●パワーポイントの登場でプレゼンが変わった
最近は、ほとんどが、パワーポイントを使うプレゼンになりました。それに伴って、プレゼンが劇的に変わりました。講演会場だと、画面が中央、後援者は隅の演題の陰から、という場の設定が一般化しています。
これでは、講演者の「見た目」が見えません。プレゼンのもっている、講演者が見えることによる効果がまったく発揮できなくなってしまいました。学会講演ならいざ知らず、普通のプレゼンでは、もっと講演者が見えるようにするべきだと思います。
「人は見た目9割」(新潮新書)というベストセラー本がありますが、そこまではいかないまでも、見た目にも、受け手の理解を助ける情報がたくさんあることを知るべきです。
パワーポイントをたんたんと解説するのは、原稿を読みあげるプレゼンとほとんど同じです。わずかに、ビジュアル化することによる理解支援の効果を期待できるくらいです。
からだ全体を使ってのプレゼンは、迫力を演出できます。受け手をひきつけ感動させることさえできます。どこが一番訴えたいところかも伝えることができます。
せひ、演台の砦から出て受け手と直接向かい合うプレゼンを心がけてください。
もう一つ、関連して述べておきたいことがあります。それはパワーポイントの資料の配付です。映写して見せるものを手元に配布するのが一般的ですが、講義調のプレゼンでは、書き込みしたいとの受け手の気持ちもあるので、これでよいと思います。ただ、それでも、話し手はコンピュータの画面をひたすらながめ、受け手もまたひたすら資料をながめるような硬い雰囲気は、せっかくのプレゼンの良さが発揮できていません。
そこで、プレゼン中は、資料を配付しないで、終了後配布、あるいは、基本的なスライドだけ配布して、映写はそれ以外のものを含めたものを用意する、といった工夫もあってよいと思います。