長崎の夜景は世界三大夜景の1つの数えられる。認定したのは「夜景コンベンションビューロー」で、2012年に香港、モナコと並んで「夜景の素晴らしい世界の都市ベスト3」に選ばれた。
そこでその光景を眺めに、最大のビュースポット稲佐山に向かった。
駅前からバスに乗り、ロープウエイに乗り換えて稲佐山まで昇る。この山は標高333m。ちょうど東京タワーと同じ高さになる。テレビ塔も立っていた。
日没少し前。夕暮れと共に沈んでゆく港。向かいの山並みに点々と明かりが灯ってゆく。
空が暗くなるのとは対照的に、街の建物が徐々にライトアップされ、自慢の夜景が本領を発揮してゆく。
長崎は全体が坂の街だけに、高低差のあるダイナミックな明かりの広がりがその特色といってよさそうだ。
山頂にはちゃんとした展望台が出来ており、この日も大勢の人たちが南国のパノラマに酔いしれていた。
グラバー園は、時間の余裕がなかったので予定に入れていなかったが、夜間開園をしていると聞いて、急きょ夜8時過ぎに入園した。
園敷地の最高地点である第2ゲートから入るとすぐに、旧三菱第2ドックハウスがある。そこの2階から眺めると長崎の夜景が眼下に広がっていた。
自由亭。江戸時代末期に、日本人シェフによる初の西洋料理店としてオープンした店だ。
三浦環像があった。彼女は東京音楽学校(現東京芸大)卒業後、単身ヨーロッパに渡り,1915年ロンドンでオペラデビュー。プッチーニの名作「蝶々夫人」を計2000回も上演したことで知られている。その歌唱力は、作曲したプッチーニをして「彼女は私の夢を実現してくれた」と称賛するほどだった。
そのプッチーニの像も近くにあった。
グラバー園の主グラバーの邸宅。
伝統芸能館という施設もあった。ここには長崎くんちの時奉納踊りを先導する傘鉾が展示されていた。
こちらは龍踊りの青龍。
まるで出来立てほやほやのようだった桃カステラ。おいしそう。
グラバー園を出たところで、遠くにライトアップされた女神大橋が、まるで幻のように暗闇に浮かんでいた。
これで「長崎紀行」シリーズを終了します。長崎は短い期間でしたが歴史、宗教、戦争、政治など本当にいろいろなことを考えさせられる時間でした。