新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

寺社巡り・東京⑲ 波除稲荷神社。赤と黒の巨大獅子頭とちっちゃい七福神は市場の人達の守り神

2021-01-30 | 寺社巡り・東京

築地本願寺から、歩いて10分もせずに波除稲荷神社に到着する。

 正面入り口両側に提灯がずらりと並んで、まるでお祭りの時のようだ。

 築地は江戸時代には埋め立てによって造成された土地だが、その工事が難航していた1659年、海から稲荷明神の像が現れ、これをお祭りしたところ波が収まり、工事が無事進行したというエピソードが伝えられている。

 本殿はわりとこじんまりとした造りだ。

 対して、両脇にある獅子頭が圧倒的な存在感を示している。こちら右側は赤い獅子頭。

 左側には黒い獅子頭。いずれも江戸時代有名だったものが、近年復元された。

 築地市場の近くにあったという土地柄から、この神社は市場関係者の守護神として厚く信仰されている。ちなんだ碑もいろいろ。こちらは活魚塚。

 海老塚にはしめ縄が張られていた。

 玉子塚は、本当の卵のように丸い形をしていた。

 海老も玉子も関係するすし塚。ここにもしめ縄が。

 そんな各種の塚の中で、控え目にちんまりと置いてあったのが七福神。全員笑顔の可愛らしい七福神の神様たちに束の間癒された時間だった。

 

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寺社巡り・東京⑱ 東京の中心地によみがえった福徳神社。都民救済の備蓄倉庫も備えた超現代型神社

2021-01-26 | 寺社巡り・東京

 東京の中心地日本橋の一角に、小さな神社がある。福徳神社。それは三井グループが再開発で市街地整備をした場所。

 コレド室町1の脇から中央通りを1本入った所、「福徳の森」の中にある。

 この仲通りは、老舗の店舗が軒を並べるビュースポットになっているが、その通りこそが福徳神社への参道になっている。

 実はこの神社の歴史は相当に古い。貞観年間(859~876年)というから平安時代前期に、すでにこの地にあったと伝えられている。そして源義家や徳川家康らも同神社に参詣していたという。

 ただ、戦後の急激な都市化の進展は、神社にとって受難の時代となった。神社はビルの屋上の窮屈なスペースに追いやられたり、一時は居酒屋の店内に間借りするといった時期もあった。

 だが、三井不動産の再開発計画によって、社殿の再建が具体化、2016年に現在の社殿が姿を現すことになった。

 骨格は鉄骨造りだが、吉野ヒノキで化粧されて優しい外観になっている。

 コレド室町の商業ビル、そして向かいには三井とホテルの高層ビルに囲まれているが、十分に魅力的な存在感を示している。

 社殿の地下には大災害対策として、1800人の都民が三日間耐えられるだけの備蓄食料を備えた倉庫が造られている。

まさに大都会にある現代の神社の一面だ。

 

 

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寺社巡り・東京⑰ 池上本門寺。加藤清正の階段から五重塔を見上げ、力道山に手を合わせてアジサイに見入る

2021-01-23 | 寺社巡り・東京

 本門寺を訪れてまずぶつかるのが、総門の次にある長い階段。

 この階段は加藤清正が寄進したもので、段数は96段。此経難持坂と称される。

 ここを上ると境内に達する。寺は、1282年10月日蓮宗を興した日蓮上人がこの地で亡くなったことから、創建されたもの。身延山久遠寺とともに日蓮宗の最重要寺院とされている。

 手水場では龍が首をもたげていた。

 護摩をたく場所(何というんだっけ…)。その向こうに見えている門が仁王門。幕末、江戸城の無血開城に向けて西郷隆盛と勝海舟が、この奥庭にある松濤園で会見したところとして歴史上に名を残している。

 右側にはすっきりとそびえる五重塔。二代将軍徳川秀忠によって1608年に建てられた。

 関東に4基現存する幕末以前の五重塔のうちでも、最も古い歴史を誇っている。

 墓地には著名人の墓もいろいろある。力道山の墓には肖像が立っている。

 

 訪れたのはちょうどアジサイが満開の季節。今にも雨粒が落ちそうな天候だったが、それがアジサイにはとても似合っていた。

 この日行われたキャンドルナイト。階段もロウソクの明かりだけで照らされ、味わい深い印象を与えてくれた。

 

 

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寺社巡り・東京⑯ 夜空に黄色く発光するアーチ。異次元空間の寺・築地本願寺

2021-01-19 | 寺社巡り・東京

久しぶりに寺社巡りを再開します。その1回目は築地本願寺。

 どう見ても日本のお寺とは見えない景観だ。創建は1617年だが、関東大震災での焼失を経て1934年に伊東忠太によって現在の建物がお目見えした。外観は古代インドグプタ朝様式。

 夜になるとライトアップされて、正面中央のアーチ部分がぽっかりと黄色く発光しているかのように見える。

 中に入ると講堂入口には、蓮の花を模したステンドグラスが。

 また、これは何というのか、巨大な炎のようなものがデンと据えられている。

 内部は和風の造り。祭壇は金箔が使われているのか、かなりピカピカだ。

壁面も同様に華やかな装飾で飾られている。

 境内を歩いていると、親鸞聖人の像があった。そういえばここの正式名称は浄土真宗本願寺派本願寺築地別院というのだそうだ。

 ちょっとわかりにくいが、江戸琳派の巨匠酒井抱一の供養塔もあった。

 脇の入口上にある装飾も、ライトアップでキラキラしていた。

何とも強烈なインパクトを与える正面の夜景をもう1度!

 

 

 

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フランス・メッス⑯ 「平和」を祈るシャガールの圧倒的な大ステンドグラスは、愛にあふれていた。

2021-01-16 | フランス・メッス

 目的の礼拝堂が見えてきた。でも、特に目立った特徴もない、普通のこじんまりした礼拝堂。

 ただ、建物の窓だけがやけに大きいといった印象だ。

その大きな窓が、そっくりシャガールのステンドグラスだったことが、入ってみて初めて分かった。

 とにかく大きい。床面から天井まで高さ12mという、シャガール自身にとっても最大の作品がそこにあった。タイトルは「平和」。

 実はこの町に来る時、標準レンズをホテルに置き忘れてしまったことに、ここで気付いた。持ってきた望遠レンズではこのステンドグラス全体が1枚の写真に収まらない。上の写真が、部屋の一番後ろから撮った精一杯のものだ。

 なので、部分的に見て行こう。最上部には、多くの人達が様々な形で動いている。日常の営みなのかも。

 その中で、左側には十字架に架けられたキリストの姿がある。

 中央部は、大きな赤い花束によって囲まれている。

 花束の中心にいるのが、2人の男女。抱きあい愛を語っているかのようだ。これが「平和」の象徴なのだろう。

 花束の下部。茎の部分の緑が映えており、全体を引き締める役割を果たしている。

 その傍ら左側には、馬に乗った人の行列がある。平和の行進(!)この辺りのブルーは目の覚めるような明るさだ。

 ステンドグラスの手前にガラスのテーブルがあった。

 近づいてみると、そのテーブルに抱きあう2人がきれいに映し出されていた。

こんな形で、メッスとサルブールにシャガールを訪ねる旅は終わりを告げた。寒い冬の真っただ中だったが、シャガールのステンドグラスは人の心をほっこりとさせる温かみにあふれたものだった。

 

 

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