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心の研究の時代思潮

2007-05-28 | Weblog

研究法の多彩さをもたらす最後の要因は、やや曖昧な要因になるが、心についてのその時々での考え方(時代思潮)が異なることによるものである。前述したように、心についての考えが変われば、当然、その研究法も異なってくる。
現代心理学を歴史的にみて、その時代思潮は、大きく4つに区切ることができる。
①心重視の時期(1879から1913年)
はじめて心理学実験室を開設したブントの業績は多岐にわたるが、心理学研究法の観点からすれば、内観法によって心を「科学的に」研究しようとした業績を忘れることはできない。ブントは、心理学を直接経験の学と定義し、それを構築するために、心を直接、内観することから得られるデータを使おうと試みた。
 ブントにとって、実験も、厳密に統制された刺激が感覚・知覚に直接どのように経験できるかをできるだけ素直に内観させるための手段であった。それによって、内観データの主観性を克服しようとした。ブントの弟子・ティッチナーは、観察者の持つ知識が直接経験を汚染する(刺激錯誤)ことを防ぐため、観察者に観察の訓練さえしたほどだった。
 ブントよりやや遅れるが、この時期、もう一人、まったく別の心の領域に関心を寄せた心理学者、精神科医がいる。それは、フロイト(Freud、S.,1878-1958)である。医学者としての訓練を受けたフロイトの基本的なスタンスは、因果関係重視の自然科学的なものであった。ヒステリーなどの神経症の発症の原因を無意識世界のリビドーの抑圧であるとして、その解放こそ治療のねらいであることを、豊富な症例で実証してみせた。もっとも、その実証は、後付け実証と呼ぶにふさわしいもので、実験的に検証可能な意味での実証ではなかった。
②行動重視の時期(1913年から1954年)
1913年は、ワトソン(Watson,J.B.,1878-1958)が「行動;比較心理学概論」を出版した年である。この年が、ほぼ半世紀にわたり続く心理学界における行動重視の時代思潮のはじまりであった。
 評価は今となっては、毀誉褒貶相半ばするが、行動主義が、厳密な自然科学足らんとして採用した刺激―反応(S-R)パラダイムは、実証科学としての心理学の地位を一気に高めた点では、異論を唱えないはずである。また、そのパラダイムに基づいて蓄積された知見の膨大な集積にも、その内容への評価はさておくとして、誰もが一定の敬意を表するところであろう。
③心重視の時期(1954年より)
 1953年、コンピュータが開発された。これが心を考える上での格好のモデルになることに気がついたのが、後にそう呼ばれるのだが、認知科学者であった。刺激と反応の関数関係を知ることに腐心することが科学であることと信じきっていた行動主義心理学とは違って、心の中身(メカニズム)の解明に研究の関心を向けたのである。行動主義に対して認知主義と呼ばれる。4章で紹介する心へのモデル論的アプローチが花開くことになる。
④心も行動もの時期(1970年代より)
認知科学の中にも、心の世界だけを自閉的に研究しても、人の心はわからないとの認識が共有されるようになってきた。このような認識は状況論と呼ばれる。人を取り巻く状況との関係性にも目をむけて心を考えるようなってきたのである。
ここで、方法論的な多彩さが許容される雰囲気が醸成されることになる。それは、あたかも最先端科学が、最先端テーマを研究するために、斬新な方法論と技法とを開発するような雰囲気といってもよい。そのあたりの雰囲気は、6,7,8章の質的研究法あたりで感じ取ってほしい。


説明の心理学の構図

2007-05-28 | わかりやすい表現

●「説明の心理学」の構図
 「説明の心理学」という本を書こうと試みたことが何度かあるが、未だ果たせない。資料だけはあちこちに山積みになっている。もちろん筆者の能力の問題もあるが、説明という問題の射程の広さや奥深さにも、一因がある。
 その本で書きたいことは、実は、かなりはっきりしている。次のようなことである。
 ・人は何のために説明するのか
 ・説明はどのような認知過程なのか
 ・説明にはどんなもの(タイプ)があるのか
 ・科学的な説明と日常的な説明との違いは
 ・どうすれば相手が納得でできる説明ができるのか
 科学は説明と予測をめざす。心理学も例外ではない。しかし、心理学にはもう一つやっかいな問題、説明することがまぎれもなく心の働きの一つであり、それが心理学の研究対象でもあるという入れ子問題がある。だからこその説明の心理学である。

良く知っている人がマニュアルを書くと

2007-05-28 | わかりやすい表現
良く知っている人がマニュアルを書くと

●正確さを重視するために、細部情報まで書きすぎる
--->何が大事なのかが見えない
   *1*2この絵を電話で相手に伝えて描かせるとすると

●マクロ化表現をしてしまう(*3参照)
  例 「フロッピーをセットしてください」
---->素人は、要素行為に分解できない

知的革命

2007-05-28 | 認知心理学

第1 有史以来、知的資源を爆発的に増加させたこと(知的革命)が、4度あった。
1)五万年前頃、言語を持ったクロマニヨン人が出現。言語によってネアンデルタール人を滅ぼした?

2)文字の考案。紀元前3千年頃,「楔(くさび)型文字」である。備忘官(王家の家系や業績を記憶する人)が不要になり、情報の固定化、記録ができるようになった。

3)活版印刷の発明。15世紀中頃、グーテンベルクの発明した活版印刷である。情報(当時は聖書)の共有範囲が爆発的に拡大した。

4)1937年、コンピュータ・ABCマシーンの開発である。それ以来ほぼ半世紀、知的環境を革命的に激変させた。

一縷の望みも絶たれた!!

2007-05-28 | 心の体験的日記
また持ち歩きのフロッピーが読めなくなった
今日会う予定の学生の技量に一縷の望みをかけたが
さすがにだめだった。
辞典編集は先方に情報があるから大丈夫
ただし、自分の書く項目が飛んでしまった
連載4回分のうち、2回分はなんとか復帰できた
一個は先方に送ったばかりで難を逃れた
あとは、何があったかなー

気分最低、何もする気が起こらない。


医療事故を引き起こすもの

2007-05-28 | Weblog
●医療の特殊な側面
1)専門性が高いー>知識・技量不足
2)対象(病気)が見えにくいー>情報不足
3)患者に個人差があるー>情報が多様
4)常時、変化するー>情報が多様
5)ものが多様であるー>識別性の低下
6)情報伝達が多様で多いー>情報の流通不全
7)権限関係の複雑さー>局所最適化

8)労働環境が悪い
     (松尾太加志を改変)

不信 用語解説

2007-05-28 | 認知心理学

●不信(distrust)の形成
組織や人に対する信頼の形成には膨大な時間と努力がかかるが、不信のほうはごく短期間で形成されてしまう怖さがある。
不信の形成と増幅にかかわるのは、事故や違反行為などのネガティブ事象の報道が主であるが、マスコミ対応のまずさも不信を増幅する。たとえば、不充分な情報公開、情報の小出し、改ざん記録の開示、言い逃れ、嘘の発覚など。


アクセス分析

2007-05-28 | 安全、安心、
5/25(金) 722 pv 224 ip -位(783961 BLOG中)
5/24(木) 721 pv 224 ip -位(783367 BLOG中)
5/23(水) 685 pv 227 ip -位(782869 BLOG中)
5/22(火) 995 pv 224 ip
4日間、定常状態で推移
このあたりが限界かも
あまり上をめざすと、著作権違反や際物を載せたくなる
しばらく、このあたりでのんびりとやる
ご愛読感謝