晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

丹波西国道中記・五日目-2

2023-11-06 | 徒歩巡礼

2023.10.31(火)快晴 「納経朱印がもらえない」
天王坂~興禅寺
大梅山 興禅寺 第八番(廃)補陀洛山 観音寺跡管理寺 曹洞宗 丹波市黒井町
 興禅寺は丹波西国札所ではないのだが、廃寺となった補陀洛山観音寺の管理をされている。
 春日局(徳川家光の乳母)誕生の地とされている。黒井城の下館として、堀や石垣に面影を残している。

 高山寺から興禅寺へは由良峠と天王坂の二つのルートがある。由良峠は山道で魅力なんだが、天王坂は舗装道路だが確実そうだ。朝歩いてきた道を戻り、県道7号線を横切り、南由良に向かう道を進む。この辺り広々とした田園地帯なんだが、周囲の山並みが素晴らしい。トレイルランにはもってこいの感じなのだ。実際に大きな大会が開催されたようで英樹君も走ったという。途中から直角に南に折れ県道285号線を行く。自然と天王坂に導かれ、たどり着いた切り通しの峠で一服する。峠は車道の切り通しとなっているが元々は良い峠だったと思われる。分水界五台の径という縦走路となっていて、最初に越えた塩久峠にも繋がっている。この縦走路もトレイルランに使われたようだ。峠で休憩して下りにかかるとすぐに、大石りくの案内看板がある。どこかで聞いた名前だなあと思っていると、赤穂浪士で有名な大石内蔵助の妻である。彼女が里帰りの際、この峠にさしかかったところ急な腹痛が起き、石清水を飲んだところ、たちどころに治ったという。よくある話だが、後にそのことを感謝し石碑を建て、現存しているというからどうやら実話らしい。
  天王坂と五台山へ続く縦走路

  大石りくの案内、下に降りると石碑が祀られている。
 石碑は下方の谷筋に祀られているそうだが、そこが元々の街道だったのだろう。後で地図を見ると谷筋に破線の径が走っている。しまった降りて行くべきだった。面白くも無い舗装道を下っていくと、下りきったところに舟城神社という大きな神社が現れた。「牛の守護神舟城の天王さん」とあり、地名も天王というのがあるので、天王坂の由来がわかる。
 道からは遠く黒井城跡の城山が望める。この山にも何往復もするレースが開催されていたそうだ。あの山の麓に目指す興禅寺があるのだ。
  真ん中に見えるのが城山、道中の六地蔵で一服。
 小学校が見えると興禅寺はすぐ、隣に惣門と参道がある。この惣門は黒井城の門材を使用したとかで、記念撮影をパチリ。
 
 興禅寺は黒井城の下館であったため堀や石垣が壮観である。観音様はいずこにと訪ねると、本堂脇のお堂に祀られており、揃って参拝する。この観音様は元々観音寺(廃寺)にあったものが能勢の観音寺に移り、現在はここに安置されているという。両脇におられるのが観音様と聞いたが、中央におられるのはどうもお大師さんである。「禅宗のお寺にお大師さんが祀られているのは不思議だなあ」と津田さんがつぶやいていたが、後で聞くと少し下にかつて大師堂があり、廃堂の際に預かったということで納得である。納札朱印を戴き、石垣下の春日局庵という休憩所で昼食をとる。時間によっては黒井城跡に登って黒井駅から帰ろうかと話していたのだが、余裕がありそうで岩戸寺まで行くこととなる。つづく
 

  

コメント
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