新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

寺社巡り・東京⑳ 縛られ地蔵からお七地蔵まで。変わったお地蔵様がいろいろ。

2021-02-02 | 寺社巡り・東京

今回は、あちこちのお寺に存在する変わったお地蔵様を紹介しよう。

1 縛られ地蔵(文京区 林泉寺)

 拓殖大学キャンパスのすぐ近くに、縄でがんじがらめに縛られた地蔵様がある。一見すると異様に見えるが、これも願掛けのお地蔵様の姿だ。

 庶民が盗難に遭ったり失くしものをしたときに、この地蔵様に縄をかけてお願いすると、失せ物が見つかったり、盗まれたものが戻ってくるという効能の地蔵様。願いが叶った時には縄をほどいて感謝を表すということになっているらしい。

2 とろけ地蔵(目黒区 大円寺)

 この寺は、明和9年(1772年)の大火の火元になった寺・。江戸三大大火の1つで、1万4千人もの死者が出た大惨事で、時の政権は「明和9(迷惑)」な名前だとして年号を換えたほど。従ってこの寺には死者の霊を弔うために多数の石仏が置かれている。

 それで、この地蔵様も火事で溶けかかった姿をしているのかと思ったが、そうではなかった。漁民が海中から救い上げた地蔵さまで、悩み事をとろけさせてくれるという功徳があるのだという。

3 ハンサム地蔵(目黒区 大円寺)

 同じ大円寺境内で、とてもハンサムな地蔵を発見。どこから見ても非の打ちどころもないような超ハンサム地蔵様だ。

 とろけかかった前者の地蔵様とは対照的な外見だった。

4 ほうろく地蔵(文京区 大円寺)

 寺の名前は同じでも、こちらは文京区の寺。恋人恋しさに放火の罪を犯して死罪となった八百屋お七が祀られている。ほうろくとは素焼きの土鍋のこと。

 火あぶりにされたお七の身代りとなって熱されたほうろくを頭からかぶって、焦熱の苦しみを受けている姿だ。ここにお参りすると、首から上の病気を治す霊験があるという。

5 八百屋お七地蔵(文京区 円乗寺)

 大円寺の近くにあるこの寺には、そのものズバリのお七地蔵が祀られている。この2つの寺は歩いてもすぐの近さだった。

 ここにはほかに八百屋お七の歌舞伎でお七を演じ、大当たりをとった初代岩井半四郎が寄進した供養塔もあった。2つの寺共にお七の実家だった八百屋に近い場所で、いろいろ因縁があったようだ。

 

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寺社巡り・東京⑲ 波除稲荷神社。赤と黒の巨大獅子頭とちっちゃい七福神は市場の人達の守り神

2021-01-30 | 寺社巡り・東京

築地本願寺から、歩いて10分もせずに波除稲荷神社に到着する。

 正面入り口両側に提灯がずらりと並んで、まるでお祭りの時のようだ。

 築地は江戸時代には埋め立てによって造成された土地だが、その工事が難航していた1659年、海から稲荷明神の像が現れ、これをお祭りしたところ波が収まり、工事が無事進行したというエピソードが伝えられている。

 本殿はわりとこじんまりとした造りだ。

 対して、両脇にある獅子頭が圧倒的な存在感を示している。こちら右側は赤い獅子頭。

 左側には黒い獅子頭。いずれも江戸時代有名だったものが、近年復元された。

 築地市場の近くにあったという土地柄から、この神社は市場関係者の守護神として厚く信仰されている。ちなんだ碑もいろいろ。こちらは活魚塚。

 海老塚にはしめ縄が張られていた。

 玉子塚は、本当の卵のように丸い形をしていた。

 海老も玉子も関係するすし塚。ここにもしめ縄が。

 そんな各種の塚の中で、控え目にちんまりと置いてあったのが七福神。全員笑顔の可愛らしい七福神の神様たちに束の間癒された時間だった。

 

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寺社巡り・東京⑱ 東京の中心地によみがえった福徳神社。都民救済の備蓄倉庫も備えた超現代型神社

