三月十日

天気　雨

暗い雨が続く日。体調も悪いし気分も暗くなるので、思い切り明るい2年前の今頃の写真。
公園の山茱萸（サンシュユ）。先週行ったときにもう咲いていたが、カメラを持っていなかった。

夫の看護疲れで出た頚椎症は大昔の交通事故以来の持病になっていたが、左肩の痛みは初めてのことで、実はまだ治りきっていない。でも動きは整体治療でかなり良くはなってきた。
最近、また首が痛み始めたせいか、朝早く、肩がズキズキ痛くて目が覚めてしまう。なぜか起き上がってしばらくすると良くなるが、そのあとは熟睡出来ない。熟睡出来ないと、あれこれと考えて・・今朝は「ああ、今日は3月10日、明日は11日」と頭の中で考えていた。
11日は知らぬ者のない、9年前の東日本大震災。
でも、10日のことは、今の東京都民はもう殆どが知らない「東京大空襲」のあった日だ。空襲に遭った都市は、全国にたくさん存在して、何も東京だからといって・・と思う人もあるだろう。でも、軍の関連施設もない下町の密集地へ落された焼夷弾で、10万人以上の民間人が犠牲になっている。首都の大損失で日本の戦意喪失を狙ったのだろうに、その効果もなく、原爆へと続いてしまった。

この、10日の午前零時に始まったらしい焼夷弾爆撃のためのおびただしい数の戦闘機Ｂ29は、私が住んでいた房総半島を横切った訳で。その爆音を防空壕で聞かされた恐怖と、それがおさまった後に見た、東京の焼ける空の明るさは私の幼児記憶の最初のものになってしまった。
なので、その後何十年もの間、私は見えない飛行機の爆音に脅えた。見えていれば、これは爆弾を積んではいない、と安心出来た。4歳になったばかりの子供の最初の記憶が戦争、というのは悲しい。もっとも、東京の燃えている赤い空の明るさは「綺麗な夕焼け」くらいの記憶だった。母は「あんたは、防空壕でぐっすり眠ってる子だった」と言っていたけれど、あの日の、いつになっても止まない爆音の恐怖は覚えている。

という日、寝不足に加えて目まいがひどく、外を歩くのも不安だった。でも、整体治療は行っておこう、と出かけた。この低気圧のせいもある・・と思いつつ。暖かい雨だった。
帰路、ちょうど正午になったので今日は駅ビルの地下で、いつものおこわ弁当を買ってきた。


他にも美味しいものを色々見たかったが、何しろあちこち見ると目が回る。
頚椎の症状が悪くなったのは、髪を洗うときに頭を後に倒し過ぎたから、と思っている。頭を下へ向けて洗えば首は楽だが、目を瞑るので目まいがひどくなって倒れそうになるのだ。浴室で倒れるのが一番怖いこと。
ま、戦争も大震災も直撃されずに生きている。とにかく、今は我慢我慢。夫の写真へ「まだそちらへは行きたくないから頑張る」と毎朝呟いている。

三月十日母に負はれて見し戦火　　KUMI