●成績の土台となるのは「一点集中力」「根気力」
さて、では集中力と学習の間にはどのような関係があるのでしょうか。
学習には、知識を覚え、蓄積し、試験など必要なときに引っ張り出してきて使うという三つの段階があります。集中力はそのすべてに関わってきます。
集中することで、効率良く知識を覚え込み、溜め込み、活用できるようになります。知識と集中力が学習の両輪のごとくなって学力を伸ばしてゆくのです。
今回、学習成績と集中力の相関関係について調査を実施したところ、非常に興味深い結果が出ました。
一口に集中力といっても、さまざまな顔があります。調査では、集中力を「根気力」「一点集中力」「リラックス力」「瞬発力」「発想力」という五つの側面に分けてみました。
成績の良い子が際立って高いポイントを示したのが「根気力」と「一点集中力」です。成績が良い子ほど伸びていることから、この二つの力は、学習の基盤となっているといえるでしょう。
「根気力」とは集中を持続する力のことです。ものごとを達成するまで、いかに気持ちを保ったままでいられるかです。
「一点集中力」は一つのことに打ち込める力のことです。気を散らさずにするべきことに没頭できるかどうかということです。
好きなことや興味があることなら、すぐに集中できるし、集中が長続きします。しかし苦手なことには、なかなか入り込めないし、集中を持続させるのが難しくなります。「根気力」と「一点集中力」がある子は、不得手な科目や嫌いな分野でもじっくり勉強に取り組めるということです。学習成績が比例するのは当然のことでしょう。
一方で、肩の力を抜いて集中を手助けする「リラックス力」、ここ一番で力を出し切る「瞬発力」、注意を適切にコントロールすることで豊かな発想を引き出す「発想力」、それぞれに大事な集中力の一面。やはりバランス良く持っていることが理想的です。
その意味で少々気がかりなのは、成績が良い子が「リラックス力」が低いという調査結果です。
「根気力」や「一点集中力」を使いっぱなしでは緊張が解けません。肩の力を抜けない。気分転換の仕方を知らない――。優等生が陥りがちな落とし穴です。リラックス力は学習成績のような数字では表れにくいので、親や教師もなかなか気付きません。たとえ、気がついても、怠けているとおもってしまいがちです。上手にリラックスできているかどうか、きちんと目配りしてあげてほしいものです。
半鐘や蛇口が盗まれて困っているらしい。
それで昔昔のことを思い出した。
自分の小中学生の頃にも、似たようなことがあった。
自分たちで鉄くずと銅を拾い集めてーー盗んだのではないーー、
買いに来るのを待つのである。
あの頃も、マンホールのふたが盗まれたり、
電線が盗まれたりだったように思う。
貧しさの程度が格段に違う時代の共通項になんとなく、郷愁を感じてしまった。
それで昔昔のことを思い出した。
自分の小中学生の頃にも、似たようなことがあった。
自分たちで鉄くずと銅を拾い集めてーー盗んだのではないーー、
買いに来るのを待つのである。
あの頃も、マンホールのふたが盗まれたり、
電線が盗まれたりだったように思う。
貧しさの程度が格段に違う時代の共通項になんとなく、郷愁を感じてしまった。