春ともなると一雨毎に畑の雑草が増殖繁茂する。この雑草取りは大変だ。広くはない畑だが主に腰に来る。
新聞(日経新聞)の「これからの田舎暮らし」での玉村豊男さんのエッセイにとても含蓄のある言葉が述べられていた。
玉村さんの畑の草取りを手伝った知人が「まだ半分以上も残っているんだぜ。もうこれ以上は無理だよ」、与えられた面積の半分も行かないうちに音を上げた。その友人に、玉村さんの奥さんが決然と「草取りは、先を見ちゃダメ。取った跡を見るのよ」。玉村さんは傍らで聞いてほとんど感動したとの事。奥さんは地元の人に聞いた言葉よ、と言う。・・いい言葉はだれが聞いても良い。
良く前を見てとか将来を見てとか言う、でもこの言葉はこれからの重荷を悩まずに達成した成果を励みに働くことだ。・・成る程、発想の転換か。この言葉を励みに”草取り”をしよう。
エッセイの最後は、「単純な労働は、ときとして深遠な思考を生むことがあるものだ」と結んでいる。
★玉村豊男(たまむらとよお)
東京都生まれ(1945年10月8日)、東京大学文学部仏文学科卒業
エッセイスト、画家
ヴィラデスト ガーデンファーム アンド ワイナリー代表
長野県原産地呼称管理委員会会長
「安心、安全、正直」な信州の温泉表示認定委員会委員
著書は「食の地平線」「種まく人」など
画集は「玉村豊男 パリ風景画集」など
雑草とは言え元来は鑑賞用として日本に入って来たハルジオン(春紫苑)。道端などで良く見かける。
名前や可憐な花の風情が日本調だが北米原産の帰化植物だ。日本生態学会によって日本の侵略的外来種ワースト100に選定されている。
このハルジオン(春紫苑)ととても良く似た花に、ヒメジョオン(姫女苑)がある。見分けは少々難しい。両者とも帰化植物で、侵略的外来種(要注意外来生物)である。また、貧乏草と呼ばれる(一部地域で)ことがあると言う。名の由来は不明だが、どんな貧乏な家でも生える、からとの説がある。それ程に適応力が強く、然も繁殖力も強い植物だ。
ハルジオン(春紫苑)
別名:春女苑(はるじょおん)
春紫苑(はるしおん)
キク科ムカシヨモギ属
多年草、丈は30cm~80cm
北米原産の帰化植物
(1920年頃に観賞用として輸入)
開花時期は、4月~5月
春紫苑と姫女苑の違い
(両者ともキク科ムカシヨモギ属)
春紫苑
多年草、花期は4月~5月
蕾は下向きに少し垂れる
花は姫女苑より少し大きい
葉は茎を抱くような形
茎は中が空洞
姫女苑
二年生、花期は6月(1月遅い)
蕾は上向き
花は小さいが数が多い
葉は茎から直に伸びる
茎は中空でなく詰まっている