現代用語の基礎知識
◆役割行動(role behavior)**2004年版に同じ
人はある役割、とりわけ、権威や権力を発揮できる役割を与えられると、自分の意に反してまで、その役割にふさわしい行動をする傾向がある。
通称アイヒマン実験では、教師役の人が相手の苦痛を無視してまで過度の電気ショックを与え続けた。また模擬監獄実験では、看守役と囚人役を割り振られた人は、しだいにその役割にふさわしい行動をとるようになった。いずれも、実験という仮想場面であることを承知していながら、過剰なまでに役割行動をしてしまっているところに怖さがある。
◆社会的手抜き(social loafing)
人と一緒に仕事をするとき、1人のときより手抜きをすることがある。他のメンバーに頼ってしまい、みずからは全体の仕事に貢献する必要がないと判断するフリーライダー(free rider)効果も、社会的手抜きの一つである。集団が大きかったり、仕事の目標がメンバーの最もよくできる人に合わせられているときに起こりやすい。