新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

水面に映る夜景にうっとりするーボーザの黄昏

2017-10-31 | ボーザ・サルディーニャ

 午後の散歩ですっかり腹ペコ状態になってきた。ぼちぼち夕食にしよう。

 宿泊したホテルにはレストランが併設されており、チェックイン時に「宿泊客には割引サービスがあります」と聞いていた。そこでホテルのレストランに決めた。

 部屋に戻って、窓から街並みを眺めてからレストランへ。

 プリモはシーフードサラダ。タコやエビが入った海鮮サラダだ。私の好きなムール貝もたっぷり。海が近いこともあって食材は新鮮。

 セコンドは牛肉のグリル。これも実にうまかったのだが、とにかくボリュウム満点で、残念ながら食べきれなかった。

 腹ごなしに、もう1度散歩に出かけた。ようやく日暮れ時。夕焼雲がぽっかりと浮いていた。

 市街地の街並みもほんのり色づいて・・・。

 遠くの西空に日は沈んでいった。

 まだ残る明るさを吸い上げたテーモ川の水面が、川沿いにあるホテルの建物をきれいに映し出している。

 ベッキオ橋も水面にくっきりと。

 道端の一角では、街灯の明かりを受け止めた自転車が主役を演じている。

 黄昏が忍び寄るテーモ川の川面は、深い青に変わってきた。

 山頂の城壁がライトアップされた。

 川向こうの住宅群がオレンジの衣をまとい始め、街は昼とはまた違った装いが支配する。

 そんな変身の中で、置き去りにされたボートが一隻、昼の名残を惜しんでいるよう。

 ベッキオ橋のアーチの下から夜の街を垣間見る。幻想的な風景が目の前に展開されている。

 さすがに今日は歩き疲れた。ホテルに戻ろう。

 部屋の窓から城跡に「おやすみ」を告げてベッドへ。

 また明日・・・



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‶イタリアの最も美しい村”ボーザの散策スタート

2017-10-27 | ボーザ・サルディーニャ

 さあ、今度はボーザ散策のスタートだ。ここもサルディーニャで最初に訪れたカステルサルドと同様に「イタリアで最も美しい村」に登録されている。
 
 「教会や城壁など歴史的な建造物が残り、自然と調和した美しい景観を保っていること」などの条件を完全に満たした美しい村だ。

 その美しさは、最初に目にしたカラフルな村の遠景で印象付けられていたが、夕景や翌日登った城壁からの眺めなどでさらに強く実感することになる。


 ボーザに戻ったが、まだまだ陽は高い。夕食までの時間、近所の散策に出かけた。町の中心を流れるテーモ川がゆったりと流れる。

 その川を渡るこの橋の名はフィレンツェの有名な橋と全く同じ「ポンテ・ヴェッキオ」。

 旧市街に沿ってヴィットリオ・エマヌエーレ2世通りを進む。狭い道幅に迫るように建物が建っている。

 地面にはびっしりと石が敷き詰められており、スニーカーでないと歩くのに苦労する。また、車輪の幅に石畳が敷かれている。でないと、車はガタガタ揺れて走行が大変になってしまう。

 建物のたたずまいは美しい。

 商店が軒を並べる地域に差し掛かった。

 ビルの上から下まで通しの花壇装飾がなされたしゃれた建物。

 10分ほど歩いて公園に着いた。

 この市民公園には親子連れが沢山。

 自転車で遊ぶ子供もあちこちに。

 ガキ大将たちがごっそり。

 通りには洒落た看板をいくつか見かけた。

 踊る女性のシルエットポスター。

 これはドアに描かれた女性像。

 ホテルへの帰りがけ、通りの突き当りにドゥオモの塔がピクチャレスクにそびえていた。
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隣村スーニの大壁画(ムラーレス)を見ながら、おばあちゃんと歓談

2017-10-24 | ティンヌーラ、スーニ・サルディーニャ

 ティンヌーラから一本道を北に進み、隣村スーニに向かった。集落の外れにあった絵。広場に集まる村民たち。

 途中、咲き乱れるピンクの花に見とれたりしながら15分も歩けばもうスーニ村だ。

 この村で初めて出会ったムラーレスは、赤ちゃんを取り囲む若い家族像。

 作業に励む夫と手助けする妻もいる


 郊外の高原で馬と戯れる男性。

 鶏の飛び交う家。

 立派な馬にまたがる紳士。

 こちらには巨大な本が広げられていた。

 牛を世話する男性・・・かと思ったら、牛は絵だけれど男性と車は本物。
 描かれた牛の前に実際の水道があって、車で通りがかった男性がそこから水を汲んでいるところだった。

 スーニのメインストリートはなかなか美しい。カラフルな家が可愛らしく並んでいた。

 開かれた窓から外を見るカフェの女主人。実際ここはカフェだったので、コーラを一杯。バス停の場所を聞くと、わざわざ外に出て指差しで教えてくれた。

 この町のバス停は、ちゃんとバスのイラストが描かれた標識があった。時刻表まではついてなかったが、「ネットで調べた時刻表によると・・・」と話し出すと「そんなに正確に来るもんじゃないよ。待っていれば、そのうちに来るよ。まだ、日が高いからね」。


