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コンビニでシャブリを買う

2007-05-19 | 心の体験的日記
なんとコンビニのワインコーナーに
2000円シャブリを見つけた
シャブリは、自分が知っている唯一のワイン名。
嘘でした、赤玉ポートワインくらいは知っている。
シャブリにもピンからキリまである
2000円が悪酔いすかしないかの分岐点と決めているその
丁度の額でうっているとは憎いねー
買いました。
今日行ったらまたあったので、また買ってしまいました
シャブリだらけになりそう。

マニュアルに学ぶドキュメント・リテラシー

2007-05-19 | わかりやすい表現
海保著「くたばれ、マニュアル」新曜社より

エピローグ  4枚
---マニュアルに学ぶドキュメント・リテラシー

********
 プロローグでは、マニュアルの問題表現のいくつかを挙げて、「こんなマニュアルはくたばれ」をやってみた。
 エピローグでは、反対に、一冊のマニュアルのはじめからから終わりまでを想定して、優れたマニュアル表現から学べることをガイドラインとして提示してみた。広く文書設計一般にも応用可能なガイドラインにもなっている。それぞれの具体例は本書を参照してほしい。なお、ガイドラインはすべて横書きを想定している点に留意されたい。******************************

8.1 見返し(表表紙の裏)を見返す

●でき上りイメージを見せる
・あまり細かいところまでは見せないで、一目でわかるようにする
・内容は、その製品にしかできない機能を使って作成したもの、ユー ザの知的好奇心を刺激するものがよい
・ビジュアルに表現で直感的にわかるようにする
●その製品の特徴を知らせる
・ポイントとなる特徴点だけを数点以内にしぼる
・「これだけは絶対に」というものに限定する。
●機能一覧を見せる(これは、裏表紙の裏でもよい)
・内容的にも、表示の上でも、きちんと分類し、階層化して示す
・本文の参照ページも入れておく

8.2 見返しと目次の間はメタ情報の提供に使う

●マニュアルの体系の中でそのマニュアルがどこに位置するかを示す
●読み方を示す
・章全体の概要と関係を示す
・誰がどこをどのように読むかを示す
●表記上の約束を示す
・約束しなくとわかるな表現を工夫することが王道
・必要最低限の約束だけにしぼる

8.3 全体概観、参照を助ける目次にする

●全体を概観できるようにする
・全体を「見開き2ページ」以内に収める
・章の数も5-7章くらいまでにおさめる
●内容がわかる章、節タイトルをつける
・専門用語の使用は厳禁
・ユーザ/仕事に配慮したタイトルをつける
●ユーザのしたいことにマッチする構成にする
●情報を探しやすくする
・目次のレイアウトを階層化する
・階層の深さは3階層(章・節・小見出し)がよい
・項番(章、節、小見出しに付ける数字)を使う


8.4 仕切りとしての章扉を有効に活用する

●章扉は仕切りである
・奇数ページに入れる
・パラパラめくりでも目につくようにする
●章の内容がわかるようにする
・章の概要を入れる
・章の内容をイメージできるイラストを入れる
・節、小見出しのタイトルを入れる


8.5 各部の名称を教える

●ユーザにとって意味のない(役に立たない)名称ははぶく
●名称を羅列するだけでなく、整理分類して提示する
●名称を示すには、テクニカルイラストで、直接示す(凡例は使わな い)
●イラストを描く視点は、ユーザ側、そして、機械の右/左斜上に置く
・不必要に視点を変えたイラストは描かない
・側面や背面を描くときは、その旨をはっきりとわかるようにする
・全体を描く描く視点と部分を描く視点は一致させておく
●機械の全体を常に見せる
・一部分を示すときには、全体のどこにあたるかを示す

8.6 機械の組立て操作を説明する

●出来上がりを絶えず意識させる
●身体、とりわけ手の絵は豊富な動きの情報を担っているので有効に 活用する
●矢印も動きの表現には効果的
●ときには連続絵も効果的

8.7 カタカナ語をわかりやすくする

●原綴りを一度は示す
●2単語以上のカタカナ用語は、区切りをはっきり
・かなや中ポツ(・)を入れて区切る
●3語以上の英語をカタカナ語の連続で表現しない
・漢字やひらかなを混ぜる

