心の風景 認知的体験

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表象、認知方略、メタ認知、身体性

2007-05-21 | ヒューマンエラー
はじめに
 20世紀前半、行動主義全盛の頃は、その教育への影響は、周辺的なところに限定されていた。たとえば、条件づけの原理の原理を応用したスキナーのティーチング・マシーンとプログラム学習も、指導形態へのその影響の大きさには驚くべきものがあるが、教科の内容、さらには子どもの知性への効果となると、どうしても表層的なところにとどまらざるをえなかった。
 20世紀後半になり、認知の科学が発展するにつれて、認知心理学は、急速にその形を整えだし、一方では、人口知能研究との連携、他方では、教育・学習研究との連携をとりながら、知の特性とその形成を解明する科学としての中心的な役割を果たすまでになってきた。
 行動主義の教育への影響が周辺的で表層的であったのに対して、認知心理学のそれは、子ども一人ひとりの知性の深層にまで立ち入って、そこで何が起こってきるか、どうすればそこに教育的な介入ができるかを深く考察するようになった。
もっとも、そこには、大きな弱点もあった。行動主義の教育に与えた影響は周辺的で表層的ではあっても、一つひとつの影響は、きわめて頑健であった。誰もがそうすればそれなりの効果を期待できるものであった。それに対して、認知心理学の教育への影響は、しばしば、理論志向、実用性欠如という批判にさらされてきた。その批判は甘んじて受けなければならないが、しかし、教育や子どもをとらえる視点の多様さには大きく貢献してきたことは間違いない。
本稿では、こうした背景を踏まえて、認知心理学、認知の科学のキーワードを4つほど取り上げ、それぞれにまつわる教育上の課題を論じてみたい。

第1 表象
第2 認知方略
第3 メタ認知
第4 身体性

認知と学習の心理学

2007-05-21 | わかりやすい表現
06・10.17海保著 培風館 07年2月刊
認知と学習の心理学
ーー知の現場からの学びのガイド

あとがき


●専門書への橋渡し
あとに続く専門書としての「認知心理学」「学習心理学」への橋渡しになるような、教養的な「認知と学習の心理学」の本を書いてほしい、という依頼を快諾して、すぐに頭に浮かんだ構想が、この本のような内容であった。
あまりに個人的な体験からの発想ばかりで、編集者はびっくり仰天してしまったのではないかと思う。それでも、専門書への橋渡し的な内容を追加してくれれば、オーケーという温かいお言葉をいただき、こうして上梓するまでにこぎつけた。衷心より感謝したい。

●認知心理学と学習心理学
さて、その認知心理学と学習心理学である。
20世紀前半は、少なくとも現在のような認知心理学は存在しなかった。また、学習心理学は、もっぱら動物を使った学習実験が中心であった。
20世紀後半になって、認知科学が登場し、2つの心理学の領域は、急速に接近し、「知とその形成の特性を探る」という新たな目標の中に統合され、認知心理学として新しい心理学の領域が形成されたのである。
それでも、現在、学習心理学は、依然として、たとえば、大学のカリキュラムの中に存在し、こうした心理学のシリーズの1冊として刊行されるのは、一つには、学習心理学では、知の発達的な形成に力点を置く、2つには、教育による知の陶冶のほうにより強い関心を向けているからである。もちろん、ほぼ1世紀にわたる、行動主義的な学習心理学が蓄積してきた膨大な知見の継承ということもある。

● 知の研究の現場で半世紀
「はじめに」でも述べたが、こうした認知心理学の研究の現場で、研究者としての40余年のキャリアを積んできた。認知科学も認知心理学も、自分が研究者として足を踏み出すほんの10年前に誕生したばかりであったのだから、
こんな幸運なことはなかった。(ちなみに、認知科学の誕生は、H.ガードナーによると、1956年9月11日になる。)
 次から次へと新しい概念が案出され、実験による新知見が報告され、それまでに自分が受けてきた心理学は一体なんだったのか、という思いにかられたこともしばしばだった。クーンの言うパラダイムシフトを肌で感ずることができた。
 そんな中での一人の研究者としての体験は、まさに、知を使って知の研究をするという入れ子構造になっていたわけである。そろそろ研究の現場から離れる時がきている今、その入れ子を引き剥がして、自分の心、あるいは心についてわかってきたことを紹介する形で、本書を構想してみたという次第である。

●不安はある
 果たして、こんな構想のもとで書かれた内容がおおかたの読者をひきつけるのであろうか。不安である。
 可能な限り、認知心理学、学習心理学の関連知識には触れてきたつもりである。それが、個人的な体験の中に埋もれてしまわないように、専門用語には色をつけ、コラムを多用し、章末には、「認知と学習の心理学への橋渡し」のガイドも付けてみた。
 テキストに従った体系的な学びも大事であるが、本書の内容のような具体的なエピソードとからめた学びもあってよい。そこから体系的な知識のネットワークにアクセスすることもあるからである。ぜひ、本書で触発された知的好奇心を専門書へと発展的に展開してほしいものである。


マックが不安定

2007-05-21 | 心の体験的日記
ファイルが突然、読めなくなったり
ファイル表示が判じ物になってしまったり、
何かとんでもないことが起こる予感がする。
この前みつからなかったファイルは、結局
半分まで書いた一つ前の
物がみつかっただけ。
不安一杯、
バックアップを頻繁にすることにしよう
それにしても、もうマックOS9は寿命かも?

説得 用語解説

2007-05-21 | 認知心理学

◆説得的コミュニケーション(persuasive communication)***2003年版より

人をその気にさせるために行うメッセージの提供である。広告やセールスではとりわけ重要である。

これを効果的なものにするには、四つの考えどころがある。(1)提供者側の専門性や信頼性、(2)コミュニケーションの内容のつくり方、例えば、長所のみ(1面提示)か長短あわせてか(画面提示)など、(3)受け手の何に訴えるか、例えば、不安や恐怖など、(4)メッセージの提示方法、対面しての話術や各種メディアの活用など。

●説得への抵抗(resistance to persuasion)***2004年版もの
榊博文によると、説得への抵抗の高い人(説得されにくい人)とは、自分に自信のある人、不安傾向の低い人、攻撃性の高い人、そして女性より男性である。しかし、説得の仕方や状況によってあっさりと説得されてしまうことも、逆に、説得とは反対の方向に変わってしまうブーメラン効果も知られており、説得も一筋縄ではいかない。