北海道新聞1月19日夕刊に、道立三岸好太郎美術館の穂積利明主任学芸員さんによる「美術季評 2004年10-12月」が掲載されていました。
構造社展を中心に筆を進めた後で、穂積さんは次のようにしめくくります。
(以下引用)この時期に限ったことではなく、昨年はおおむね個展、グループ展が低調だった。
今月末には、札幌市内の美術拠点として長年活動してきた伝説的ギャラリー「テンポラリースペース」が . . . 本文を読む
2004年に芸術の森美術館(札幌市南区芸術の森2)でひらかれた「北の創造者たち展 虚実皮膜」の出品メンバーのうち伊藤隆介、鈴木涼子、藤木正則、上遠野敏の4氏が、昨年8-12月、ドイツの美術館でグループ展をおこないましたが、その帰国展として企画された展覧会です。いずれも、道内を代表する現代美術家として活躍中だけに、興味深い展覧会となりました。
藤木さんは、「Personal Frag」と題したシ . . . 本文を読む
谷口明志(あかし)さんは、形態とおなじかたちの支持体による絵画作品(といえばいいのか)を制作・発表しています。細長かったり、ドーナツ状だったりする絵の、図の部分のみあって、地の部分は会場の壁面だといえば、いいのかもしれません。
まあ、世の中の絵の99%以上が四角形なのは、たんなる制度ですから(美術と建築が不可分だった時代に由来する)、絵の形が変わっていること自体に目くじらを立てることはないと思 . . . 本文を読む
北海道新聞1月20日1面より。
(以下引用)コニカミノルタホールディングズは19日、3月末でデジタルカメラとフィルムカメラ事業、写真フィルム事業から撤退すると発表した。コニカの前進、小西屋六兵衛店が1873年に創業してから130年余続いたカメラの老舗ブランドが姿を消すことになる。
(中略)
デジタル一眼と交換レンズの事業は3月末、提携するソニーへ譲渡。既存商品の補修などもソニーへ委託する。 . . . 本文を読む
札幌へ
某日。
都市間バスの到着時刻まで間があったので、GEOに入った。
音楽雑誌「ストレンジ・デイズ」を手に取ったが、今号には、好きなキング・クリムゾンもイエスも特集されていなかったので、キンクスのディスクレビューを立ち読みした。
雑誌のコーナーには札幌で出ている写真誌「faura」の10号もあった。こんな小さな本屋にあるのが意外な気がした。ぱらぱらとめくっていると、ブリューゲル . . . 本文を読む
道立旭川美術館で回顧展が開催中の小野州一さんの、ドローイングと版画の展覧会。20点余りが並んでいます。
「裸婦のいる部屋」「ヨット」など、同館に油彩が展示されている作品の、エスキースとも、同時制作品ともとれる、おなじ構図の絵が何点かあるので、同館の展覧会を見た人にはいっそうたのしめると思います。
それにしても、小野さんの絵とは、あざやかな色彩もさることながら、あの絵を描くことの原点にある手の . . . 本文を読む
チボ・マットやソニック・ユース、バッファロー・ドーターのグラフィックデザインなどを手がける若手デザイナーの個展。スケートボードやTシャツなどもやっているようです。
会場には、ポスター、壁紙、Tシャツなどのほか、アーティストおすすめのビデオなどもあります。
作風は一口ではいえない多彩さ。ラフなタッチのイラストが多いですが、そればかりではありません。
で、ポスターにあったことばが気になります . . . 本文を読む
前衛書の第一人者竹下さんと、元全道展会員で現在は無所属の武田さんという、めずらしい組み合わせの二人展。
2001年までひらかれていた「さっぽろ美術展」に、毎年のように出品していたことで出会い、同展の会場で、2人がセットのように陳列されたこともあったそうです。
竹下さんは前衛書ですから、飛沫や点、墨のにじみは、文字を表現しているわけではありません。もちろん絵でもありません。しかし「The Ma . . . 本文を読む
札幌市内の大学生によるモノクロ写真の個展。
春の、フラワーギャラリーダンクールのグループ展で見た写真で圧倒されたけど、そのあとの、札幌・琴似や北広島での個展や「ふぉとま」を見てないので、流れ的にはなんともいえない。
ただ、筆者には、感情のこもった風景というイメージがあったから(そういう写真も会場の出入り口にあったけど)、今回はちょっとびっくりした。
人物の写真が115点。
すごいな。オレ . . . 本文を読む
八木保次さん(全道展会員)ひきいる?水彩画の公募展。全体的にはフォーブ調の絵が多いです。
八木さん「あかり」は、黒や紫などを紙にぶつけた熱い抽象。
中田やよひさん「玄冬」も、灰色の勝った抽象画です。
青田淑子さん「銀世界の中で」。斜面を滑降するふたりの姿が遠く見えますが、全体は白や灰色の踊る画面。
宮下房子さん「待春」。早春の海辺。灯台や鳥、草の芽などを要所に配しています。
合田早苗江 . . . 本文を読む
毎年1月に時計台ギャラリーの2階全室を借り切り、春の本展に向けた展覧会をひらいている道内の春陽会ですが、ことしは会員5人の作品がそろっている半面、会友の欠席がいつになくめだちます。筆者が気づいただけでも、漁船の巻き胴を描く飯田辰夫さん、サケの西田四郎さん、焼却炉や鉄くずの大塚富雄さん、白っぽい町の白井孝光さん、横浜美術館の内部を描く石畑靖司さん、川辺などの風景の友井勝章さんと、男性会友がだれも . . . 本文を読む
佐々木雅子(1970年-、札幌)「臍の緒」「天から降ってきた」「Head of Dinosaur」など12点。いずれも、人形や赤ちゃんの服、離乳食器といった育児にまつわるものを漆で固めたり、漆布で覆ったりした作品。
筆者は男性ですが、このきもちはなんとなくわかります。子育て中は、じぶんのしたいことが思うようにできません。佐々木さんの家庭はどうなのかはわかりませんが、もし共働きかつダンナが非協 . . . 本文を読む
子どもから大人まで幅広く美術に親しんでもらおうと毎年冬にひらかれている道立近代美術館の「アミューズランド」展、14回目(前身の「子どもと親の美術展」から通算すると29回目)のことしは「A☆MUSE☆LAND☆2006 スイート・メモリーズ」と題し、記憶や思い出にまつわる作品をあつめました。
道内ではあまり見る機会のない現代美術にふれる格好の機会でもあります。
今回は、作家の名前がわりと大きく出 . . . 本文を読む