日蓮宗の大本山である池上本門寺は、日蓮上人が亡くなられた場所である武蔵国池上に築かれた寺。
五重塔は、現存する関東の五重塔の中で最も古い(1607年)塔として有名だ。
入口から高い階段を上るので、上り終えて下を見下ろすとこんな風にはるか遠くまで見通せる。
法要の行われた日に訪れたため、日没時には階段に明かりが灯されて、ちょっと厳粛な気分。
さらに暗くなると、階段両脇のロウソクの灯が輝きを増した。一層心静かに階段を踏みしめて帰途についた。
JR新橋駅から5分ほどの所に、日本鉄道史のスタートとなった記念すべき場所がある。「旧新橋停車場」。
我が国初の鉄道は今から151年前の1872年、新橋ー横浜間に敷設された路線だった。10月14日の開業日には明治天皇自らがお召列車に乗車、始発駅となった新橋停車場を発車して横浜までの運行が始まった。
その新橋停車場には、ちょっとした悲劇が付いて回った。鉄道開通の47年後、新しい中央駅として東京駅が開業したことで、新橋停車場は貨物専用駅に転換された。さらに1923年の関東大震災によって駅舎は焼失してしまう。建て直された汐留貨物駅も1986年には営業を終了、広大な敷地は一時、跡地のままにされていた。
近年になってようやくこの跡地は再開発で超高層ビル群の建つ現代的な姿に生まれ変わった。そうした中で2003年、1872年当時の建物が復元されて、鉄道歴史展示室として現在に至っている。
そんな建物の中にあるのがこの階段だ。濃いブルーの敷物のためか重厚さが伝わる。
金属製の手すりが印象的。列車の車輪をイメージして造られたのではないかとも思わせるデザインだ。
上階から見下ろす階段。明治の元勲が歩いたのであろうと考えると、長い歴史を思い起こさせる佇まいに感じる。