第2章 ネガティブに考えてポジティブに行動する<<「仕事日記をつけよう」WAVE出版
2-1)心のネガティブ、ポジティブってどんなもの
心の三分法はよく知られています。知情意ですね。
●知は、頭の働き 認知
●情は、気持ち 感情
●意は、意欲 意志
となります。
これに、もう一つ、周りと自分、これを心の社会性と呼んでおきます
●社会性 周りとの関係 対人関係
この3分法と社会性を使って、ネガティブ、ポジティブを、次のような図式で、考えてみます。中に入っているのは、キーワードの例です。
ネガティブ ポジティブ
知 頭が働かない 頭が活発に働く
情 不幸 悲観 悲しい 幸せ 楽しい 明るい
意 意欲低下 やる気まんまん
社会性 嫌い 好き
ポジティブのネガティブの間には、膨大な「普通の状態」があります。普通の生活では、この「普通の状態」であることのほうが時間的にも場面的にも多くなります。
しかし、人間の心は生き物です。
「普通の状態」が多いのは良いことですが、そのままずっとは不自然です。一日のうち、どこかで何時間かは、ポジーネガを体験することで、心を活き活きさせることが必要ですし、そのようにしていることが実は多いはずです。
それは、いつもいつもポジである必要はありません。ネガでも良いのです。ネガがあってのポジですから。
「普通」でありたいと願いながら、ポジ、ネガを味わう、もっと言うなら堪能するくらいの感じですね。
2-2)ネガ<-普通―>ポジの間を動く
ネガ<-普通―>ポジの3つの状態が、「普通」を基本にネガへ行ったり、ポジへ行ったりしながら、毎日の生活が展開されます。そして、ときには、ポジばかりで舞い上がり、ときには、ネガばかりで落ち込んだりします。
基本的には、そこに動き、つまり、ネガから普通、ポジから普通への動きがあれば、それが正常ということになります。それは、時間の自然な力によっても起こりますが、自らの力でもある程度はコントロールすることもできます。本書では、それを、日記を書く、読むことでやってみたらどうでしょうか、というすすめになります。
2-3)ネガティブに考えて、ポジティブに行動する
さらに、もう一つの基本があります。それがここの見出しです。
一般に、ネガティブな状態のときは、心の深読みをします。そこまで深入りしなくとも、というほど深く自分の心を読もうとします。
夏目漱石の前期3部作「三四郎」「それから」「門」はお読みになったでしょうか。後期三部作『彼岸過迄』『行人』『こゝろ』もあります。いずれも、筆致こそ軽快ですが、登場事物の心の深読みに驚かされます。その読みには、心理学者など足元にも及びません。
いずれも、漱石の心身の病が深く影を落としているようです。つまり、ネガティブな心が産んだ傑作です。
漱石を引き合いに出すまでもなく、ネガティブな心は、心の深読みにつながります。
「ネガティブなときは、細部を。ポジティブなときは、全体を」
「ネガティブなときは、本質をみる。ポジティブなときは、うわべしかみない」
ややポジティブに不利な表現をしてみましたが、一面の真実だと思います。
そこで、見出しです。
ネガティブに考えることによって、心を深読みし、ネガティブから抜け出るために、あえてポジティブに行動することで、ネガ<-普通―>ポジの3つの状態の間の動きを自分でコントロールしてみたらどうか、という提案です。
ポジティブに行動するとは、いろいろありますが、とりあえずの方略は
「ほんわかあ」です
ほ」める
ン
わ」らう
か」んしゃする
あ」いさつする
です。
心の社会性の活用です。
2-4)日記を活用する
ネガティブな心は深読みに直結します。しかし、それがいつも妥当な読みになるわけではありません。あらぬ方向への深読みもしばしばあります。そして、あらぬネガティブスパイラルに陥ってしまうこともあります。
日記である必要はありませんが、そんな気持ちをもう一人の自分の目(メタ認知)で客観的に見つめてみることで、深読みの軌道修正ができます。さらに、気持ちを「普通」に引き戻す効果も期待できます。
対人関係がうまくいかない、それによって気持ちが乱される、といった状況を考えてみます。
相手の言動のすべてが気にくわない。自分の気持ちの悪さを相手の言動にひたすら求める。それがますます相手からの気持ちの乱れやもたらします。
