20251205
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2024二十四節気日記寒い朝も(3)テレビ三昧
貧困高齢者は、年末年始といってもあいさつに行き来することもないので、ぐうたらと過ごしています。電車通勤しているときは電車読書時間があったけれど、テレビの前では本を広げることもなく、だらだらとテレビを見る。寝る前に文庫本広げるけれど、目をつぶるとすぐ寝てしいます。推理小説は犯人わかるまで読んでしまうので、なるべく読まないようにしているけれど、夫が読み終わった東野東吾を回してよこすので、11月も「架空犯」を一晩で読み終わりました。今回、犯人が登場した頁で「あ、この人犯人」と思ったら初めて当たった。私の「ドクシャのカン」は当たったことないのだから、めでたい。今年は年末ジャンボでも買うか。買うお金ないけど。
2024年の1年間、食品以外のもの買わないし(5割引きになった食品)、出かけるのはシルバーパス利用徹底。遠回りしても都営地下鉄とバス利用。無料美術館へ出かけないでいる間、家では毎日テレビつけっぱなし。お茶碗洗いながら耳だけで聞いているときもあるし、画面凝視のときも。耳が遠くなってきたので、ドラマは台詞が聞き取りにくい。しっかり見ていないと、ストーリーがわからなくなる。
歴史好きだから、毎年大河ドラマを見てきました。
2024大河は、平安時代が大河として受けるのかと心配しながら見始めたら、とても面白く毎週たのしみでした。
紫式部の娘藤原賢子(大弐三位) が道長の娘というアリエネー設定も、ドラマの中で見ていると、こういう解釈もありえると思えてくる絶妙な脚本でした。上東門院藤原彰子が孫皇子の親仁親王乳母に賢子を抜擢したのは紫式部への信頼のためと思うけれど、周囲の人々の反発はなかったのは、道長の積極的な推挙でなくとも暗黙の了解があったからだろう、と思わせる。1025年に周囲の反発があれば、実資が小右記に書いているでしょうから。
道長摂関期に皇太子や天皇周囲の乳母には、上等門院や源倫子らの意向が強く反映し、道長の家司の家族などから選ばれているという乳母に関する研究からみると、倫子の家司でもなく道長の家司でもない、とっくに亡くなっている受領階級である藤原宣孝の娘が後冷泉天皇(親仁親王)の乳母に抜擢されたのは、やはり紫式部の娘であったからでしょう。摂関期から院政期までの乳母の系譜出自についての詳細な研究もある中、父も無く祖父為時は出家後であって後ろ盾のない藤原賢子の抜擢は、やはり異例のものです。
「光る君へ」は、紫式部日記や栄花物語、小右記の記述を上手に脚本に生かしたところには感心し、おやおやこんな解釈してもいいのかい、と心配になるところもあったけれど、脚色の色付け具合が面白かった。なにより、香炉峰の雪の場面や曲水の宴 の再現、鑓り水の流れがちょっと短かすぎではあったけれど、御堂関白記に基づいてスタジオながらよくセットができていました。平安絵巻を十分に堪能できたドラマでした。美術係が舞台セットや小物の写真や設計図をまとめた本をだしたそうなので、古本に回ってきたらほしいな。
朝ドラ。3月までは「ブギウギ」楽しかったし、4月からは「虎に翼」おもしろかった。「おむすび」第1回目で脱落したかわり、再放送朝ドラは、「カーネーション」「カムカムエブリバディ」「花子とアン」「半分、青い」見ています。「なつぞら」もおもしろかった。リアルタイムの放送のときは、仕事優先で録画みる余裕もなくて毎日見ることは難しかったのですが、今は朝ドラ漬け。
クドカンドラマ、「不適切にもほどがある」「新宿野戦病院」「終りに見た街」「季節のない街 」全部おもしろかった。
2024年後半のドラマ「宙わたる教室」「海に眠るダイヤモンド」。実話をもとにした定時制高校のストーリーや炭鉱組合活動のシーンをテレビで見ることができたこと、役者もよくて、毎週楽しみ。
ドラマ以外でも、楽しくテレビを見た番組がたくさんありました。歴史ものも、旅番組もアート紹介番組も好き。テレビばっかり見ていた2024年でした。アーカイブもときどき見ます。瀬戸内寂聴が世阿弥の取材で佐渡を旅するのを見たり、「海に眠る~」の関連と思って「緑なき島」というタイトルの軍艦島ドキュメンタリーを見ました。端島の外観や高層住宅などは当時の映像でしたが、炭坑内部の描写は端島炭鉱のものではなく、他炭鉱の映像だったという話もあり、昔のドキュメンタリーは、やらせもフェイク映像もありありだったという話。
テレビばっかり見ていた2024年でした。2025年もテレビ漬け楽しみたいです。
テレビ大好き。
<つづく>
去年下半期の、セクシー田中さんはご覧になってましたか?
意外な形で話題になってしまいましたが、原作はとても丁寧な創りで、安易な色恋に逃げず、つづきが気になっていたところにドラマ化の話があって、中盤から、ん?これ揉めてるのかも…と、イヤな予感を抱いていた視聴者も多かったことと思います。
今年、いちばん残念な事件になってしまいました。
「悪人」の脚本を吉田修一自身も加わって書きおこすか、「小説と映画は別物ですから、いかように脚色してもOK」とするか、どちらが妥当かはわかりませんが、ひとつには、テレビ側が「芦原妃名子」という原作者をあまりに軽んじていたということがあると思います。芥川賞受賞作など、ある程度出版社の権力が守っている原作に比べ、漫画は原作として軽んじられていると、思ってきました。ヤマザキマリはテルマエロマエの映画化権利料はたった400万円の買い取りだったと告白しています。興行収入58億円の中、400万円。ヤマザキマリは、この馬鹿にした金額を軽々乗り越える強さを持っていたけれど、芦原さんは屈辱に耐えることができない繊細な方だったのでしょう。映画化するほうは、無名に近い漫画家など吹けばとぶような存在。ヤマザキマリに対して、「映画化で名前が売れればありがたいだろう」程度に思っていたのでしょう。芦原妃名子さんに対しても、日本テレビは同じような態度で、かろんじてきたのではないかと感じています。
まっき~さん、「クレジットに名前がでるのなら、ただでも」というコメントがあったように思いますが大事な作品、守ってくださいね。
~映画界2024回顧~、読み応えありました。
父上のご回復願っています。