今日(5月17日)は、国際高血圧学会が血圧の管理に関する啓発活動を目的に定めた”高血圧の日”。日本高血圧協会、日本高血圧学会もこの日を”高血圧の日”と制定(2008年から)している。
◇血圧
心臓は常に全身の細胞に酸素・栄養を届けるため血液を送り出す。血液の総量は体重の約1/13(4~5リットル)。心臓の1回の心拍動で送り出す血液量は約60cc(1分間に約5リットル)。血圧は、この血液が心臓から押し出されて血管(動脈)を通るときの血管の壁に与える圧力である。
血圧は脈動によって、収縮期血圧(最高血圧)と拡張期血圧(最低血圧)がある。
収縮期血圧:心臓が収縮して血液を全身に送り出す時の血管の壁にかかる圧力
拡張期血圧:心臓が拡張して血液を取りこんだ時の血管の壁にかかる圧力
血圧が高いと血管の壁に高い圧力が常にかかる事となる。そのため、血管の壁が厚くなり、動脈硬化を起こす。動脈硬化があると血管は固くなり、血圧が更に高くなる・・高血圧と動脈硬化は悪循環を起こす。
動脈硬化は脳出血・脳梗塞・狭心症・心筋梗塞などの原因となる。高血圧に加えて、糖尿病・高脂血症・肥満などの生活習慣病が合併すると、動脈硬化はより進行する。・・高血圧症はサイレントキラーなのだ。
◇成人における血圧値の分類(日本高血圧学会)
分類 収縮期血圧(mmHg) 拡張期血圧(mmHg)
至適血圧 < 120 かつ < 80
正常血圧 < 130 かつ < 85
正常高値血圧 130~139 または 85~89
I 度高血圧 140~159 または 90~99
II 度高血圧 160~179 または 100~109
III 度高血圧 ≧180 または ≧ 110
高血圧は、最高血圧が140以上または最小血圧が90以上と定義される。(後述のWHOの統計でも同様)
◇世界保健機関(WHO)による、世界で4人に1人は高血圧
2012年版の世界保健統計(WHO、5月16日発表)によると
2008年での世界の25歳以上の成人人口のうち、高血圧と診断される割合は男性が29.2%、女性が24.8%。
日本では男性26.4%、女性16.7%で世界平均より低い。日本では、65歳以上の高齢者の約60%が高血圧症と言われる。
肥満については、20歳以上の成人人口のうち、肥満と診断される割合は世界平均で男性が10%、女性が14%。日本は男性5.5%、女性3.5%。(WHOでの肥満の定義は、体格指数(BMI)が30以上としている。日本での肥満は25以上から。)
◇世界保健機関(WHO)による、死因の6割は生活習慣病
推定死者5,700万人(2008年)のうち、6割強の3,600万人が、生活習慣病が原因だった。
最も多いのは心臓血管疾患(48%)で、がん(21%)、慢性呼吸器疾患(12%)。それらの原因別では、最多が高血圧(13%)、次いで喫煙(9%)、高血糖(6%)、運動不足(6%)、肥満(5%)。
春に紅葉するベニカナメモチ。今時分(新緑の時期)にカエデ類などの紅葉は”春紅葉(はるもみじ)”と優美な呼び方がある。でもベニカナメモチの紅葉を”春紅葉”と聞いた事がない。
ベニカナメモチは庭の生垣や街路樹や公園樹として植えられおり、散歩道を紅色で彩る。でも紅色なのは新芽の時だけで、段々と緑となる。刈り込みをすると新芽が出るが、この新芽・若葉も赤い。
ベニカナメモチ(紅要黐)
(別名:赤芽黐(あかめもち)
バラ科カナメモチ属
常緑広葉樹、樹高は3m~5m
開花期は4月~6月、花は白色
花は小さい(8mm位)のが沢山付く
3月~4月の新芽・若葉が赤くなる
赤くなるのは若葉を紫外線から守るための”アントシアニン”(赤い色素)によるものである。秋のカエデなどの紅葉もアントシアニン系の色素が大量に作られ、またカロチノイドの色と混じり鮮やかな赤色・橙色となる。
★アントシアニン
アントシアン(果実や花の赤、青、紫を示す水溶性色素) のうちの一つ。高等植物では普遍的な物質で、花・果実の色を表す。フラボノイドの一種で、抗酸化物質として知られる。