くの市民や観光客の注目を集めていた。


 その隣の広場では、モデルの撮影が行われていたので、遠目から1枚。
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ミラノでボッティチェリの‟もう1つの傑作”に出会ったーーポルディ・ペッツォーリ美術館

2017-07-18 | イタリア・ミラノ

 今回のイタリア旅行は、最初に、以前と変化したヴェネツィアの様子だけを紹介した。ここからは実際に旅した日程に沿って各地をアップして行こう。

 利用した飛行機はカタール航空.JALのマイレージを利用したのだが,JALにはイタリアへの直行便がない。そこでパリやフランクフルトから別の航空会社に乗り換える必要が出てくる。
 だが、カタール航空はJALと同じワンワールド加盟会社なので、JALのマイレージをそのまま利用でき、同社の飛行機だけでイタリアまで行くことが出来るからだ。
 南回りのため時間はかかるが、羽田発が夜中なのでミラノ着は昼の12時ころと、時間を有効に使えるのも決め手の1つだった。



 イタリアの第1歩はミラノ・マルペンサ空港。直行バスでミラノ中央駅に行き、駅近くのホテルにチェックイン。

 駅前にはなぜか大きなリンゴのモニュメントがあった。ヨーロッパのテロ対策か、軍の兵士の姿もちらほら。

 早速市内散策へ.タバッキで地下鉄切符を2枚購入してドゥオモ駅を目指す。最初の目的地はポルディ・ペッツォーリ美術館だ。

 ちょっと迷ったが、美術館到着。この美術館の目玉ボライウオーロの肖像画のシルエットが玄関上に。

 ジャン・ポルディ・ペッツォーリは19世紀のミラノ貴族で美術収集家。個人の邸宅がそのまま美術館になっているだけに、館内に入ると一般の美術館とは趣を異にした、落ち着いた雰囲気が漂う。

 展示室に通じる階段からして優雅だ。

 24物部屋に分かれた展示室の空間にゆったりとコレクションが展示されていて、とても見やすい。

 ボライウオーロの「若い貴婦人の肖像」はすぐに見つかった。貴族の女性を活写した肖像画。作者はピエロ・ボッライウオーロ。1400年代からルネサンスにかけて当時のイタリアでは横顔の肖像画が流行したが、ピエロとアントニオのボッライウオーロ兄弟はそんな肖像画の第一人者だった。ピエロの代表作ともいえるこの作品は表情、髪型、宝飾品に至るまで繊細に描かれており、この美術館の宝になっている。

 だが、私の探していた絵は別のもの。



 ボッティチェリの「書物の聖母子」。ところが、どこを探しても見当たらない。係員に尋ねると「現在、ボストンに貸し出し中です」。
 2014年に東京に来た時に見て、絶対もう1度会いたいと思っていたのに、ガックリ。

 それでもボッティチェリのもう1つの傑作には出会えた。

 「死せるキリストへの哀悼」。キリストが磔刑となり十字架から降ろされた時の状況を描いた作品だ。この場面は「ピエタ」という呼び方でも知られている。(実は今回の旅行中、実に沢山の「ピエタ」に出会うことになる)

 中心にいる聖母マリアは完全に失神してしまった。その聖母を支える福音書記者ヨハネも目をつぶり、ほとんど気力が感じられない。

 キリストは手を組み、「神よなぜ私をお見捨てになるのですか?」とつぶやいた死の直前の表情が、まだ残っているようにも見える。

 そのキリストの足先を包み込んでほおずりしているのが、マグダラのマリア。

 一番上、キリストの苦難の象徴であるいばらの冠と十字架の釘を捧げ持つアリマタヤのヨセフだけが、眼を開き天を見つめる。
 
 この部分だけを切り取ると、5人の8本の手がそれぞれにもつれあって、不思議な曲線を描いていることに気づいた。

 すべてのものが、時でさえも停止したような、静寂の瞬間。この絵はサヴォナローラが処刑された2年後の1500年に描かれたもの。一般的にボッティチェリはサヴォナローラに感化された後の作品は輝きを失ったといわれるが、少なくともこの絵に関しては、明るさや清廉さに代わって限りない悲しみの永遠性を表現する作品に昇華したように思える。



 他に目についたものは聖母子像の数々。これはあまり表情を現さない中世的な固い構図の母子像。

 こちらも平面的だが、何か表情が出てきている。

 こうなるともう普通の母子といってもいいような自由な構図。見つめあう母子の愛情が伝わる様だ。


 構図的には伝統を踏まえた形だが、この母は顔立ちからして現代的。鑑賞者を見ているような幼子キリストの視線などはまさに新しい。

 優しさという点ではこの聖母が群を抜いていた。自宅に飾るならこの絵が一番落ち着くかも。

 美しいステンドグラスもあった。

 ちょっと駆け足気味の鑑賞だったが、こうした個人美術館の面白さを味わえる場所として格好のモデルではないかと思った。
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ドラマチックなヴェネツィア風景を!

2017-07-15 | イタリア・ヴェネツィア

 今回持参したカメラには、対象を強いコントラストで写し取る機能が付いていたので、ヴェネツィアの風景でそれを試してみた。ちょっと変わったヴェネツィアをどうぞご覧あれ。

 初めはサンマルコ聖堂。聖マルコ像と上空の三日月とが印象的。


 鐘楼の見えるラグーナの風景

 今回宿泊したホテル近くの運河。運河は特別な雰囲気を醸成してくれる。

 そこにゴンドラが通れば、一層の趣が。

 運河脇の建物の色が水面に美しく映る場所がある。そこにゴンドラが近づいて微妙に乱れた水面が面白い波紋を広げる。

 小さな太鼓橋に佇む女性を見つけた。

 夜のメルチェリエ通り。灯る明かりが優しい。

 夜明け前、アカデミア橋から見た運河沿いの建物群。

 カナルグランデの水辺が夜明けの光を受けて煌く。

 カナルグランデは、いつ見てもヴェネツィアを実感させてくれる。

 そして、もう1つのヴェネツィア風景=仮面。カーニバルのシーズンではなかったが、店先にはこんな仮面がずらり。

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