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生きた化石シーラカンスを撮影

2012-05-23 | 日記・エッセイ・コラム

 ふくしま海洋科学館(アクアマリンふくしま)が、「インドネシア・スラウェシ島近海で古代魚シーラカンスの撮影に成功」と発表した(5月14日)。
 同館でのシーラカンス調査は東日本大震災後初めてである。シーラカンスの生態調査は2005年から毎年実施し、これまでインドネシア沖で27体、アフリカ沖で9体の撮影に成功している。昨年は震災で中止した。
 ◇シーラカンス調査の成果
 調査日:2012年5月2日~5月13日
 調査場所:インドネシア共和国北スラウェシ州マナド周辺
 発見:延べ2個体を撮影
    2012年5月4日 水深164m、成体、1個体(雌雄不明)
    2012年5月13日 水深140m、成体、1個体(雌雄不明)
 ★シーラカンス
 シーラカンスは「生きた化石」と呼ばれる。古代魚シーラカンス類は古生代デボン紀(約4億年前)に出現し、現代でも生存しており、原始的な形質を有するので、生きた化石と言われる。中生代白亜紀末(約6500万年前)に絶滅したと考えられていたが、1938年に南アフリカ東海岸で発見された。現生のシーラカンスは2種(アフリカ種とインドネシア種)確認している。両種とも深海に生息しているが、かつては世界中に分布していた。
 シーラカンスは魚類から両生類に進化する過程の特徴を残している。これより、陸上動物は古生代デボン紀にシーラカンスの仲間から進化したと考えられていた。
 この考えを裏付ける、ゲノム(全遺伝情報)解析が発表された。
 東京工業大の岡田典弘教授と国立遺伝学研究所などの共同研究チームがゲノム解読で明らかにした(2011.12.27 発表)。
 シーラカンス(アフリカ・タンザニアのシーラカンスの稚魚)をゲノム解析すると、普通の魚類は持たない、陸上動物(哺乳類・爬虫類など)が持つ同じ遺伝子を多く持っている。ゲノムの大きさは人(ゲノムは約31億対)に匹敵する約27億対あった。遺伝子配列の比較から進化の過程を推測すると、シーラカンスと陸上動物(の祖先)は一緒に魚類から分かれた。その後、シーラカンスだけが陸とは無縁となった。
 ★ふくしま海洋科学館
 愛称:アクアマリンふくしま
   http://www.marine.fks.ed.jp/index.html
 事業主体:福島県 管理運営:財団法人ふくしま海洋科学館
 所在地:福島県いわき市小名浜
 プロローグのテーマ:海と生命の進化
 あゆみ
 2000年(平成12年):開館(7月15日)
 2001年7月:企画展「ザ・シーラカンス~シーラカンスの謎」を開催
       南アフリカからシーラカンス胎児の実物標本を展示
 2006年4~6月:インドネシアスラウェシ島北部にてROV調査を実施
        延べ7個体のシーラカンス撮影に成功
        同年12月、同じ場所で前回発見個体を再度確認
 2007年10月:アフリカ・タンザニアで延べ8個体の撮影に成功
 2009年9~10月:第7回インドネシアシーラカンス調査を実施
        9月末、シーラカンス6個体を1つの洞窟で撮影
        10月6日、世界で初めてシーラカンスの稚魚の撮影に成功

 

 生け垣に山吹に似た黄色い八重の花が咲いている。モッコウバラ(木香薔薇)だ。バラと言っても刺(とげ)のない薔薇だ。少し蕾が残っている、満開ではない。
 一般的にモッコウバラと言うとこの黄色の八重咲(ロサ・バンクシア・ルテア)を言う。花色には黄色と白色があり、花姿には一重咲と八重咲がある。黄色の八重には香りが少ないが、一重の黄花や白花に芳香がある。黄花より少し遅れて白花が咲くので、これからの白花の香りが楽しみ。
 因みに、このモッコウバラ(木香茨)は、秋篠宮家眞子内親王のお印である。

Mokkoubara05231


Mokkoubara05232
 モッコウバラ(木香茨、木香薔薇)
バラ科バラ属
 (トゲがない)
常緑つる性低木、丈は0.5m~7m
開花時期は4月~5月
花色は黄色と白色、一重・八重咲きがある
花径は2cm~3cm