上野動物園は1882年3月20日に開園した。開園式には明治天皇が臨席する大々的なセレモニー付きだった。
だが、当初集められた動物はシカ、イノシシ、サルなどで、ライオンもゾウもいなく、外国産の動物はカンガルーだけというさびしい内容だった。
それが、1887年にはトラ、翌年にはライオンが加わって、ようやく動物園らしい姿になっていった。
また、第二次世界大戦中には処分されて見ることの出来なくなったゾウが、タイから贈られ「花子」と名付けられて人気となり、インドからも「インディラ」が到着した。
だが、何といっても史上最高のスーパースターはパンダ。1992年に日中国交回復の記念に来日したカンカン、ランランの人気はすざましかった。
一般公開の始まった11月5日の上野動物園は、開門の午前9時には既に3000人の行列に膨らんだ。入場しても立ち止まり禁止のため、タイミングが悪ければ姿がよく見えないままで通り過ぎなければいけないということもあったという。
1日の入場者数は5万6千人。当初予想よりも少なかったのは「大混雑予想のPRが徹底されたため」と当時の新聞は書いている。
それにしてもパンダブームは今でも健在。昨年入園した時もパンダ舎の前ではあまり立ち止まったままで眺める事は出来なかった。
初来日から今年はちょうど50周年。つい先日まで記念イベントが行われていて、高さ5mのパンダバルーンが公園入口に飾られていた。
なお、上野公園内での来客記録は1974年の国立東京博物館で開かれた「モナリザ展」。会期中に150万人の入場者が全国から集まった。また、西洋美術館で1964年に開催した「ミロのヴィーナス展」も多数の観客が集まった。
これらを所蔵するルーブル美術館では今後これらの国外貸し出しの予定は全くないそうで、これからはパリに出かける以外その作品にお目にかかる事は出来なそうだ。