滞在初日は、まずマントンに出かけた。地中海に面したフランスとイタリアとの国境の街で、近年はリゾート地としてにぎわっている。
ニースからはバス。この周辺の町はほとんど1ユーロで行き来できるような観光客にはうれしい価格設定になっていた。(私が旅行した当時のことです)
マントンでまず目指したのは市役所。というのは、ここに有名な「結婚の間」があるからだ。それはジャン・コクトーの設計したもの。コクトーはこの町を頻繁に訪れ、住んでいたこともある芸術家で、マントンを愛しただけでなく自らのの作品を幾つも残した。その1つが、ユニークな結婚式場だ。
この日1番目の客だったのか、係員の女性がカギを開けてくれた。入口にはフランス語で「結婚の間」。
中に入ると、当然ながら無人の空間で完全な独占状態。4面の壁にはびっしりとパステルカラーの絵が描かれている。
正面には見つめ合うカップルが描かれている。漁師とその新妻という取り合わせだそうだ。
新郎の漁師の頭にはホンネットというマントン特有の帽子、目は魚の形。コクトーが想い描いた結婚の情景だ。
側面では民族衣装の人達が踊っている。
よく見ると龍に乗っている人も。ほんのりと温かい雰囲気が一杯で、地元の若者たちがここで誓いの言葉を述べる様子が浮かんでくるような気がした。
マントンには、このほかにもコクトーの作品を見つけることが出来る。こちらはコクトー美術館。時間がないのでここは外観だけ。
壁面には結婚の間と似たようなカップルの絵もあった。
ちょいとニヒルな青年像も。
とりあえずコクトー関連はこのくらいにして地中海へ向かおう。