新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

パリを歩く③ 芸術?お遊び? セーヌ左岸で見つけた不思議なものいろいろ

2019-02-26 | パリ・街歩き

 芸術橋を通り過ぎる直前、セーヌ川を見下ろすと修理中らしき船が係留されており、その甲板に中国の武将らしき像が。何ともミスマッチな風景。

 さらに西に歩くと、立派な銅像が立っていた。が、なぜか像の頭に椅子が載っている。誰かのいたずらだろうが、それにしてもあの頭までは4m以上もの高さ。どうやって載せたんだろう?

 1つ通りを南に入ると大きなビルが見える。ここは国立美術学校だ。

 入口の門柱にあるのは、多分代表的な画家の胸像だろう。

 そのすぐ前に堂々とした構えの邸宅がある。これがエドゥアール・マネの生家だ。

 印象派の先駆けとして、鮮烈な芸術活動で絵画の歴史を変えていった人。生まれた時から芸術とは縁の深い場所で育ったんだ。

 カフェ・パレット。美術学校の生徒たちのたまり場。

 その前に、縦に分断されたような人物像が立っていた。いかにも前衛的。これもこの地区ならではの像も言えそうだ。

 かと思えば、ユーモラスなイラストが飾られた窓も見つかった。

 さらに、ダンスする女性の見事なシルエットが青空をバックに浮き上がった。

 また、ルーブル美術館近くの店のショーウインドウではこんな人形がほほ笑んでいた。

 そして、金属製のワンちゃんも。

 パリの通りは意外性とエスプリに溢れている。



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パリを歩く② セーヌ川左岸へ。若者たちでにぎわう芸術橋の変遷

2019-02-23 | パリ・街歩き
 前回お伝えしたように、今度のパリ滞在中はデモ騒ぎのために十分な街歩きが出来なかった。それで、以前の訪問でまだアップしていなかった写真を含めて、総合的にパリの街風景を紹介していこうと思う。

 ルーブル宮側からセーヌ川左岸に向けて渡った橋は芸術橋(ポン・デ・ザール)。ナポレオン・ボナパルトによって1840年に完成した鉄の橋だ。パリ初の歩行者専用橋だった。

 1977年に船の衝突などによって危険性が指摘され、一時閉鎖されたが、1984年に今の橋が改めて建造された。

 広くスペースを取り、車が通らないことから、人々はゆったりと散策を兼ねての通行が出来る。

 橋の中央には椅子も用意されている。近くの橋ポン・ヌフにも椅子がある。橋を単なる通り道としてではなく、集いの場所として位置付けていることがよくわかる。

 正面は学士院。雄大なドームがそびえていてロケーションはバッチリだ。

 遠くにはエッフェル塔も望める。

 さらに、この橋桁に恋人の名前を書いた南京錠を下げると、永遠の愛がもたらされるという伝説が広まり、

 橋げたはあっという間に鈴なりの南京錠に占領されてしまった。(この写真は2013年当時の橋の状態)

 記念写真を撮りあう人たち。

 独りぼっちでもしっかり写真に残そうとする女性。ここは随分前から今でいうインスタ映えスポットになっていた。

 それが、2014年6月には南京錠の重みでフェンスが剥がれ落ちるという事故が起き、修理と同時に注意書きが掲示されたりした。だが、それに落書きがされたり、隙間にはまた南京錠が。

 結局効き目はなく、2016年には金網製のフェンスが、錠をぶら下げられないようなアクリル製に変更されて現在に至っているという。
 
 今回は時間がなくてこの橋には行けなかったので、現状は不明です。



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パリを歩く① デモ隊騒乱の日、中心街が機能停止し予定大幅変更

2019-02-19 | パリ・街歩き

 今回の旅はストラスブールから電車でパリに移動した。出発前にはいくつかの行動予定を立てていたが、週末はちょうど燃料税値上げに端を発した大規模デモが活発化、パリは厳戒態勢が敷かれるという状態になっていた。
 そのため主な美術館、博物館、オペラ座などの施設は軒並み休館、中心部の商店もほとんど閉店となってしまった。さらに市内交通機関である地下鉄も、走ってはいたものの中心部にあるオペラ、ルーブル、凱旋門などの駅はノンストップで通過してしまうという臨時措置が取られていた。
 このため、当初考えていた行動予定はほぼすべてが実行不可能になってしまった。

 そこでパリ北側の地下鉄駅グランブールバールで降りて周辺部を歩いていたら、通りの向こう側にこんな大規模デモ隊が見えた。

 もちろんデモ隊に接近はしなかったが、歩いている中で何回も警官隊の検問に遭うという経験をした。

 ホテルのテレビではそんなパリの騒動を随時放映していたので、目についたものをいくつかお見せしよう。

 封鎖された凱旋門付近。

 警官隊とデモ隊の衝突場面。

 炎上する凱旋門周辺の道路。

 夜完全に閉鎖されたシャンゼリゼ通り。赤くライトアップされた並木通りが妙にわびしい。

 その通りには警官だらけ。

 こんな形でパリは全くいつもの華やかな街の雰囲気を消失してしまっていた。


 そこで、かつて賑わっていたシャンゼリゼ通りのイルミネーションを1枚。(数年前の12月、クリスマスシーズンに撮影したものです)。 

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ナンシー日帰り旅③ ナンシー美術館で出会ったラトゥール、シャヴァンヌ。そして華麗な階段!

