時代錯誤？

　このところ　この町では　炭坑遺跡の世界遺産登録を巡って色々な動きがある。
　当然ながら、賛否両論あるのだが、ある新聞に投稿された反対意見を見てびっくり！
　それは　石炭関連にお金を掛けるよりも「立花家の墓の整備をするべきだ」というのである。
「開いた口がふさがらない」とはこのことか！　この人は何時の時代の人間だろうか。
立花家の何者であろうか。200年前の家柄・分際をありがたがる人が今なお多いのもおかしいのだが、
立花家の墓をなんで今、税金で整備しろというのか　しかも投稿してまで呼びかけるという神経。
そもそも藩主・領主というのは「よそ者」である。徳川氏からあてがわれ、其の土地で
　収益を上げて自活せよ、いやそれ以上に稼げ、と命令された支配者である。立花氏当主は
領有していた約200年の間に三池の地に幾日いたかさえわからない、殆ど江戸詰めで幕閣の出世　
ばかり願っていた。三池の領地は自分の名誉栄達・政治活動の資金調達の場だったといえるのだ。
「領主が親しく領民と交わり　ありがたき言葉を頂戴し・・」なんていうのは「講談・落語」
のなかでの話。関東一円の直轄地の話ならまだしも、九州の大名が往復に半年もかかる参勤
で　領地にのんびりとどまる閑があるわけはない。地方の領地では　在藩の城代や家老など
が実務を取り仕切っていて、庶民は藩主の顔をさえ知らなかっただろう。
　何を以って立花家を「顕彰」し「墓の整備」をしろというのか。今の立花氏直系は　
普通のサラリーマンだと聞いている。はるか昔の先祖の墓守はおそらく大変であろうことはわかる。
　だからといって税金で整備せよと「主張」するとは・・・・。まずは自分がどれだけのこと
をしたうえでのことか　お尋ねしたいものだ。
　この投稿者は　團琢磨の像にも異論を唱えているが　この点は今回は触れない。