8.8 専門用語をわかりやすくする

●専門用語を使わなくとも済まないかも考えてみる
・用語を覚えてもらう利点があるかどうかを考える
・「ここを押す」のようなビジュアル表現で済まないかを考える
●基本的な用語については、あらかじめモニターを使ってでも熟知度 を調べておく
●具体名は絵で、機能概念は解説する
●解説をする
・初出の箇所や脚注で、あるいは用語解説欄で用語の意味を解説する
・やや冗長なくらいの説明をする。
・できるだけ日常用語を使って説明する。
・機能、制約、使い方、構造のどれを中心に解説するかを考える。
・他の用語との関係(上位、下位、対比、類似など)を示す
・ダイアグラムや概念図などのビジュアル表現を使う
・たとえや具体例も使う

8.9 操作をわかりやすく説明する

●ユーザがその機械にごく普通に期待する機能群(デフォルト機能群) だけを、早く使わせる
●ユーザのタスクの世界に立ち戻ってマニュアルを構成する
●操作を指示するには、ビジュアル表現を有効に使う
・動きを説明する絵には手の絵や矢印を入れる
・時間的に前に起こることを表現するには、レイアウト上では、「左 に」「上に」置く
●文章表現も併用する
・1文1動作で
・絵と文とは内容的に重複してもよい
●操作例を入れる
・ユーザの馴染みの例を使う
●操作の意味を書く
・リード(冒頭説明)の中に、「目標」「全体」を示す
●操作と結果を仕分けて書く
・操作の記述と結果の記述は、見た目にもはっきり分けて書く
●操作のステップを適度に細かく
・「セットする」「選択する」といったマクロ化表現は要注意
・サ行変格活用動詞(カタカナ用語の動詞的使用)は、専門用語と同 じ注意が必要
●ユーザに視点を置いて書くのが鉄則
・ユーザの操作は能動態で、システムからの反応は受動態で書く

8.10 禁止/注意表現を効果的に

●想定される危険はできるだけ書いておく
●メリハリ(減り張り)をつける
・禁止/注意の危険の程度に応じて目立つ程度を変える
・内容の区別化をする
・危険(danger)」「警告(warning)」「注意(caution)」に分ける
・一目でわかるようにする
●禁止/注意の理由(why)と対処(how)を書く
●冒頭のまとめ書きに加えて、禁止/注意したい個所にも書く(現場主 義)

8.11 トラブルからユーザを救う

●トラブル時の情報提供は、子供でもわかるような表現にする
●事象(what),原因(why),対処(how)を書く
●タスク場面ごとに書く
・内容的な重複はあってもよい
●ユーザを責めない
●「undo(もとに戻れる)」「redo(もう一度できるように)」操作 を目立つように

8.12 索引からの参照を助ける

●索引に記載する言葉はキーワードに限る
・索引用語を選ぶ箇所は、章、節、小見出しのタイトルのなかにある(あるいは、それらに対応する)キーワードである
●ノンブル(ページ番号)はページ右下に
●装置・部分名は、初出箇所のみを示す
●機能名は、出てくるところをすべて拾い、主要な説明のあるページ をゴシック体で強調する
●索引を階層化する
・合成語は前の用語でも、後ろの用語でも引けるようにする
●「あかさたなあ…」を強調した上で、「いうえお」まで表示する
●検索ルートは、多くて悪いということはない
・本文中でも必要に応じて参照個所を示す
・本文中で索引用語をゴシック体にすることもありうる


 





 










 

振り込め詐偽 迫真の演技

2007-05-19 | Weblog
海保書き込みは***で

 受話器を取ると、相手は、落ち着いた声の男性だった。
 「今野道代さん_仮名_のお宅ですか。品川警察署の者です」
***警察という権威をよそおうことで、相手より心理的に優位に立つ

 9月中旬の平日午前_時半ごろ。小平市の主婦今野陽子さん(?)_同_は、自宅にかかってきた警察の電話で突然、次女(?)の名前を聞かされ、驚いた。
 「本日、板橋区大和町の?号線で、道代さんの車が接触事故にあいました」
**「、娘の事故」と聞いただけで、母親は認知的にパニック。頭真っ白、目が点。正常な思考、判断ができなくなる。

