天気 晴れたり曇ったり
雲が、すっかり秋めいてきた。天高し、というほどの青空は広がらなかったが。
敬老の日が第三月曜になってから、秋分の日と近くなっていつが何の日なのか解らない連休になってしまった。
ともあれ、人出の多いこの連休を、老人は家で静かに。連休過ぎたら墓参りに行こう。
老人ばかりが増えて、何だか若い人に申し訳なくなってくる。
さて、昨日の百花園でのこと。
園内の下の写真の左奥に、銀杏の木がある。もう1本、写真を撮っているところの左に、銀杏の樹齢を重ねた巨木がある。で、若い木の方にギンナンが生って、地に落ちていて結構匂っていた。
その下でギンナン拾いをしている、私と同じくらいの年代の老夫婦が居た。近所の人なのだろう、持ち物はレジ袋だけ。もうかなり袋はいっぱいになっていた。
柵の外の遊歩道から拾えるものは限りがある。ダンナの方は入れないはずの柵の奥まで行って拾っている。私のそばに居た奥さんが、私の目の前で柵を越えて(低いのでだれでも跨げる)草の中のギンナンを拾い始めた。思わず、声が出てしまった。
「そこへ入ってもいいのですか?」奥さん、振り向きもせずに言った。
「いいんでしょ、どうせ雑草なんだから」
「雑草って、どうして解るんですか、そうでないものもあるでしょう」と私。
「こんなのみんな山の雑草でしょ、見てごらん」と・・。唖然。
「カメラ持った人たちが真似して入ったら困るでしょ」
奥さん、無言で作業を続けていた。
百花園は、江戸時代の文人墨客が自然の風情を楽しむために作った庭園、街では雑草のねこじゃらしもあかまんまも、自然の風情に入るのだ。地元に住みながら何もも解らぬ老夫婦。
「私、管理事務所へ言いに行ってきますね!」と私。
何か言われたような気もしたけれど、私はほんとに入口にある事務所へ、ギンナン拾いの夫婦のことを告げに行った。写真の場所、管理事務所からいちばん遠いところ。といっても狭い園だからたいしたことはないけれど。
そんなことで、句作に邪魔があって・・というか私が余計なことをしたからだけれど・・集中力が切れてしまった。んもう、どうして私はそういうのを見逃せない厭な性格なのだろう?と、自分に嫌気がさした。見ていた人は何十人も居たというのに、誰もが無視していた訳で。なぜ自分もその仲間になれなかったのか・・などと、やっと空いていたベンチに坐って考えてしまった。
立ち入りしてはいけない場所に入ったり、邪魔な所に三脚立てて平気なカメラマン・・・そんな人に、何度注意したことか。
「そこ、入ってもいいのですか?私も入りたいのですけど」と声をかけると、大抵の人は黙って出ていく。
他人様に迷惑をかけないように年を重ねなくては・・とつくづく思う。と同時に場合によっては「見て見ぬふり」の出来る老人にならなくては・・とも。
仏滅の敬老の日の暮れにけり KUMI
雲が、すっかり秋めいてきた。天高し、というほどの青空は広がらなかったが。
敬老の日が第三月曜になってから、秋分の日と近くなっていつが何の日なのか解らない連休になってしまった。
ともあれ、人出の多いこの連休を、老人は家で静かに。連休過ぎたら墓参りに行こう。
老人ばかりが増えて、何だか若い人に申し訳なくなってくる。
さて、昨日の百花園でのこと。
園内の下の写真の左奥に、銀杏の木がある。もう1本、写真を撮っているところの左に、銀杏の樹齢を重ねた巨木がある。で、若い木の方にギンナンが生って、地に落ちていて結構匂っていた。
その下でギンナン拾いをしている、私と同じくらいの年代の老夫婦が居た。近所の人なのだろう、持ち物はレジ袋だけ。もうかなり袋はいっぱいになっていた。
柵の外の遊歩道から拾えるものは限りがある。ダンナの方は入れないはずの柵の奥まで行って拾っている。私のそばに居た奥さんが、私の目の前で柵を越えて(低いのでだれでも跨げる)草の中のギンナンを拾い始めた。思わず、声が出てしまった。
「そこへ入ってもいいのですか?」奥さん、振り向きもせずに言った。
「いいんでしょ、どうせ雑草なんだから」
「雑草って、どうして解るんですか、そうでないものもあるでしょう」と私。
「こんなのみんな山の雑草でしょ、見てごらん」と・・。唖然。
「カメラ持った人たちが真似して入ったら困るでしょ」
奥さん、無言で作業を続けていた。
百花園は、江戸時代の文人墨客が自然の風情を楽しむために作った庭園、街では雑草のねこじゃらしもあかまんまも、自然の風情に入るのだ。地元に住みながら何もも解らぬ老夫婦。
「私、管理事務所へ言いに行ってきますね!」と私。
何か言われたような気もしたけれど、私はほんとに入口にある事務所へ、ギンナン拾いの夫婦のことを告げに行った。写真の場所、管理事務所からいちばん遠いところ。といっても狭い園だからたいしたことはないけれど。
そんなことで、句作に邪魔があって・・というか私が余計なことをしたからだけれど・・集中力が切れてしまった。んもう、どうして私はそういうのを見逃せない厭な性格なのだろう?と、自分に嫌気がさした。見ていた人は何十人も居たというのに、誰もが無視していた訳で。なぜ自分もその仲間になれなかったのか・・などと、やっと空いていたベンチに坐って考えてしまった。
立ち入りしてはいけない場所に入ったり、邪魔な所に三脚立てて平気なカメラマン・・・そんな人に、何度注意したことか。
「そこ、入ってもいいのですか?私も入りたいのですけど」と声をかけると、大抵の人は黙って出ていく。
他人様に迷惑をかけないように年を重ねなくては・・とつくづく思う。と同時に場合によっては「見て見ぬふり」の出来る老人にならなくては・・とも。
仏滅の敬老の日の暮れにけり KUMI