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失敗学

2009-08-26 | ヒューマンエラー
 失敗学

● 失敗学と思考訓練
失敗学は、畑村洋太郎の著書「失敗学のすすめ」(2000)で提唱されたもので、2002年は、「失敗学会」も設立され、学問としての制度化が確立されつつある。そのねらいは、事故・失敗の原因分析と、そこから導かれる防止策の提言にある。この考え自体は、人間工学においても古くからあったのだが、「学」と銘打つことで、かつての事例分析的な事故・失敗分析から一歩踏み出して、より体系的な知識の構築を志向することになる。

 一つの「学」が成立するためには、年季がいる。その間に、その「学」をリードーする先達や多数のフォロアーが集まり、学会が設立され、大学などの教育研究機関の中でカリキュラムや研究組織が立ち上がってほぼ「学」として認知される。それにどれくらいの年季が必要かは一概には言えない。失敗学に関しては、そのリーダー(提唱者)畑村洋太郎の著書「失敗学のすすめ」(2000)で一気に世の中に広まり、2002年は、「失敗学会」が設立された。

アクセス数解析

2009-08-26 | Weblog
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2009.08.23(日) 2398 PV 489 IP 1221 位 / 1278907ブログ
2009.08.22(土) 2108 PV 483 IP 1237 位

お盆休暇の落ち込みからすこしずつ回復傾向

1000位以内定着が目標

愛読感謝です

写真提供は桜氏です
ありがとうございます

今日の一言

2009-08-26 | 心の体験的日記
「ゲーテ一日一言」
"年をとるということ自体、新しい仕事をはじめることなのである。
状況は一新し、行動することをすっかりやめてしまうか、
あるいは、
新しい役柄を意志と自覚をもって引き受けるかどちらかである" (greenさん提供)

**
わかりました
後者でいきます
はげまされました

ヒューマンエラーをめぐっての 最近の気になる話題2つ。

2009-08-26 | ヒューマンエラー
03/7/11海保

ヒューマンエラーをめぐっての
最近の気になる話題2つ。

1)医療ミスを繰り返す医師、免許取り消しも(6月26日付け毎日新聞の1面トップ記事)

●リピーター医師---事故多発者、あるいは事故傾性者---の処分について、医療道審議会に諮問。
  ・おっちょこちょいで衝動的な性格 
  ・未熟な技能
  ・貧弱な知識
 が事故を起こさせる。

●事故傾性者、事故多発者をどうする
○一番、厳しいが効果があるのは、排除。
 これが今回の対策のねらい。
 しかし、その職につく、あるいは免許を取得するときにやる---スクリーニング---、ならまだしも、かなり暴力的な対策。
○これより穏便な対策は、エラーをおかす現場を変えてみる、「配置変え」。手術はへたでも、外来医療は得意ということがないか。
  ・状況の中に、エラーを繰りかえさせる力があるかもしれない  
  ・本人の持っている適性と仕事のミスマッチがあるかも
○もう一つは、研修、再教育。未熟な技能、貧弱な知識を改善する。
最近、教育界では、いわゆるダメ教師、入試問題の2割しか解けない先生では困るという話がありましたが、現場から一時的に離脱してもらって、再研修。

●排除は最後の最後の手段ではないかと思う。

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2)私鉄大手で、免許切れのままバスを運転していてもらい事故。運行主任は「子だくさんでかわいそう」ということで、替え玉を警察の事情聴取に出向かせた。匿名電話で事態が発覚。
会社ぐるみでかばいあいが判明。
●違反とエラーとは違う
 人は誰でもエラーはする。
 しかし、違反は、
  ・意図的な違反
  ・知らないままの違反
    この中には、最初は違反を知っていたが、習慣的に違反をしているうちに「知らないまま違反を」というケースがあるのでやっかい事故の芽を潜在させている。
    
●このケースでは、意図的な違反。しかも、組織ぐるみの違反。公共的には言い訳がたたない。
 しかし、背景に、組織の「日本的なやさしさ」があるだけにやっかい。

●精神としては、
「エラーには優しく、違反には厳しく」
だが、しばしば、
「エラーには厳しく、違反には優しく」
という組織文化、企業文化が構築されてしまう。
 
●組織として考えるべきは、
ホイッスル・ブロー(whistle blow;違反の警告者)あるいは、
悪魔の代弁者(安全について口うるさく言う人)
を組織の中でいかに正当に位置づけるかである。


集中力は認知機能の改善に役立つ

2009-08-26 | 教育

集中力は認知機能の改善に役立つ
 外出したときに、ガスの栓を閉めたかどうか気になって仕方がなくなってしまい、用事を早めに切り上げて帰宅する。ところが家に帰って確かめると、きちんと閉まっているのを見て安心すると同時に、何か損をしたような気になる。こんな経験は誰でも持っているはずである。
 その他に、施錠や窓を閉めたかどうか、しばしば提出する書類を今回もきちんと提出したかなど、いずれも決まりきったこと、手順化されてしまったことがしばしば気になるのは、あえてそれに注意を払っていないからである。
 逆に言えば、注意を注いでやっていたことはよく記憶できるということになる。先のようなケースを防ぐには、指差し確認や、したことを口に出して復唱すればよい。そうすれば、多少は注意を引くので記憶にも残ることになる。かくして、記憶をよくするには集中せよということになる。
 認知機能とは、物を見たり(知覚)、覚えたり(記憶)、考えたり(思考)、学んだり(学習)する働きである。認知機能が十全に働いているときには、知の世界には良質な情報がたまる。この認知機能を背景でコントロールしているのが集中力である。
 本書では、認知機能のうち、思考との関係での集中力をとりあげた。しかし、質のよい思考を展開するためには、知覚も記憶も学習も、すべてフルに活動した状態にしなければダメである。
したがって、認知機能全体をコントロールする集中力がいかに大事な役割を果たしているかがわかる。
 何度も繰り返すが、だからといって集中力だけを孤立させて、それだけのトレーニングにうつつを抜かすのは得なやり方ではない。それぞれの認知機能の訓練のなかで自然に体得するくらいがちょうどいい、ということを忘れないでほしい。