 バスを待つ間、バス停近くで家から顔を出していたおばあさんと立ち話。時間を持て余すこともなかった。

 確かにバスは、時刻表の時間より20分ほど遅れたけれども、ちゃんと到着。無事ボーザに帰ることが出来た。

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生活密着の壁画群(ムラーレス)がズラリーー馬の絵も沢山

2017-10-20 | ティンヌーラ、スーニ・サルディーニャ

 さらに壁画は続く。村のメインストリートはほんの数キロというところだが、途切れることなく通りの両側に描かれていた。
 これは秋の刈り入れ風景のようだ。

 頭に荷物を載せたまま世間話の御婦人

 こちらも収穫風景なのかも。

 長ーい塀一杯に村人たちが描かれたものもあった。

 ちょうど通りかかったサイクリングのグループも足を止めて「ワンダフル」「スプレンディット」などとしきりに感心していた。

 そうした絵の中でも、馬が描かれた作品が目立った。

 馬に水をやる農夫。

 馬小屋から外に連れ出そうとしているオーナー。 

 これも馬と共に農作業。

 実際、ティンヌーラ村から隣りの村に行く途中でも、本物の馬が飼育されているのを見かけた。

 サッサリの祭り「カバルカータサルダ」も馬が主役の1つだったし、この地方の人たちと馬とは深くかかわりあっているのだろうということが実感できた。

 そうした生活の絵以外の絵もないわけではない。

 将軍の肖像。ガリバルディ将軍?

 海辺に遊びに来たカップル。

 笛を吹く男。

 この絵だけはちょっと変わったタッチ。

 伝統的な祭りの扮装のような・・・・

 こんな調子で壁画が村中に広がるティンヌーラ村は、まるでテーマパークのようなワクワクランドだった。

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村中に展開する大壁画(ムラーレス)にビックリ!

2017-10-17 | ティンヌーラ、スーニ・サルディーニャ

 ボーザのホテルにチェックイン後、この日の予定は、日の高いうちに近くの村であるティンヌーラとスーニに行き、ムラーレスを見学すること。
 ムラーレスとは、普通の民家の壁面などに描かれた絵のことで、サルディーニャでは集中的に住宅に絵を描いている村がいくつかあるという。

 ただ、ティンヌーラに行くためのバスの停留所が見つからない。ネットで時刻表はチェックしていたが、正確な停留所の場所まではわからないので地元に人に聞いたが「あの辺」「その近く」といったあいまいな答えばかりで、何の目印も見あたらない。

 あちこち歩いているうちに、バスが停まっている駐車場があったので、そこにいた運転手さんに聞くと、「私のバスもティンヌーラには行くけど、遠回りになるよ」とのこと。
 急ぐ旅でもないので遠回りでも行ければ文句はない。そのバスに乗り込んだ。

 走り出していくつかの集落を通過したが一向にティンヌーラの町らしきものが見えてこない。その上、だれ一人バスに乗って来る人がいない。
 通常ルートだと15分程度の場所に、結局1時間ほどかかってティンヌーラに着くまで乗客は完全に私一人の貸し切りバス状態だった。
 それに、本来なら行くはずのなかった海辺の町や丘の上の町などまで巡るというちょっとした小旅行になった。降りる時には「貸切りで小旅行をプレゼントしてくれてありがとう」と、運転手さんに感謝の言葉を捧げて下車した。


 ようやくたどり着いたティンヌーラ村。役場があったのでそこからスタートだ。

 すると、役場の右手のひさしの下で農作業をしている人たちの姿が目に付いた。と、よく見ると彼らは全く動かない。 家の壁全体に描かれた絵だった。
 そんな大壁画は、この村の至る所で見つかった。

 バスをを待っているのか、よもやま話をしながら道路に目をやるおじさん2人組。

 隣の家では戸を開け放っていて、くつろぐ老夫婦の様子が丸見え。

 村のメインストリート沿いに横に長いビルがある。そのビル全体にいくつもの絵が。

 その右半分。

 そして、左半分。本当に村人たちが立ち話をするゆったりした昼下がりの風景が再現されていた。

 さらに左側には2階でシーツを広げる女性と、その下を通り抜けるおばさん。

 こちらは荷物を載せた子馬を連れて歩き出そうとしている少年。

 この老夫婦はツボに水を入れながら何やら話し中。

 散歩に出る主人を見送る奥さんもいる。

 家の中で何やら作業中の家族。

 2階から村内を見おろす村のお姫様。

 他国で見られがちな宗教画や抽象画はほとんどない。どれもこれもまさしく日常的に繰り広げられる村の生活を再現した様なものばかりだ。
 しかも、本当にそこに住民がいるかのように錯覚してしまうほど見事な絵だ。

 すっかり楽しい気分になって,自然に鼻歌を口ずさみながらの散策を楽しんだ。




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