2-1)心のネガティブ、ポジティブってどんなもの
心の三分法はよく知られています。知情意ですね。
●知は、頭の働き 認知
●情は、気持ち 感情
●意は、意欲 意志
となります。
これに、もう一つ、周りと自分、これを心の社会性と呼んでおきます
●社会性 周りとの関係 対人関係
この3分法と社会性を使って、ネガティブ、ポジティブを、次のような図式で、考えてみます。中に入っているのは、キーワードの例です。
ネガティブ ポジティブ
知 頭が働かない 頭が活発に働く
情 不幸 悲観 悲しい 幸せ 楽しい 明るい
意 意欲低下 やる気まんまん
社会性 嫌い 好き
ポジティブのネガティブの間には、膨大な「普通の状態」があります。普通の生活では、この「普通の状態」であることのほうが時間的にも場面的にも多くなります。
しかし、人間の心は生き物です。
「普通の状態」が多いのは良いことですが、そのままずっとは不自然です。一日のうち、どこかで何時間かは、ポジーネガを体験することで、心を活き活きさせることが必要ですし、そのようにしていることが実は多いはずです。
それは、いつもいつもポジである必要はありません。ネガでも良いのです。ネガがあってのポジですから。
「普通」でありたいと願いながら、ポジ、ネガを味わう、もっと言うなら堪能するくらいの感じですね。
2-2)ネガ<-普通―>ポジの間を動く
ネガ<-普通―>ポジの3つの状態が、「普通」を基本にネガへ行ったり、ポジへ行ったりしながら、毎日の生活が展開されます。そして、ときには、ポジばかりで舞い上がり、ときには、ネガばかりで落ち込んだりします。
基本的には、そこに動き、つまり、ネガから普通、ポジから普通への動きがあれば、それが正常ということになります。それは、時間の自然な力によっても起こりますが、自らの力でもある程度はコントロールすることもできます。本書では、それを、日記を書く、読むことでやってみたらどうでしょうか、というすすめになります。
2-3)ネガティブに考えて、ポジティブに行動する
さらに、もう一つの基本があります。それがここの見出しです。
一般に、ネガティブな状態のときは、心の深読みをします。そこまで深入りしなくとも、というほど深く自分の心を読もうとします。
夏目漱石の前期3部作「三四郎」「それから」「門」はお読みになったでしょうか。後期三部作『彼岸過迄』『行人』『こゝろ』もあります。いずれも、筆致こそ軽快ですが、登場事物の心の深読みに驚かされます。その読みには、心理学者など足元にも及びません。
いずれも、漱石の心身の病が深く影を落としているようです。つまり、ネガティブな心が産んだ傑作です。
漱石を引き合いに出すまでもなく、ネガティブな心は、心の深読みにつながります。
「ネガティブなときは、細部を。ポジティブなときは、全体を」
「ネガティブなときは、本質をみる。ポジティブなときは、うわべしかみない」
ややポジティブに不利な表現をしてみましたが、一面の真実だと思います。
そこで、見出しです。
ネガティブに考えることによって、心を深読みし、ネガティブから抜け出るために、あえてポジティブに行動することで、ネガ<-普通―>ポジの3つの状態の間の動きを自分でコントロールしてみたらどうか、という提案です。
ポジティブに行動するとは、いろいろありますが、とりあえずの方略は
「ほんわかあ」です
ほ」める
ン
わ」らう
か」んしゃする
あ」いさつする
です。
心の社会性の活用です。
2-4)日記を活用する
ネガティブな心は深読みに直結します。しかし、それがいつも妥当な読みになるわけではありません。あらぬ方向への深読みもしばしばあります。そして、あらぬネガティブスパイラルに陥ってしまうこともあります。
日記である必要はありませんが、そんな気持ちをもう一人の自分の目(メタ認知)で客観的に見つめてみることで、深読みの軌道修正ができます。さらに、気持ちを「普通」に引き戻す効果も期待できます。
対人関係がうまくいかない、それによって気持ちが乱される、といった状況を考えてみます。
相手の言動のすべてが気にくわない。自分の気持ちの悪さを相手の言動にひたすら求める。それがますます相手からの気持ちの乱れやもたらします。