00/7/31 海保
心理学文化 誰がどうやって作ったのか
●学問は文化なり
我々の大学の大学院の組織の一つとして、人間総合科学研究科が出来た。医学、芸術、体育、心理学、教育学、心身障害学の6つの学問領域が一緒になって作られている。その運営委員会が月に一度開かれる。何を決めるにも、とてつもなく時間がかかってしまう。それぞれの領域で伝統的に行なわれてきた取り決めがあるので、その摺り合わせが大変なためである。たとえば、一番大事な博士の学位の審査でも、まるで異次元の世界の話かと錯覚するくらいに仕掛けが違う。
これは、管理運営の話であるが、研究の進め方からその成果の公表の仕方といった研究現場についても、学問によってまるっきり違う。そもそも、論文を発表する機関誌もないところもさえある。
それぞれの学問領域の文化の違いとしか言いようがない。
●学問文化とは
文化であるから、その形成には不確かなところが多いし、その特徴がどこにあるかを明示するのは難しい。それでも、今回の我々のように、異文化と接触する機会があると、否が応でも、学問文化とはなんだろうか、なぜそんなものが出来たのかと考えさせられる。
文化が形成されるには同じような状況が長期間にわたり持続することが必要である。