独立行政法人日本学術振興会は、8月2日に国際生物学賞委員会(委員長井村裕夫:日本学士院幹事)を開催し、第35回国際生物学賞の受賞者をハーバード大学生物体・進化生物学科ヘッセル教授ナオミ・エレン・ピアス博士に決定した。今回の授賞対象分野は「昆虫の生物学(Biology of Insects)」。授賞式は、11~12月頃に、東京・上野の日本学士院において行われる予定。
氏名:ナオミ・エレン・ピアス博士((Dr. Naomi Ellen Pierce)
生年月日:1954年10月19日
国籍:米国
現職:ハーバード大学 生物体・進化生物学科ヘッセル教授
略歴
1983年 ハーバード大学 生物学 (Ph.D.)
1989年-1990年 プリンストン大学 生物学科 准教授
1991年-現在 ハーバード大学生物体・進化生物学科ヘッセル教授、比較動物学博物館チョウ目主事
授賞理由
ハーバード大学の生物体・進化生物学科教授で比較動物学博物館主事でもあるナオミ・ピアス博士は、現代昆虫学の最高権威のひとりである。ピアス博士の研究のメインテーマは昆虫と他生物の間の共生関係である。ピアス博士の研究は、シジミチョウとアリの共生関係に関する行動生態学が出発点であった。アリがシジミチョウ幼虫を寄生蜂などの攻撃から守り、チョウはその報酬として甘い蜜をアリに与えるのだが、たとえば蜜を分泌するチョウが成虫になると痩せてしまうなど、この共生行動にはコストが伴うことを野外実験で初めて厳密に明らかにした。これを皮切りに、昆虫が示す共生関係一般へと視野を広げ、現在の研究テーマは、共進化、相互適応、適応放散、寄生と防御反応と多岐にわたる。博士はまず、基本情報である共生の「登場人物」たるチョウとアリ、そしてやはり奇妙な送粉共生を示すランとハナバチの分子系統樹を構築した。これらのいわば「屋台骨」となる情報と生態情報を組み合わせた現代的比較法により、ピアス博士らは次々と新学説を提唱した。たとえば、ランとハナバチの共生関係は、以前に考えられていたよりも起源が古いこと、アリとシジミチョウの共生では相利性から寄生性が繰り返し進化したこと、アリの多様化には腸内共生菌が関与していることなどである。また機能的な側面からは、植物が病原微生物と食植性昆虫という二大天敵に対して示す防衛反応に関係するシグナリング経路やトレードオフに関する分子生物学的研究も行った。
先端科学研究では、進展とともに研究対象を深く掘り下げる方向に進むのが常である。結果として材料生物も一種に絞り込まれることが多い。しかし、ピアス博士は逆に、研究対象生物を常に広げ続ける博物学的なアプローチをとっており、これは特筆に値する。ハーバード大学での指導では、常に新たな生物を対象にした新しい研究テーマを最先端技術を取り入れながら提示し続けてきた。ピアス博士は卓越した教育者でもあることから、博士の指導や助言を入り口に、多数の研究室出身者が、今では各々の対象生物と研究分野の権威として、世界中で活躍し研究を深めている。
このように広くかつ深い研究分野の開拓者であるピアス博士の業績は高く評価され、今回の授賞対象分野が陸上環境で最も多様化した動物である昆虫に関する科学であるという点からも、国際生物学賞を授賞するに相応しいと結論づけた。
◆国際生物学賞
国際生物学賞は、昭和天皇の御在位60年と長年にわたる生物学の御研究を記念するとともに、本賞の発展に寄与されている今上上皇の長年にわたる魚類分類学(ハゼ類)の御研究を併せて記念し、生物学の奨励を目的とした賞である。
本賞は昭和60年(1985年)に創設され、以後毎年1回、生物学の授賞分野を選定の上、当該分野の研究において優れた業績を挙げ、世界の学術の進歩に大きな貢献をした研究者(原則として毎年1人)を選考して授賞している。
受賞者には、賞状・賞牌及び賞金1千万円が贈られ、例年天皇陛下から賜品を賜っている。
今日は朝から雨。15時頃から小止み。最高気温25℃程と今日は涼しい。
畑に植えた”オクラ”。花が咲き、実が取れ出した。花は淡い黄色にワインレッドの咽部をもつ花で、花後に直立する角状の莢を付ける。花はすぐに萎む1日花。
品種には、実の切り口が五角形になる品種や丸い品種などがある。食用とするオクラは若い莢で、開花から1週間から10日、長さ10~15cm位が収穫どきである。
オクラの種類
角オクラ:多くは莢の断面が五角形の”五角オクラ”で、六角形や八角形などもある。
大きく成長しすぎると角が硬く食感が悪くなる。収穫は長さ10cm程。
丸オクラ:莢に角のない(実の断面は丸型)のオクラを「丸オクラ」や「島オクラ」と呼ぶ。
角オクラと比べ、多少収穫が遅れても硬くなり難い。収穫は15cm~20cm程で。
赤オクラ:莢が鮮やかな紫紅色のオクラ。彩のアクセントになるサラダで食べるのがおすすめ。
花オクラ:花が大きく、花びらが食用。花には実と同じように粘りがあり、生のままでサラダ、天麩羅などで食べる。
オクラ(秋葵)
別名:陸蓮根(おかれんこん)、アメリカネリ
英名:okra
学名:Abelmoschus esculentus
アオイ科トロロアオイ属
日本では一年草(熱帯では多年草)
原産地はアフリカ北東部(エチオピアが有力)
エジプトでは、紀元前200年頃には栽培されていたと言う
日本には中国を経て江戸時代の終わりに渡来
本格的に普及したのは昭和40年頃
開花時期(収穫時期)は7月~10月
氏名:ナオミ・エレン・ピアス博士((Dr. Naomi Ellen Pierce)
生年月日:1954年10月19日
国籍:米国
現職:ハーバード大学 生物体・進化生物学科ヘッセル教授
略歴
1983年 ハーバード大学 生物学 (Ph.D.)
