メタ認知力を高めると、自己管理能力がアップする
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仕事日記で「内省」の習慣を身につけよう
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ここでは、メタ認知と仕事日記の関係について、もう少し詳しく見ていきましょう。
メタ認知の「メタ」は、ギリシャ語に由来する接頭語で、「あとからついてくる」という意味。メタ認知は、生まれたときから自然に備わっている能力ではなく、幼児期後半ごろから後天的に身につけ始めるといわれています。
ここに、興味深い実験結果があります。
ある実験で、「5312639489」といった数字列を1回聞いただけで、いくつ暗記できるかという簡単な作業をしてもらうことを告げたあと、自分が何個くらい正確に暗記できるかを、あらかじめ予想させました。
その後、実際に記憶実験を行い、覚えられる個数を調べたところ、幼稚園児の場合、自分が覚えられる数の予想は多めで、実際に思い出せたのは4個くらいでした。
それが、年齢が高くなっていくにつれ、自分が暗記できると予測した数と、実際に思い出せた数との一致が高くなっていったのです。
このように「できると予想したこと」と「実際にできたこと」が一致するほど、メタ認知力がついているといえるのです。
ちなみに普通の大人では、記憶できる数はおよそ7個くらい。これは短期記憶(数秒から数十秒前の記憶)の限界を示すもので、「魔法の数7」といわれていますが、それくらいのことは、心理学の知識がなくても大人なら経験的に知っているでしょう。
このように、メタ認知力は、身につけた「知識」や「経験」の量が多い人ほど向上します。