「エッ、道代は?」
 「これから順序立ててお話します。お気持ちは分かりますが、落ち着いてよく聞いてください」
 《道代はどうなっているのか、私はそれをまず知りたかったのですが、相手はたたみかけるように話を続けてきました》
***「たたみかけて」一気に自分達のペースにのせる。そのために、最もらしい物語りを聞かせる。
***思い込み対策その1「疑問は、ともかく口に出して聞く」(思いの外化に寄る調整)


 「相手は自転車に乗っていて、ハラダカツヨさんという?歳の女性です」「道代さんは会社やお友達に連絡するより、まずは実家の連絡してくださいとのことでしたので、ご連絡しました。お母様ですね?」
 「はい」
 ***「疑問を口に出させないように、すぐに答えられる質問をしてくる」

《相手の説明に、はいはいとこたえるしかありませんでした。ただ、道代は車の運転が好きではありません。話を聞きながら、半信半疑でした》
 「道代さんはムライアイコさんの白いバンに乗って運手していたそうです。アイコさんはお友達ですか、同僚の方ですか。アイちゃん、と呼んでいるそうですが」
 「アイコさんは同乗していたのですか?」
 「今は分かりません。道代さんは、アイコさんをかばっているのか、お話しません」
 《聞いているうちに、本当に道代が運転していたのだと思い始め、だんだんドキドキしてきました》
***すでに架空の思い込み世界に入り込んでいるる。ここまでくると相手の言うがまま。

「もう一度、詳しく話を聞かせてください」
 
1. **ここで、一旦、電話を切るのが一番。(思い込み対策その2は、『現場離脱』)

「私は警察の者でお知らせをしています。今後は、検事からお聞きくださって、相談してください」
 「ちょっと待って。道代はどこにいますか」
 「品川の簡易裁判所の拘置されています。相手のハラダさんが東京海上火災の国選弁護人を雇われたので、電話を代わります」
 陽子さんの耳に、遠くの方で、「今野道代さんのお母さんです」と電話を代わる声が聞こえた。電話口に出てきたのは、警察官と同じ高めの声音で、やはり穏やかな口調の男だった。
**権威の構造をみせてさらに心理的に優位に立つ。また、人をかえることによって、物語りの迫真性を作り出す。

「弁護士のナカヤママサシといいます。道代さんはとても優しく、まじめな方で、大変なショックを受けています。お気の毒です」
***「お気の毒です」の一言で、感情的な一体感さえ持つようにしてしまう。

 そうして、次のような説明を始めた。
**物語りは、細部の正確さや矛盾を隠してしまう効果がある。

道代さんは制限速度で走っていたが、自転車に乗ったハラダカツヨさんが横断歩道でないところを飛び出してしまった。幸い、車の正面ではなく横にぶつかったので、大けがではなかった。倒れただけだった。道代さんが車の窓を開けて「大丈夫ですか」と聞き、ハラダさんは「大丈夫」と答えた。道代さんは車から降りず、そのまま去った。
 しかし、実は女性は妊娠6カ月で、縁石におなかをぶつけたため、念のために病院へ行った。すると流産だった。本人には本当のことは知らせていないが、夫は大変ショックを受けている。結婚して4年目で待ちに待った赤ちゃんだったらしい。夫は、「妻も悪いが、心からの謝罪をやっていただかないと困る」と言っている||。
 《女性が妊娠、と聞いた瞬間に、私の頭は真っ白になってしまいました。相手が道代と同じ?歳、ということも、ますますひとごとでないと思わせました》
 ナカヤマの話は続いた。
 「道代さんに非はなかったとはいえ、車から降りず、走り去ってしまったのでひき逃げになります。過失致傷で6年の刑が執行されます」「裁判は第一審、第二審というのがありまして、今日が第一審です」
2. **法律用語はめくらましとしては最適。ある程度は意味がわかりるが、かといって本当のところはわからない。何か大変なことが起こりそうとの予感を持たせるのに効果的。さらに、そんな言葉をあやつる人は権威の象徴のように思えてしまう。

