しばらくお休みしていた「階段紀行」を再開します。今回は東京の階段の続編です。
遥か上方に、心ごと運ばれてしまいそうな青の空洞が突き抜けている。
それが、大きく弧を描いて、
時には波頭のように渦巻いて翻る。
そう、葛飾北斎が「神奈川沖浪裏」で描いたあの大波を連想させる瞬間さえある。
ここは立川市の昭和記念公園。入場して間もなくの建物の一角に設けられた螺旋階段だ。
真下から見上げていた階段を上ってみる。
間もなく上方に光を取り込む楕円形の空間が見えて来る。
頂上にたどり着いた。見下ろすと、らせん状の回転が地上までゆっくりと続いてゆく。
その隣の建物にもゆったりした階段があった。
この公園は昭和天皇の在位50周年記念事業として旧米軍立川基地跡地の一部を活用、1983年に開園した。
180haもある広大な公園だけに、今では立川市民、都民のオアシスとしての役目を果たしている。
それと共に、私のような階段好きにも、その魅力と体験の楽しみを与えてくれる場所になっている。