ロレット教会内部、左側廊に美しい木製の聖母子像を見つけた。
近づいてその表情に見入る。 凛とした表情が素晴らしい。
「この聖母子像に会うためだけに、この教会を訪れる人も多いんですよ」。教会の司祭が教えてくれた。 なるほど!
左奥の部屋には、鮮烈なステンドグラスがある。聖母被昇天の場面が描かれている。
この教会は印象派の画家たちの人生の節目といろいろなかかわりを持っている。
まず、1832年にはエドガー・ドガの両親がここで結婚式を挙げている。
それから8年後の1840年、モネの洗礼式もここで行われた。
モネの生家はラフィット通り48番地のビルの6階。教会からすぐだ。
モネ一家は1845年にル・アーヴルに移るまでここで暮らした。
さらに1894年、カイユボットの葬儀もここで行われた。カイユボットは自らが画家であると同時に、印象派の作品を買い取り、現在のオルセー美術館の核となるコレクションを残した功績者でもある。
それだけ、この教会周辺に後の印象派の画家たちが住み、彼らの信仰のよりどころになっていたということだろう。
こんなこけしのような天使像もあった。
聖母子の神殿奉献だろうか。美しい絵画も残されている。
1800年代のパリの情景を想像しながら、パリ在住の友人の職場に向かった。
次回からは、マネを中心とした19世紀の絵画の物語を始めてみたいと思っています。