、ほん《ずいぶん急展開な話、とは思ったのですが、すでに気が動転していますので、問いただすこともしませんでした》
 「ただ、ハラダさんが、もし道代さんには過失はないと認めれば、?日間の拘留で済みます。けれども、道代さん側が保釈金を払えば、今日、出られます」
 《話を聞いてすぐ、道代が最近出張から帰ってきたばかりで、今仕事から手が離せないほど忙しいと言っていたのを思い出しました。また、会社に知られたら良くないとも思い、今日のうちに、と思いました》
 「おいくらですか」
 「200万円です。出せますか?」
 「はい」
 「現金ですか、振り込みですか」
 「現金を直接、そちらへ持っていきます」
 「第一審は?時半にあります」
 「もう?時近くで、そちらへ向かうには、2時間近くかかります」
 「お宅はどちらですか」 「小平駅です」
***時間切迫の状況を作って、思い込みから脱出できないようにする。
***思い込み対策その3「対応する行為をするのに、間合いを入れる」)

「それは無理ですね。それでは、電車に乗られる前に、こちらへ電話をしてください。私の連絡先は、(携帯電話の番号)。お金は、普通預金から出されるのですか?」
 「定期預金です」
 「普通預金ではだめですか」
 「お金がほとんど入っていません」
 「いくら残っているのですか?」
 「……」

**多額の現金の引き降ろしがすぐにはできないようにしておく。
***思い込みい対策その4(リスクのある行為は、やりぬくくしておく「フールプルーフ化」)
3.
《このやり取りのあたりでさすがに、どうもおかしいな、と思い始めました》
 「では、お金を降ろしたら、連絡をください」
***ここで相手が電話を切ってくれたのが、被害を免れることが要因。
***これ以後の対応は、夫への「連絡」と「活用」が遅かった以外は、適切。

電話が切れた後、陽子さんは急いで道代さんの名刺を探し出し、道代さんの職場へ電話をした。
 あいにく、道代さんの姿は今見あたらない、とのことだった。道代さんの夫に連絡し、状況を話すと、そんな話はおかしいですよ、と笑われた。念のため、地元の警察署に電話をかけ、板橋区大和町に事故があったかどうか、品川の拘置所に道代さんがいるかどうか、調べてほしいと頼んだ。
 2階にいた夫が、1階で陽子さんがバタバタしているのを聞きつけて、「どうした?」と聞いてきた。
**もっと早く夫を呼ぶべき。
**思い込み対策その5(人の助けをかりる「助けられ上手」になる)

《けれども、すっかり私は慌てているので、「ちょっと待って」とこたえるので精いっぱいでした》
 すると、ナカヤマから、前の電話から5分を待たずに、次の電話がかかってきた。
 「定期口座ですと、お金を降ろすときに銀行から理由を聞かれます。このように(内容覚えておらず)理由をこたえてください」
 その後、すぐに地元の警察から電話があり、板橋区の事故も拘置所の件も、実際にはない、とのことだった。
 5分後ほどに、再び電話があった。「ハラダというものです」。被害者の夫を名乗った。「待ちに待った子どもだったんです。謝罪をしていただきたい」。泣き声だった。
 落ち着きを取り戻した陽子さんは初めて、その演技臭さを感じた。


ユニバーサルデザイン 基本枠の設定

2007-05-19 | 認知心理学
06/4/5海保
ユニバーサルデザイン 基本枠の設定
認知・判断・行動セクション
第1 習得レベル
(認知工学者・ラスムッセンの3階層モデルに準拠した。)
●初心者
不安が高い
既有知識に安易に依存した行動をしがち
●初級者
時間がかかる
指示待ち
●中級者
ルールや決まりに従って行動する
意義(なんのために)、意味(どうして)に敏感
●上級者
自分なりの考えに従う
無理、無駄、むらがない行動ができる

第2 教育・知識レベル
(認知発達心理学者・ピアジェに準拠した。)
●幼児レベル
見かけに左右される
目立つものをさわる
動くところをみつける
●小学生レベル
具体的な場面で論理的に考える
●中・高・大学レベル
仮説・演繹的に考える
因果的に推論できる
リスクテーキングしがち