2019-02-16 | ナンシー

 ナンシー美術館に入ったのは、実は絵画鑑賞よりも階段を見るため。収蔵作品への予備知識はゼロで、ただネットで見かけた美しい階段を見たいという目的だった。
 入ってすぐの入口で、1階から2階に上る階段を発見。

アール・ヌーヴォーの拠点の街だけに、手すりに施された曲線の美しさは格別だ。

 下から上へ。妖しいアールを描く空間がたまらない。

 もう1つ。2階と3階を結ぶ階段は、最初のものとは全く違った、柔らかく包み込まれるようなフォルムが何ともいえず優しい。

 階段の横から見える絵画とのバランスもなかなかで面白かった。

 さて、作品に移ろう。

 最初に見つけたのが「ノミをとる女」。17世紀フランス古典主義の画家ラトゥールの作品だ。光と闇を巧みに表現し「夜の画家」とも呼ばれる。

 ろうそくの光を活かした明暗表現が深い闇を連想させる。似たような彼の作品はパリのオルセー美術館でも見た記憶がある。

 ルーベンスの絵も。彼の絵はいつもスペクタクルだ。

 壁に取り付けられた飛ぶ天使。ホッとさせる姿。

 ラウラ・ルボーという画家の作品。吸い込まれるような瞳の少女を見つめていると、ちょっと恐ろしさ感じてきた。

 モディリアニもあった。彼にしては珍しい金髪の女性像だ。

 こちらはセザンヌ。巨匠の作品もちゃんとそろえている。

 どこかで見たことがある、不思議な絵。これが第一印象。シャヴァンヌの「貧しい漁夫」。実はオルセーにも日本の国立西洋美術館にも別バージョンがあった。この青年はいつ見てもいつ会ってもひたすら祈り続けているーーという感情に襲われる。

 アリスティド・マイヨール「万聖節」。座る老女の姿が心に残る。

 エミール・フリアン「恋人たち」。タイトルはそうだが、何かこの2人幸せそうには見えず、危うさが漂っているような・・・。

 絵画の前で先生の話を聞く生徒たち。ヨーロッパの美術館ではよく見られる風景。日本でも積極的にこんな授業が取り入れられればいいのに、といつも思う。

 こうして満足して美術館を出てから気付いた。アールヌーヴォーの作品群を全く見ずに出てしまったのだ。この美術館の地下には何千点ものアールヌーヴォー作品があることを前日にガイドブックで見ていたのに、それをすっかり忘れてしまっていた。
 というのは、この美術館はロッカーがなかった。寒さに備えて完全防備の厚着をしたうえ、リュックを背負っていたので、それを預けようとしたのだが、それが出来ず、大汗を掻きながら歩いたため、つい外に出ることに気持ちが行ってしまっていた。

   完全な失敗でした!


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ナンシー日帰り旅② すがすがしい通りや見事にカーブする街路。初めて見つけた「駅ピアノ」

2019-02-12 | ナンシー

 スタニスラス広場の隣りにあるのがカリエール広場。細長い並木道が遠くまで続いている。

 ここにもジャン・ラムールの装飾門が造られていた。

 観覧車。休日などは家族連れでにぎわう場所なのだろうが、この日は天候も悪く閑散としていた。

 もう1つの広場は東側の新市街地につながる広場で少し離れた場所にあった。ダリアンス広場。

 中心付近に噴水が。ラッパを吹く人の像が据えられている。これはローマのナヴォーナ広場の4大河の噴水に着想を得たもの、とガイドブックにあったが、ローマとはあまりにも違いすぎてちょっとがっかり。

 それより、途中通りがかったペピニエール公園のほうが印象に残った。高い樹林の並木にきれいに清掃された道が続く、心が洗われるかのような清々しさを感じさせる場所だった。

 朝降っていた雨が止み、差し込んだ逆光を受けてピカピカになった路面がまぶしい。

 近くにあったノートルダム聖堂に寄ってみた。

 マリア像が白く清楚。

 主祭壇は重厚な造りになっていた。

 中心街の道路。私好みのカーブを描いていて、思わず1枚。

 通りの建物の窓が妙に派手派手に飾られていた。

 駅前近くに広場にはサンタの姿があった。ちょうどこの日は聖ニコラの祝日だった。

 電車の時間調整を兼ねて、ちょうどみつけたスタバに飛び込みサンドイッチとコーヒー。

 ナンシー駅に着いたら構内にピアノが置いてあり、少年がテンポの良い曲をスイスイと弾いていた。「駅ピアノ」の実物を初めてみた。何か心がウキウキしたひと時だった。

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