新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

よさこい讃歌2024㉔ 「死んだ女の残したものは しおれた花とひとりの子供」 柳葉魚のざわめき 駿河リゾート TOKYO PHANTOM ORCHESTRA

2025-01-21 | よさこい讃歌

「柳葉魚のざわめき」(東京都新宿区)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 死んだ男の残したものは ひとりの妻とひとりの子供

 他には何も残さなかった 墓石一つ残さなかった

 

 死んだ女の残したものは しおれた花とひとりの子供

 他には何も残さなかった 着物一枚残さなかった

 

 死んだ子供の残したものは ねじれた脚と乾いた涙

 他には何も残さなかった 思い出一つ残さなかった

 

 死んだ兵士の残したものは こわれた銃とゆがんだ地球

 他には何も残せなかった 平和一つ残せなかった

 

 死んだかれらの残したものは 生きてるわたし生きてるあなた

 他には誰も残っていない 他には誰も残っていない

 

 死んだ歴史の残したものは 輝く今日とまた来る明日

 他には何も残っていない 他には何も残っていない

                                (谷川 俊太郎) 

 

「駿河リゾート」(静岡県沼津市)

 

 

[TOKYO PHANTOM ORCHESTRA」(東京都)

 

 「よさこい讃歌2024」は今回で終了です。ご訪問いただいてありがとうございました。

 次回からはまた「心ふるえる風景」シリーズを再開する予定です。

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よさこい讃歌2024㉓ 「僕を包んで抱きしめたまま 歩いてくれるものをください」TACYON さぬき舞人 燦 

2025-01-18 | よさこい讃歌

「TACYON」(高知県)

 

 

 

 

 

 時間を ください

 力を ください

 気持ちを ください

 終わりのない 歌をください

 

 僕を包んで 抱きしめたまま

 歩いてくれる ものをください

 何にも 惑わされないように

 強く思いつめたまま 生きて行けるように

 

 僕の胸は 苦しくて

 こんこんと 咳みたいに

 悲しさが 零れ落ちる

 

 ぼくの心は 自由だから

 ふわふわと 煙のように

 淋しさが さまよい歩く

                                (銀色 夏生)

「さぬき舞人」(香川県さぬき市)

 

 

 

 

「燦-SUN」(東京都)

 

 

 

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よさこい讃歌2024㉒ 「もはやいかなる権威にも 倚りかかりたくない」 旅鳥

2025-01-14 | よさこい讃歌

「旅鳥」(東京都、山口県)

 

 

 

 

 

 

 

 もはや 出来合いの思想には 倚りかかりたくない

 もはや 出来合いの宗教には 倚りかかりたくない

 

 もはや 出来合いの学問には 倚りかかりたくない

 もはや いかなる権威にも 倚りかかりたくない

 永く生きて心底学んだのは それぐらい

 

 自分の耳目

 自分の二本足のみで 立っていて

 何不自由の ことやある

 

 倚りかかるとすれば

 それは 椅子の背もたれだけ

                               (茨木 のり子)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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よさこい讃歌2024㉑ 「きみの心を彗星に乗せて 宇宙の果てに連れて行ってあげる」 百物語 七福よさこい連祝禧 

2025-01-10 | よさこい讃歌

「万屋千家 百物語」(東京都豊島区)

 

 

 

 

 

 

 きみの心を 彗星に乗せて

 さみしさなど 追いつけないスピードで

 宇宙の果てに 連れて行ってあげる

 

 美しい星々

 そこに誰もいなくても きみはさみしくなくて

 まるで叶えたい夢を 見つけに来たようなときめきだ

 

 恋など 追いつかない炎になって

 さみしさは 世界がきみのものになるその予感

 きみを微塵も奪わない私の手を どうか取って

                                    (最果 タヒ)

 

「七福よさこい連祝禧」(東京都)

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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よさこい讃歌2024⑳ 「思いが募ってしようがなかった時 呼吸することさえも苦しかった」朝霞なるこ遊和会 朝霞鳴子一族め組

2025-01-07 | よさこい讃歌

「朝霞なるこ遊和会」(埼玉県朝霞市)

 

 

 

 

 

 

 いちばん 思いが募ってしようがなかった時

 私は呼吸することさえも 苦しかった

 どうしても考えてしまう あの人のことを

 

 理性では抑えられるのに 感情が動く

 これは何の試練だろう これはどんな意味があるのか

 静かな夜のしじまの中の 苦しいほどの自問自答に

 答えなんて ない

 

 それって悲しくないですかと あの人は言った

 何の話か 忘れてしまったけど

 私は 答えをうやむやにした

 

 言葉は流れ合い 心に注ぎ込み 

 新たな関係を 生み出す

 

 どんな関係をあの人と 私は築けるだろう

 その答えは いつかわかる

 振り返った時の景色の中に いつかはっきりと浮かび上がる

 

 それが 私を支えるものとなるように

 私はあの人を どこまでも信じよう

                                   (銀色 夏生)

 

「朝霞鳴子一族め組」(埼玉県朝霞市)

 

 

 

 

 

 

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