●障害者心理(psychology of the handicaped)
障害に固有の心理については、別書を参照してもらうことになる。ここでは、彼らの心理を理解するための共通のキーワードを2つ取り上げてみる。
一つは、精神分析家・アドラーの器官劣等性である。彼によると、身体器官の発育不全や機能障害によって生ずる欠陥が、心理的な劣等感をもたらし、性格形成の核となる。逃避的人生になるか、闘争的人生になるか、屈折的人生になるかは、劣等感の強さや過去の劣等感コンプレックスの処理のされ方や今現在の置かれた状況によって決まる。
もうひとつは、補償である。視覚に障害があれば、それ以外の感覚器、たとえば、触覚を使って外界認識を補う。聴覚に障害があれば、読唇によってコミュニケーションを補う。こうした補償機能は、長年の個人的な努力によってかなり高いレベルにまで達するが、そのレベルをさらに高める工学的な技術も続々開発されている。
障害に固有の心理については、別書を参照してもらうことになる。ここでは、彼らの心理を理解するための共通のキーワードを2つ取り上げてみる。
一つは、精神分析家・アドラーの器官劣等性である。彼によると、身体器官の発育不全や機能障害によって生ずる欠陥が、心理的な劣等感をもたらし、性格形成の核となる。逃避的人生になるか、闘争的人生になるか、屈折的人生になるかは、劣等感の強さや過去の劣等感コンプレックスの処理のされ方や今現在の置かれた状況によって決まる。
もうひとつは、補償である。視覚に障害があれば、それ以外の感覚器、たとえば、触覚を使って外界認識を補う。聴覚に障害があれば、読唇によってコミュニケーションを補う。こうした補償機能は、長年の個人的な努力によってかなり高いレベルにまで達するが、そのレベルをさらに高める工学的な技術も続々開発されている。