第3 加齢性
時間がかかる
抑制がきかない
心と行動にギャップがある
言語的思考のほうが得意

第4 先天性・後天性
●健忘
思い出す手がかりを豊富に提供する
●失認(感覚機能は正常だが、意味づけ機能に障害がある。たとえば、顔をわかるが、誰かはわからない(相貌失認))
状況を示し意味理解を支援する
●知的障害
●学習障害
●発達障害
●精神障害

第5 動機づけ
●動機づけ低い
新規なものや状況に近づかない
自分の能力のなさを責めがち
●動機づけ高い
手順無視
状況志向(ともかくやってみる)
リスクテーキングを楽しむ
********************参考書
海保ら「認知的インタフェース」新曜社
ピアジェについては、教育心理学書、発達心理学書に掲載されている。

感情管理不全と心理安全工学

2007-05-19 | 安全、安心、
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30字 117行
01/12/8 海保
「安全と健康」中央労働災害防止協会  新書「ミスに強くなる」
リレー連載;
ヒューマンエラー防止学
   海保博之 筑波大学「心理学系」
   第6回 感情管理不全と心理安全工学

●はじめに
 感情の不安定は、注意を経由して認知活動に微妙な影響を及ぼし、ひいてはエラー、事故を引き起こすことになる。感情は一番触れられたくないプライバシーの領域なので扱いにくいところがあるが、エラー、事故防止に限定するなら、その自己管理だけでなく、外部管理の方策を考えることもあってよい。

●注意を管理するには感情から----注意と感情の一体管理支援
 気分がのらないときは仕事もしたくない、考えるのも面倒。こんなときは、エラー、事故も起こりやすい。
 一方、うれしいこと、楽しいことがあるときは、仕事も順調、頭も身体もスムーズに動く。
 このように、感情が行為や認知に密接に関係していることは経験的にはよく知られている。
 その関係の仕方は、「感情--->注意--->行為/認知」という間接的な形をとっているらしい。
 となると、前回、取り上げた注意管理不全も、感情管理にまで配慮しないと十分とは言えないことになる。
 そこで、ここでは、エラー、事故との関連で、感情管理の問題を考えてみる。

●過ぎたるはなお及ばざるが如し----強感情低減支援
 感情には強弱がある。
 うれしくてうれしくて舞い上がってしまうこともある。逆に、悲しみのどん底に落ち込んでしまうこともある。さらに、びっくり仰天ということもある。
 快をもたらすポジティブ感情にしても、不快をもたらすネガティブ感情にしても、感情があまりに強すぎると、感情そのものに注意がとらわれてしまい、仕事のほうがおろそかに(注意不足に)なってしまう。
 冠婚葬祭への往復での悲惨な交通事故を時折見聞きするが、こんなところにも原因の一端があるかもしれない。
 強感情状態のときは、仕事の現場から一時的に離れさせるのがよい。強い感情状態はそれほど長くは続かない。

図1 感情状態さまざま  別添
 
●やる気を高める---モラール向上支援
 集団の中でのメンバーのやる気をモラールという。
 モラールが高ければ、気持ちよく仕事ができて、しかも、遂行レベルも高い。さらに、エラー、事故も減る。
 モラールを高める方策は次の4つ。
 ・仕事の目標設定に参加できる
 ・自分の役割がわかる
 ・仕事に使命感が持てる
 ・仕事の進捗に自分が貢献している感覚(自己効力感)を持てる
 ただ、高すぎるモラール---日本の組織は集団としてのまとまり(
凝集性)が高いので、そうなりがちなのだが---も、注意の過剰集中と似て、状況の変化や目標の吟味に必要な複眼的な視点を取らせなくなることもある。
 日常の仕事をするチームや組織は、戦闘する軍隊とは違う。適度かつ良質のモラールこそふさわしい。