1989年-1990年 プリンストン大学 生物学科 准教授
1991年-現在 ハーバード大学生物体・進化生物学科ヘッセル教授、比較動物学博物館チョウ目主事
授賞理由
ハーバード大学の生物体・進化生物学科教授で比較動物学博物館主事でもあるナオミ・ピアス博士は、現代昆虫学の最高権威のひとりである。ピアス博士の研究のメインテーマは昆虫と他生物の間の共生関係である。ピアス博士の研究は、シジミチョウとアリの共生関係に関する行動生態学が出発点であった。アリがシジミチョウ幼虫を寄生蜂などの攻撃から守り、チョウはその報酬として甘い蜜をアリに与えるのだが、たとえば蜜を分泌するチョウが成虫になると痩せてしまうなど、この共生行動にはコストが伴うことを野外実験で初めて厳密に明らかにした。これを皮切りに、昆虫が示す共生関係一般へと視野を広げ、現在の研究テーマは、共進化、相互適応、適応放散、寄生と防御反応と多岐にわたる。博士はまず、基本情報である共生の「登場人物」たるチョウとアリ、そしてやはり奇妙な送粉共生を示すランとハナバチの分子系統樹を構築した。これらのいわば「屋台骨」となる情報と生態情報を組み合わせた現代的比較法により、ピアス博士らは次々と新学説を提唱した。たとえば、ランとハナバチの共生関係は、以前に考えられていたよりも起源が古いこと、アリとシジミチョウの共生では相利性から寄生性が繰り返し進化したこと、アリの多様化には腸内共生菌が関与していることなどである。また機能的な側面からは、植物が病原微生物と食植性昆虫という二大天敵に対して示す防衛反応に関係するシグナリング経路やトレードオフに関する分子生物学的研究も行った。
先端科学研究では、進展とともに研究対象を深く掘り下げる方向に進むのが常である。結果として材料生物も一種に絞り込まれることが多い。しかし、ピアス博士は逆に、研究対象生物を常に広げ続ける博物学的なアプローチをとっており、これは特筆に値する。ハーバード大学での指導では、常に新たな生物を対象にした新しい研究テーマを最先端技術を取り入れながら提示し続けてきた。ピアス博士は卓越した教育者でもあることから、博士の指導や助言を入り口に、多数の研究室出身者が、今では各々の対象生物と研究分野の権威として、世界中で活躍し研究を深めている。
このように広くかつ深い研究分野の開拓者であるピアス博士の業績は高く評価され、今回の授賞対象分野が陸上環境で最も多様化した動物である昆虫に関する科学であるという点からも、国際生物学賞を授賞するに相応しいと結論づけた。
◆国際生物学賞
国際生物学賞は、昭和天皇の御在位60年と長年にわたる生物学の御研究を記念するとともに、本賞の発展に寄与されている今上上皇の長年にわたる魚類分類学(ハゼ類)の御研究を併せて記念し、生物学の奨励を目的とした賞である。
本賞は昭和60年(1985年)に創設され、以後毎年1回、生物学の授賞分野を選定の上、当該分野の研究において優れた業績を挙げ、世界の学術の進歩に大きな貢献をした研究者(原則として毎年1人)を選考して授賞している。
受賞者には、賞状・賞牌及び賞金1千万円が贈られ、例年天皇陛下から賜品を賜っている。
今日は朝から雨。15時頃から小止み。最高気温25℃程と今日は涼しい。
畑に植えた”オクラ”。花が咲き、実が取れ出した。花は淡い黄色にワインレッドの咽部をもつ花で、花後に直立する角状の莢を付ける。花はすぐに萎む1日花。
品種には、実の切り口が五角形になる品種や丸い品種などがある。食用とするオクラは若い莢で、開花から1週間から10日、長さ10~15cm位が収穫どきである。
オクラの種類
角オクラ:多くは莢の断面が五角形の”五角オクラ”で、六角形や八角形などもある。
大きく成長しすぎると角が硬く食感が悪くなる。収穫は長さ10cm程。
丸オクラ:莢に角のない(実の断面は丸型)のオクラを「丸オクラ」や「島オクラ」と呼ぶ。
角オクラと比べ、多少収穫が遅れても硬くなり難い。収穫は15cm~20cm程で。
赤オクラ:莢が鮮やかな紫紅色のオクラ。彩のアクセントになるサラダで食べるのがおすすめ。
花オクラ:花が大きく、花びらが食用。花には実と同じように粘りがあり、生のままでサラダ、天麩羅などで食べる。
オクラ(秋葵)
別名:陸蓮根(おかれんこん)、アメリカネリ
英名:okra
学名:Abelmoschus esculentus
アオイ科トロロアオイ属
日本では一年草(熱帯では多年草)
原産地はアフリカ北東部(エチオピアが有力)
エジプトでは、紀元前200年頃には栽培されていたと言う
日本には中国を経て江戸時代の終わりに渡来
本格的に普及したのは昭和40年頃
開花時期(収穫時期)は7月~10月