「オレオレ詐欺、架空請求書詐欺の心の操り術を知る」
●架空請求書詐欺、オレオレ詐欺が多発しています。
そんな詐欺の被害者にならないように、その手口を心理学的に解剖してみたいと思います。
●詐欺師の多くは、人の心をあやつって金をもうける、「マインド・ビジネス」の悪質化したものです。
架空請求書詐欺もオレオレ詐欺も、「誤った思い込み世界」への誘導技術がポイントになったものです。
●まず、「架空請求書詐欺」です。
正当な権威を装って、請求書を送りつけて、手ごろの額を振り込ませてしまう詐欺です。
道具立ての一つは、法律用語と官公庁まがいの請求者による「権威づけ」です。弁護士事務所や債権回収センターといった類いの名称を使います。
もう一つの道具立ては、誰もが一瞬その正当性を信じてしまうような請求案件のでっち上げとです。インテーネットやサイト使用料金などです。
人間は権威には弱いところがあります。特に法律違反をしていなくとも、警官の姿をみると、どきっとします。あの心理です。
自分の側にほんのちょっとでも弱味があるときは、権威の命ずるまままに動かされてしまいます。
●次は、もっぱら高齢者を狙った「オレオレ詐欺」です。
オレオレ詐欺も3つの道具立てを使います。
一つは電話。
電話はコミュニケーションの道具としては性能があまりよくありません。音そのものがよくありません。おまけに顔を見えません。その性能の悪さが嘘を見抜けなくさせています。
2つ目は、家族のトラブルのでっち上げです。
特に高齢者は、家族への思いは強いものがありますから、「家族がトラブルに巻き込まれた」との電話は、高齢者を一気に頭真っ白、目が点のパニック状態に陥れ、まともに頭が働かないようにして、嘘の世界を真実と思い込ませてしまいます。
3つ目は、時間切迫です、
払い込みがおくれると、事態がもっと悪くなると言って、急がせます。思い込みの世界から脱出できないようにする道具立てです。
思い込ませてしまえば、後は思いのままに高齢者を動かすことができます。郵便局の人が「オレオレ詐欺ではありませんか?」と聞いてもだめ、もっと悲劇的なのは、二度もお金を払い込んでしまう人さえいます。
●さて、対策です
一つは、「無視すること」
へたに相手に連絡をとると、着信記録が相手に残ってしまいます。それが次の被害をもたらします。
また、相手の語りの巧さに負けてしまします。
もう一つは、「人に相談すること」
思い込みは、自分の力だけでそこから抜け出るのはかなりしんどいところがあります。自分の思いを人に話すと、思い込みから抜け出るきっかけがみつかります。