新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

心ふるえる風景 パリ編⑱ オペラ座の一角に バレエシューズのピラミッドを見つけた

2024-08-31 | 心ふるえる風景 パリ編

オペラ座の大階段を 上っていると

踊り場の空間に 何かピラミッド形の

装飾物が置かれているのに 気付いた

近づいて見ると あらこれはバレエシューズ

 

そうだ この建物はオペラ座と呼ばれているが

今は姿を変えているのを 思い出した

1989年にバスティーユ広場に オペラバスティーユが建設され

そちらがオペラ公演の 主劇場となったため

この劇場は バレエ公演がメインの場所となっている

 

百足以上のシューズが見事に組み合わされて 長い円錐柱となって積み上げられ

独特の輝きをさえ放っている シューズの山

オブジェと一言で片づけられないような 神々しささえ感じる

 

世界でもトップクラスの この劇場でのバレエ公演で

トップに上り詰めるには 大変な試練が 待っているという

まずオペラ座バレエ学校への 入学が必要だ

 

卒業しても研修生になれるのはは 5~20%

さらに年1回の昇進試験にパスしなければ 正式団員になれない

団員は5階級に分けられ 最高位のエトワールに君臨できるのは

たった10数人という ごく少数の限られた人だけだ

 

そんな華やかな舞台の裏には 厳しい競争があることを思うと

このバレエシューズの山にも 汗と涙が染みついているのだろうか

と錯覚してしまう 自分だった

 

 

 

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心ふるえる風景 パリ編⑰ パリオペラ座で まばゆい空間にため息をついた

2024-08-27 | 心ふるえる風景 パリ編

 パリオペラ座=オペラガルニエは

 19世紀半ば 不衛生で混とんとしていたパリ中心部を一変させた

 ナポレオン3世の都市改造計画で そのランドマークとして建設された建物だ

 

 ルーブル美術館を背に オペラ大通りに立つと

 その正面にオペラ座が すっくと立ちあがる

 花の都・新生パリの 象徴ともいえる雄姿を前にして

 「パリに来た」との実感が沸き上がったことを 今も忘れない

 

 入館して 大階段を踏みしめるワクワク感

 華麗なる舞台と 2千人を収容する観客席

 中心部を一通り見終わって 次に足を踏み入れたホワイエでは

 また別の驚きに 見舞われた

 眩しすぎる! ここは王宮じゃないよね

 思わず友人に問いかけてしまった

 天井は33ものモザイク絵画で 埋めつくされ 

 シャンデリアが列をなして 吊り下げられる

 ピカピカの床面にその光が反射し まばゆさも極地

 そんな空間が 54mの奥まで広がる

 

 「黄金の間」とでも呼べるような部屋が この建物の中心ではなく

 幕間の休憩や ちょっとした社交の場として使われている

 何とも贅沢なことか 東洋の一庶民はただため息をつくばかりだった

 

  

 

 

 

 

 

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心ふるえる風景 パリ編⑯ サントシャペルは「豪華絢爛な空箱 !?」

2024-08-23 | 心ふるえる風景 パリ編

「サントシャペル」に入った

 教会の狭い階段を上って 上部の礼拝堂に入った途端

まぶしく青い光の照射に 体全体が包み込まれてしまった

 

15ある大窓がすべて ステンドグラスによって装飾され

それも7mの高さまで 大きく広がる

そこにはアダムとイヴの物語など 創世期からキリスト復活まで

実に1134の聖書の物語が きめ細かに描かれている

 

今はまさに ステンドグラスの教会として有名だが

元々は全く違った目的で 建造された教会だった

 

ルイ14世によって この教会が完成したのは1248年

コンスタンティノープルの皇帝から購入した 茨の十字架など

キリストの聖遺物22点を 大事に収めるための場所だった

キリスト教社会では キリストの聖遺物を収めた教会ほど

高い位となって 信仰を集めることになる 

 

ただ教会にとっての 大きな災難が起きてしまった

フランス革命 大事な聖遺物の多くは焼け出され

わずかに残った冠など2点は ノートルダム大聖堂へと移された

つまり「聖遺物の教会」のはずが 「空っぽの聖遺物箱」に変身してしまった

 今も一番奥の中央部分に 小さく囲まれた区画が残っているが

 そこが聖遺物の収められているはずの 主祭壇だった

 

 今でこそステンドグラスの教会として 人気を集めてはいるものの

 教会としての地位は 低いままになっている

 なかには「あれは空箱」 と言い放つ信者もいるという

 

 

 

 

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心ふるえる風景 パリ編⑮ ショーウインドーには まるでパリの街を象徴したような光景が

2024-08-20 | 心ふるえる風景 パリ編

 パレロワイヤルの一角に にぎやかな雰囲気のショーウインドーを見つけた

 よく見ると人形たちが 特に意図せずに並べられているように見える

 

 右下方では いろんな楽器を持った人たちが音楽を奏でている

 そこからは とても軽快なリズムが響いてくるようだ

 中央では紳士と淑女たちが 親し気に語らい合う姿がある

 その隣では 何と手術中の医師と患者が!

 

 上段右側では 旅行客と思われる帽子をかぶった女性の一行が

 少し前に パリに到着したところなのかな

 中央にはピアノが置かれ こちらはクラシックの演者が

 これから演奏を 始めるのかもしれない

 

 そして左端では カウンター越しに来客を待つ

 カフェの女主人らしき姿もちらりと見える

 

 多種多様な人たちが 一つ場所に集まって

 多種多様な行動を準備したりするさまは

 世界のあらゆる人たちを すっぽりと受け止めて

 それぞれの才能を育て上げる パリという街の有様を

 無意識に表現している気がして ちょっと見入ってしまった

 

 

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心ふるえる風景 パリ編⑭ パレロワイヤルで サプライズファッションショーに出会った

2024-08-17 | 心ふるえる風景 パリ編

 パレロワイヤルの中庭に 人が集まっているのが見えた

 音楽も聞こえる 近づいてみよう

 何とモデルさんが 木立に囲まれたランウエイを颯爽と歩いている

 野外ファッションショーが 展開されていた

 

 ちょうどこの季節は パリでファッションウイークが開催中

 フォーマルなショー以外に 街中でのサプライズショーも行われるのだという

 そのイベントの1つが このパレロワイヤルショーだったわけだ

 

 急造のランウエイの 両側に座る観客の中を 

 華麗なファッションに身を包んだ モデルたちが颯爽と通り抜ける

 間近で見るとモデルの女性たちは いずれもほっそりとした体形の上に長身

 どう見ても全員が180cmは 楽にオーバーしていて

 そのうえヒールを履いているため 見上げてしまう

 約30分ほどのショーが あっという間に過ぎ

 終了後はモデルたちと関係者の 懇談の場に早変わり

 おすまし顔だったモデルたちも 緊張から解放されたにこやか顔に

 普段では見られないリラックスタイムを 覗き見ることも出来た時間だった

 

 

 

 

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