6 小刻みに結果をチェックする
パソコンゲームをしたことのある人なら経験したはずであるが、一度やりだすとおもしろくてなかなかやめられない。ほんのちょっとが、三〇分になり、一時間になってしまう。ゲームの内容そのものがおもしろいということもあるが、ゲームの仕掛けに工夫のあることが、集中力をこれほど持続させることにつながっている。
その仕掛けにも色々あるが、集中力の持続という点からひとつ注目しておきたいのは、めまぐるしいキー操作のひとつひとつに対して、すぐに勝ち負け、あるいは画面上での変化が返ってくる仕掛けである。
これは、即時強化の原理とよばれている。何かをしたら、すぐにその結果を返す(強化する)と、その「何かをする」という行為がよく起こる、あるいは持続するようになるのである。
したがって、むずかしいことをやらなくてはならない時や、集中力の持続ができない人は、何かをしたらその結果がすぐにチェックできるようにしておくことをすすめたい。たとえば、
・ 問題を解く時、一問解いたらすぐに答のチェックをする、
・ 進み具合、でき具合をグラフにしておく
・ 仕事であれば、その日の成果をその日のうちにチェックする
あるいは、自分でこうした工夫ができない人は、自分の身の回りの人、親や上司を、強化してくれる人として利用するのもよい。何かをしたらすぐにそれを見てもらい、成果を点検してもらうのである。
ただし、集中の持続カをつけたい、と考えている人は、あまり小刻みに強化を入れることに馴れてしまうと、まったく集中力の持続が訓練できないことになってしまう。「即時強化の原理」は、したがって、どうしても飽きがきてしまう勉強や仕事の時に限定するようにしたいものである。