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◆メタ認知(meta-cognition)
人は、自分で自分のことを知りたがる存在である。特に青年期になると、この気持ちが強くなる。これがメタ認知である。あたかも頭の中に小人(homonculus)がいて、頭の中で起こっていることを監視しているかのごとくである。メタ認知は、主に次のような仕事をする。(1)自分の能力がどれくらいかを予測できる。(2)自分が何をすべきかを知っている。(3)何をすれば最適な結果に至るかがわかる。(4)問題解決の実行過程を目標との関連で点検し、調節する。しかし、このメタ認知は、だれでもいつも完璧に働かせることができるわけではない。子どもや、大人でも知識不足の領域や認知パニック(頭の中の大混乱)時などでは、うまくメタ認知が働かない。その結果として、認知機能が不調に陥ってしまう。
◆メンタルモデル(mental model)〔心理学〕
研究者が研究をするとき、見通しをつけるために、とりあえずのモデル(作業モデル)を頭のなかに設定する。これと同じように、なんらかの課題解決の状況に直面すると、だれしもがとりあえずのモデルを構築する。これをメンタルモデルとよぶ。研究者の作業モデルと同じで、メンタルモデルも、状況と試行錯誤的にかかわるための手引きであり、それによって状況の認知的複雑さを低減できる。しかし、作業モデルと異なるのは、メンタルモデルが、個人的で、恣意的なところである。