●ストレスをやわらげる----ストレス緩和支援
 ストレスとは、弱いネガティブ感情が持続する状態である。善玉と悪玉とがあるのでやっかいものである。
 善玉ストレスは、仕事には好ましい影響をもたす。エラー、事故を起こす可能性も低まる。合格できないかもしれない不安感は、勉強へ駆り立てる。
 これも、しかし、善玉ではあっても、ストレスであることに変わりはない。あまりに強かったり長期間続くと心がやられる。休息管理が必要である。
 悪玉ストレスは、エラー、事故の発生にもろに関係する。
 仕事に注がれるべき注意が、ストレスの原因やストレス状態(不快な感情状態)のほうにとられてしまうからである。
 家庭や個人的な対人関係などプライベートなところに原因があるストレスも、仕事に関連したところに原因があるストレスも、隠しておきたい気持ちがあるので、対処には慎重さが必要である。
 心の健康自己チェックリストなどによる自己診断の機会を定期的に提供して自覚を促すのがとりあえずの方策としては、効果的である。
 さらに、カウンセリングの制度、あるいは、管理者にカウンセリング・マインドを身につけてもらうこともあってよい。最近、ようやくその大切さが広く認識されつつあり、カウンセラーの養成も急ピッチである。多いに活用したいものである。
 なお、エラー、事故をおかしてしまった人のストレスにも配慮しなければならない。後悔し、自責の念にかられ、無能感にさいなまれ、仕事への不安感も高まる。ここでも、カウンセリングが必要となる。

●感情状態を自覚する----感情自覚支援
 やや大げさな言い方になるが、感情は生き残りのためのセンサー的な役割を担っている。
 危ないものがあれば、恐怖感からとっさに逃げる。自分に快を与えてくれるものがあれば、幸福感から接近する。
 したがって、感情のおもむくままに行動することは、当座の生き残り戦略としては有効である。
 ということは、感情状態を知ることで、今の環境が生き残るのにふさわしいかどうかがわることにもなる。
 図に示すように、感情は、顔、行動、生理の3つの領域で独特の表出をする。
 外から感情状態を知るには、顔の表情と行動が手がかりになる。 みずから知るには、生理状態が有力な手がかりになるが、鏡を使えば、表情も自分で見ることができる。ある職場で、大きな鏡が入り口にあったのも、そんな鏡の効果をねらってかも。

図2 基本感情とその表出 別添

 感情を知るもう一つの有効な方策がある。それは、メタ認知を使うことである。
 感情状態はメタ認知ができる。そして、その状態を言葉として表現することもできる。
 そして、自分の感情状態を言葉で表現できれば、あるいは表現しようと努力するだけでも---感情の知性化---、感情が穏やかになる。
感情の自己管理はまず感情の自覚にありである。
 その一助にもなればと思い、感情を表現する語彙を表1に挙げておく。

表1 感情を表現する言葉の数々 別添 
   *****文字サイズを小さくするえば掲載と思いますが、いかが     でしょうか?

***********110行 残り7行は図表用

今日の中ドジ

2007-05-19 | ヒューマンエラー
またファイルが見つからない
途中まで書いたファイルはあるが、
その倍は書いたはずのファイルが行方不明

一端書いたものは、もう一度書く気が失せてしまう
さて頑張ってあちこち探しまくるか
小刻みに印刷すればよいのだが、紙がもったい気持ちがあって
それをしないのもいけないのだ。

後日談
今朝、あちこちのフロピーなどを探し回ったが、結局だめ
かなり力を込めて書いた原稿なのになー
しばらくは書く気がおこらない!!

認知的体験 再掲

2007-05-19 | 心の体験的日記

●認知的体験(  )01/4/23海保
「HPの広告」
HPのアドレスの表示が多くなった。ときおりメモをとろうとするが長くて面倒。この前はインパクにアクセスしてみたが、
・全体像が見えない
・具体像が見えない
・あちこちクリックしているうちになにがなにやらわけがわからないうちに終ってしまった
・もう一度という気持ちがまったく起こらなかった
●認知的体験( )01/1/4海保
「一流から3流まで」
ホテルに泊まって使わない歯ブラシや剃刀を持ち帰ったものがたまりにたまってしまったので、毎朝使うようにした。そしてわかったことは、一流はやはりそれなりにものをサービスしているということ。切れ味、磨き味?が3流とまったく違う。見えないところに金をかける凄さが一流にはある。