晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

蘇洞門めぐり 7/14

2017-07-14 | 日記・エッセイ・コラム

2017.7.14(金) 
 小浜から望む久須夜ヶ岳の北方海岸にある蘇洞門(そとも)は何年も前から憧れていた。行こうと思えばいつでも行けたのだが実際には何か機会が無ければ行けないものだ。同じ小浜湾にある蒼島だって、年に一度の祭礼があることを知って、島に渡る漁船に乗せてもらって初めて実現したわけだ。 家族で日帰りでどこかへ行こうということになり、蘇洞門に決めた。チャンスというのはそういうものである。
 在野の民俗学者、安間清氏が書かれた「柳田國男の手紙・ニソの杜民俗誌」に蘇洞門を訪れた一文がある。(2010.9.5参照)
「昭和二十四年七月の終わりに近い日、そのころ居った京都府福知山市の学校の仲間数名と、ほど遠くも無い福井県の若狭の海岸蘇洞門の奇勝をたずねたことがあった。」に始まるのだが、その当時は本郷から遊覧船が出ていたそうで、氏は蘇洞門の風景より反対側にある大島の村々に興味をおぼえ、そしてニソの杜の研究に没頭することとなる。遊覧船に昭和24年当時の雰囲気はないだろうが、蘇洞門の景色は一緒だろう。12時出航遊覧船に飛び乗る。最初は左手に大島半島の景色が見える、安間氏もこんな感じで眺めていたんだろうなあと感慨にふける。右手の最終集落泊(とまり)を見送るとやがて松が崎の岸壁が現れてくる。泊は誰々が泊まったからという伝説、鎌の腰岩は鎌の柄に似ているからとか放送が流れる。遊覧船だから仕方がないがもう少し科学的な説明が欲しい。

右手が久須夜ヶ岳だから左のピークが小山だろうか?半島は内外海半島       
 このあたりの半島側に小山(こやまというのでどう書くのかわからないのだが)という山があって、山当ての山だという、しかもタングステンやモリブデンを産出していたということである。(山当てとは目印とする山を結んでその角度から航路や漁場を測る方法)遊覧船からの山容はわからないが、沖に出ると姿のいい山なのかもしれない。鉱物については初耳であるが調べてみると内外海鉱山(うちとみ)といって、銅、タングステン、モリブデンなどが産出されていたそうだ。日本地方鉱床誌をひもとくとウラン鉱もあったそうで、その真向かいに大飯原発があるのもなにか皮肉な感がする。
目と鼻の先にある大飯原発

 その後も網掛け岩だの亀岩だのいかにも観光地らしい名の名勝が続き、有名な大門・小門に着く。ここでは船が着岸し、5分間の上陸ができるのだ。これはなかなかいいサービスだと思う、全員、と言っても十人もいないが、写真を撮ったりして楽しむ。
網掛け岩、大門・小門
 日本ジオパークには入ってないが、もう少し地質のことや岩石のことを案内していただければもっとよかったという気がするのである。
 

コメント
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