2021-01-26 | 寺社巡り・東京

 東京の中心地日本橋の一角に、小さな神社がある。福徳神社。それは三井グループが再開発で市街地整備をした場所。

 コレド室町1の脇から中央通りを1本入った所、「福徳の森」の中にある。

 この仲通りは、老舗の店舗が軒を並べるビュースポットになっているが、その通りこそが福徳神社への参道になっている。

 実はこの神社の歴史は相当に古い。貞観年間(859~876年)というから平安時代前期に、すでにこの地にあったと伝えられている。そして源義家や徳川家康らも同神社に参詣していたという。

 ただ、戦後の急激な都市化の進展は、神社にとって受難の時代となった。神社はビルの屋上の窮屈なスペースに追いやられたり、一時は居酒屋の店内に間借りするといった時期もあった。

 だが、三井不動産の再開発計画によって、社殿の再建が具体化、2016年に現在の社殿が姿を現すことになった。

 骨格は鉄骨造りだが、吉野ヒノキで化粧されて優しい外観になっている。

 コレド室町の商業ビル、そして向かいには三井とホテルの高層ビルに囲まれているが、十分に魅力的な存在感を示している。

 社殿の地下には大災害対策として、1800人の都民が三日間耐えられるだけの備蓄食料を備えた倉庫が造られている。

まさに大都会にある現代の神社の一面だ。

 

 

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寺社巡り・東京⑰ 池上本門寺。加藤清正の階段から五重塔を見上げ、力道山に手を合わせてアジサイに見入る

2021-01-23 | 寺社巡り・東京

 本門寺を訪れてまずぶつかるのが、総門の次にある長い階段。

 この階段は加藤清正が寄進したもので、段数は96段。此経難持坂と称される。

 ここを上ると境内に達する。寺は、1282年10月日蓮宗を興した日蓮上人がこの地で亡くなったことから、創建されたもの。身延山久遠寺とともに日蓮宗の最重要寺院とされている。

 手水場では龍が首をもたげていた。

 護摩をたく場所(何というんだっけ…)。その向こうに見えている門が仁王門。幕末、江戸城の無血開城に向けて西郷隆盛と勝海舟が、この奥庭にある松濤園で会見したところとして歴史上に名を残している。

 右側にはすっきりとそびえる五重塔。二代将軍徳川秀忠によって1608年に建てられた。

 関東に4基現存する幕末以前の五重塔のうちでも、最も古い歴史を誇っている。

 墓地には著名人の墓もいろいろある。力道山の墓には肖像が立っている。

 

 訪れたのはちょうどアジサイが満開の季節。今にも雨粒が落ちそうな天候だったが、それがアジサイにはとても似合っていた。

 この日行われたキャンドルナイト。階段もロウソクの明かりだけで照らされ、味わい深い印象を与えてくれた。

 

 

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寺社巡り・東京⑯ 夜空に黄色く発光するアーチ。異次元空間の寺・築地本願寺

2021-01-19 | 寺社巡り・東京

久しぶりに寺社巡りを再開します。その1回目は築地本願寺。

 どう見ても日本のお寺とは見えない景観だ。創建は1617年だが、関東大震災での焼失を経て1934年に伊東忠太によって現在の建物がお目見えした。外観は古代インドグプタ朝様式。

 夜になるとライトアップされて、正面中央のアーチ部分がぽっかりと黄色く発光しているかのように見える。

 中に入ると講堂入口には、蓮の花を模したステンドグラスが。

 また、これは何というのか、巨大な炎のようなものがデンと据えられている。

 内部は和風の造り。祭壇は金箔が使われているのか、かなりピカピカだ。

壁面も同様に華やかな装飾で飾られている。

 境内を歩いていると、親鸞聖人の像があった。そういえばここの正式名称は浄土真宗本願寺派本願寺築地別院というのだそうだ。

 ちょっとわかりにくいが、江戸琳派の巨匠酒井抱一の供養塔もあった。

 脇の入口上にある装飾も、ライトアップでキラキラしていた。

何とも強烈なインパクトを与える正面の夜景をもう1度!

 

 

 

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