

●メタ認知はこのよう働いている
メタ認知は、頭が順調に働いているときにはほとんど働かない。認知に過剰な負荷がかかりそうなときや、うまく働かなくなると、メタ認知の出番となる。
たとえば、車の運転。「狭い道なので危ないから速度を落とそう」も「疲れてきたから休もう」もメタ認知が働いた結果起こった自己コントロールである。あるいは、問題を解くとき。「やや難しい問題だが、時間をかけて頑張れば自分だけで解けそう」という見通しをつけられるのもメタ認知のおかげである。
メタ認知が必要なときに機能しない/させないと、エラーが発生したり、無駄な試みをしてしまうことになる。
なお、メタ認知が過剰に働いてしまうのも問題である。それだけ頭に過剰に負担がかかったり不具合が発生している状況に置かれているからである。あまり長期間そうした状態が続くような認知生活の点検が必要だし、場合によっては休息かカウンセリングが必要である。