新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

階段紀行・日本 会津若松・さざえ堂 江戸時代に完成した二重螺旋の階段。

2023-07-18 | 階段紀行・日本

 会津若松・飯森山に不思議な堂がある。円通三匝堂(さんそうどう)=通称「さざえ堂」。国の重要文化財だ。高さ16mの堂は、見上げると斜めに傾いているようにも見える。

 入口に僧の像がある。1796年に当時の住職郁堂禅師が考案したそうだ。堂内は時計回りに上り1と4分の3周で最上階に着き、下りも1と4分の3周して入口に戻る。

 上るごとに棚のような厨子があるが、創建当時各所に設置された厨子の中に西国三十三観音像が祀られていた。つまり、この堂をお参りすることで三十三観音参りを済ませることが出来たわけだ。

 明治に入って神仏分離令が出されて、今像は除かれている。

 最上階まで到着する。無数の札が貼られている。ここが信仰の対象だったことがよくわかる。

 特に天井部分の札はおびただしい。

 下りに入る。階段は二重螺旋になっていて、上る人とすれ違うことは全くない。こういった二重螺旋階段はバチカン市国のバチカン美術館やフランスロワール地方のシャンボール城でも見ることが出来たが、我が国の歴史的建築では非常に珍しい。

 こうして見下ろすと、太鼓橋のようなふくらみのある階段部分もあり、二重螺旋も含めて実に貴重な遺産であることが実感できた。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

階段紀行・日本 会津若松 白虎隊の墓がある飯森山の長い階段、鶴ヶ城の夜景

2023-07-15 | 階段紀行・日本

 白虎隊の墓がある飯森山は、会津若松市の郊外にある。墓参りを思い立ち訪ねると、長い階段が待ち受けていた。 

 数えなかったが100段は越えているだろう。

 ただ、隣にはエスカレーターがあるので、一安心。

 でも、エスカレーターの終点から、さらにまた階段。ちょうど訪れたのが桜の季節だったので、疲れも幾分か癒されることになった。

 このほか、次回に紹介するさざえ堂への近道階段も見つけた。

 飯森山から会津若松城、通称鶴ヶ城へも回った。この城内にあった階段は、江戸時代を思い起こさせるようないかにも歴史を積み重ねてきたという石段だった。

 ここでは夜、ライトアップされた城とさくらの競演を見ることが出来た。

 また、堀に映り込んだ桜の並木も印象深いものがあった。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

階段紀行・日本 鬼怒川温泉の階段では、巨大な鬼が腕組みをしてにらんでいる

2023-07-11 | 階段紀行・日本

 日光に行く手前の鬼怒川温泉駅から歩いて10分ほどの所に、鬼の像が描かれた階段アートがある。ここは、鬼怒川を渡る「ふれあい橋」に通じる階段で、鬼の像は実に50mもの巨大なものだ。

 少し近づいてみると、鬼は腕組みをして周囲をにらみつけるような形相をしている。

 この鬼は「鬼怒太」と名付けられていて、温泉のマスコットになっているようだ。駅前にも立ち姿の像が建っている。こうして見ると、ちょとユーモラスな感じもする。

 ただ、階段の縦の部分に描かれているので、真上から見ると何が描かれているのかはわからなくなってしまう。

 階段横の壁には、たくさんの壁画アートがある。

 大正ロマン風の着物姿の人たちが、思い思いの格好をしていて、傘や犬とたわむれる風景もみえる。

 ロマンチックといかめしさ、両方を兼ね備えたこの場所は、祭りなどイベントの会場としても活用されているという。

 ところで、鬼怒川という名前の由来を調べてみると、「川が荒れると鬼が怒ったようになることから」という説や、「絹村という地区があり、そこで絹を洗っていたことから、同じ音で鬼怒になった」という説も。

 名前の由来もロマンといかめしさとが混在していた。

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

階段紀行・日本 日光東照宮 下 陽明門から坂下門を過ぎると、奥院に続く長い長い石段が待っている

2023-07-08 | 階段紀行・日本

 陽明門は近年全面修理を終えて、金ピカに生まれ変わった。使われた金箔は24万枚。門全体に霊獣、聖人、子供たちなど508体の彫刻で埋め尽くされているという非常に珍しい門だ。これをつぶさに観察しようと思ったら一日かけても見終わらずに日が暮れてしまうということで「日暮しの門」と呼ばれている。

 陽明門を過ぎると、坂下門が見つかる。

 ここには左甚五郎作とされる「眠り猫」があることで有名だ。とても小さいので見逃さないようにご注意。

 そこをくぐるとすぐに直線の階段、奥宮への参道が始まる。

 これからは道も階段もすべて石だけで造られており、一枚一大きな石で構成されている。

 少し歩くと上り階段が見えてくる。これもかなり長い上りだ。奥院までずっと続く「石づくしの道」。

 ここの階段は合わせて207段あるらしい。一つ一つの段がそれぞれ1枚の岩を加工して設置されているという。手間のかかる仕事で出来ている。

 最奥には徳川家康の墓があるという神聖な土地だけに、こうした途中の参道にも特別な思いが込められているのだろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

階段紀行・日本 日光東照宮 上 苔むした歴史を刻む石段を踏みしめて世界遺産を歩く

2023-07-04 | 階段紀行・日本

 東武日光駅前からバスで世界遺産日光東照宮の入口までやってきた。朱色の映える神橋の前から世界遺産のエリアに入る。

 石段を上り始める。普通の階段の横にいかにも古い石段がある。そちらを歩きだした。

 一段一段が石で出来ているのはもちろん、その段の両端にはゴロゴロした大きな自然石が並んでいる。いかにも歴史を刻んできた階段という風情だ。

 後で調べてみると、この階段は二荒山神社別宮の本宮神社の続く参道であることがわかった。一口に東照宮というが、この地域は輪王寺、二荒山の二社一寺で構成されていて、本宮神社はそのうちの二荒山神社の一部ということになるようだ。

 途中、本宮カフェという趣のあるカフェがあったが、歩き始めたばかりなので休憩はパス。

 上ってゆくと勝道上人像のある広場に到着した。ここから二社一寺の中心部になる。

 大きな鳥居への道は、段差の低い階段を踏みしめて進む。

 五重塔が現れた。屋根の広がりが少なく、すらりとシャープな感じのする塔だ。ここの標高は634m。東京スカイツリーの高さと同じ数字だ。

 さらに進むと巨大な建物が現れた。輪王寺三仏堂。三代将軍徳川家光によって建立されたもので、東日本では最大の木造建造物だという。そこに続く階段も実に幅広く雄大。

 さらに進むと、ようやく陽明門が見えてきた。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする