新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

マントヴァ⑩ 初体験!オーナー手作りの唐辛子のジャム。広場歩きで郷土料理のイタリアンチャーハンも。

2018-07-07 | イタリア・マントヴァ

 B&Bでの朝、朝食ルームと教えてもらったリビングに行くと、オーナーが壁際の机に何やら物を並べていた。近づいてみると、それは朝食のメニューだった。

 スポンジケーキ、クロワッサンなどのパン類が手前に何種類も用意され、奥にはカラフルなビンが並んでいる。
 「Buongioruno」。挨拶を交わすと、オーナーは早速メニューの説明に入った。聞くと、どれもオーナーの手作りだという。
 外見はトランプ米大統領に似たごついオジサンなのに、意外にも料理が趣味のようだ。しかも、クロワッサンなどなかなかのおいしさ。

 すると、オーナーはカラフルなビンの説明に入った。これらも手作りのジャム。特に赤いビンのジャムがお勧めだという。

 口にしてみた。おや、ジャムなのにピリリと辛い!て「CHE COSE?」(なんだこりゃ?)

 「うまいだろう!これはペペロンチーノを苦労してジャムにしたんだ!」

 私の口にはちょっとねえ・・・。


 そんな話をしながらオーナーは窓のカーテンをピュッと開け放った。すると目の前に教会の塔が出現した。サンタンドレア教会だ。リビングは2階なので、他の建物に邪魔されてよく見えない地上よりももっと間近に教会全体が見渡せる。一気に唐辛子のピリピリを忘れて気分が高揚してきた。


 外に出た。エルベ広場の西にある小さな広場は、ドゥカーレ宮殿を手掛けた画家の名をとってマンテーニャ広場と名付けられている。

 右隣にあるサンタンドレア教会の鐘楼を見上げたら、青空には一面に鱗雲が広がる美しい風景が展開されていた。

 エルベ広場を通り越すと、中世の面影が感じられるソルデッロ広場に出る。

 この広場の右端にはドゥカーレ宮殿の大きな建物が長く伸びている。

 その際奥にはドゥオモの堂々とした姿。

 ドゥカーレ宮殿側のポルティコから見ると、ドゥオモもこんな風に見えた。

 ここにもテントを張った沢山のレストランが店を出している。

 そのうちの1軒で夕食。プリモは米料理リゾマントヴァーナ。ソーセージ入りチャーハンといった感じの郷土料理らしい。

 セコンドにはローストビーフ。それにサラダと白ワインで軽く。

 翌日の夕食はソルデッロ広場から1つ西の路地を入ったリストランテで。前日と同様にリゾットを。

 セコンドはポルペッティ。オーナーが勧めてくれたこの店の方が全体的においしかった。

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マントヴァ⑨ マントヴァの中心街エルベ広場でロトンダに入り、柔和な像の表情にほっこり。

2018-07-03 | イタリア・マントヴァ

 街の中心にはいくつかの広場があり、それが連なるように広がって旧市街を形成している。エルベ広場はその代表的なもの。

 左手にサンタンドレア教会の塔が広場の建物越しに眺められる。

 右手には15世紀に建設された時計塔が建つ。

 その中ほどにはこんな像が。

 また、隣にある建物はサンロレンツォ聖堂。丸い形をしているためロトンダと呼ばれている。マントヴァの最も古い教会だ。和傘を開いたようなレンガの屋根が特徴的。

 中に入ってみた。中央部分を囲むように柱が並び、

 天井や柱のつなぎ目がアーチを形成している。

 天井にも際立った装飾はないものの、独特の重厚感が色濃く感じられる。

 1つポツンと小さめの十字架像が吊り下げられていて、

 その下に赤いブーケ。

 修道女と、

 修道士が1体ずつ。2人ともとても優しそうな柔和な表情だ。ほっこりと癒されそうな気分で外に出た。

 広場の路上レストランは、夕方になると人であふれてきた。


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マントヴァ⑧ マンテーニャの家を経由してのどかなマントヴァの通りを散歩する

2018-06-30 | イタリア・マントヴァ

 テ宮殿を出て帰りは歩きながら旧市街に向かった。すぐに通りかかったのはサンセバスティアーノ博物館。テラコッタの像や絵画などが展示されていた。

 サンセバスティアーノ教会の方に入りたかったのだが、ここは閉館中。残念!

 その先にマンテーニャの家があった。

 聞いてみると、今は学生や若手建築家などの工房として使われているとのこと。ちょっと覗かせてもらった。

 POMA通りに入ると、なかなか雰囲気のある街並みになった。道の奥にサンバルナバ教会の塔がそびえ、センターには並木が並ぶ。

 そこに建つジュスティツィア宮殿、つまり立派な裁判所に注目。

 壁面に奇妙な表情をした男女像が張り付いている。何か悪事を働いて裁判に掛けられている人かな?

 そこから右折してキアッシ通りに入ると、サンマウリツィオ教会の堂々としたファザードが目に入る。

 同通りの落ち着いた街並み。

 サンタンドレア教会のクーポラが見えてきた。もう旧市街はすぐそこだ。

 エルベ広場手前でマクドナルドをみつけたので、ここでコーヒーを一杯。

 室内を撮っていたら、若い女性にジロリと睨まれてしまった。

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マントヴァ⑦ ゼウスと巨人族との戦い。大スペクタクルを女子高生たちと一緒に観戦!テ宮殿

2018-06-26 | イタリア・マントヴァ

 いよいよお目当ての「巨人の間」に入った。巨人族がゼウスの支配に対して反乱を起こした。それに怒ったゼウスは武器の稲妻を投げつけて山を崩し巨人族を平定した、というエピソードだ。

 中央にいるのがゼウス。

 稲妻を投げようとしている。

 それによって家の柱も折れて、崩れた建物の中でもだえる巨人たち。   とにかくまるでアニメのスペクタクル。巨人の表情が面白い。

 天上を恨めし気ににらむ二人。

 岩に挟まって、もう寄り目状態。

 息も絶え絶えの巨人おじさん。

 助けて~~~。

 一方天上ではこの光景を人々が大騒ぎで見守る。

 まさに血沸き肉躍る場面だ。

 ちょうど女子高生たちの見学時間と鉢合わせ。彼女たちもキャーキャー言いながらゼウスの戦いを見ていた。

 中には寝そべって絵を見上げる女子高生も。イタリアは本当に自由なんだなあ。

 そんな大スペクタクルの間の近くには、こんな花びらを机に置いた優しい部屋もあった。

 宮殿模型の展示も見つけた。

 中庭はきれいに整備されて、清々しい気持ち。

 ジュリオ・ロマーノの虚構の世界から現実の世界に戻るには、こんな青空を見つめ、風に吹かれる、しばしの時間が必要だった。



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マントヴァ⑥ テ離宮では、ギリシャ神話の神々が宴会で大騒ぎ

2018-06-23 | イタリア・マントヴァ

 テ離宮へはバスを利用した。エルベ広場で停まっているバスの運転手に聞くと、そのバスがテ離宮も巡回する「チルコラーレ」と呼ばれる循環バスだった。離宮近くで声をかけてもらうように頼んで乗車。

 バスで15分ほど走り、東西に延びる大きな道に出たところで運転手が「ここだよ~」と大声で教えてくれた。


 降りるとテ離宮入口の標識。イメージでは大きく高い建物が見えるかと思ったが、実際には緑の木々の向こうに、わりに低層の屋敷が広がっている、といった印象の宮殿だった。

 この宮殿は、ゴンザーガ家の別荘。イザベラ・デステの息子フェデリコ2世が愛人のイザベラ・ボスケッティのためにジュリオ・ロマーノに命じて建設させたものだ。

 最初に入った部屋は「太陽と月の間」。真ん中にいる男が太陽神アポロン。右には月の女神ディアナ。二人は双子の神だ。
 ここにはギリシャ神話に登場する神々を題材とした物語の場面が、壁面や天井一杯に描かれている。聖書の場面だとかなり深刻な話が多くなりがちだが、ギリシャ神話だと結構開放的なストーリー展開で、描かれた人々もアニメチックなタッチだ。

 ここは「馬の間」。賓客との謁見やパーティなどにも使われたという広いスペースの部屋だ。

 名前通り馬の絵が描かれるが、これらの馬はだまし絵感覚。バックの風景より手前に浮かぶように立っている風に見える。

 このフレスコ画の白馬も浮き上がっている。

 次に「プシュケの間」。
 女神ヴィーナスの子供であるクビド(アモル=愛の神)は、美しい王女プシュケに恋をしてしまう。母ヴィーナスはその恋を妨害するが、死の眠りについてしまったプシュケを哀れんだゼウスがプシュケをよみがえらせ、2人は無事結婚するという物語だ。

 1つ上の全体画の右端に寝ているのがプシュケとクビドの2人。

 結婚式の風景なのか、みんな宴会で大騒ぎの最中だ。

 そのお祭り騒ぎの中には象まで登場してしまっている。

 別の壁面にはなにやら大巨人が。

 中心にいる巨人はポリフェーモス。

 その次の部屋は「風の間」。四角形、六角形、円などの形を組み合わせた枠の中に様々な絵が収まっている。

 女性たちが何か争っているかのような構図。

 天使が舞い降りた。

 これは何を指さしているんだろうか?

 とにかくどれもこれも動きのあるダイナミックさを感じさせる絵のオンパレードだ。


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