「何でも書くだけ」で仕事がうまくいく!
頭の中のコビト=メタ認知力が問題を解決してくれる
(本文)
報告書やら会議資料やら企画書づくり……。あと、取引先にアポイントの電話も入れなくちゃ。打ち合わせも午後から1件入っていたな。
とにかくやらなくちゃ。
でも、なんとなく気が進まない。
とりあえず、パソコンのデスクトップの整理から始めよう。
と思ったら、課長から「あの企画書、いつまで待たせるつもり?」と言われてしまい、冷や汗。
いったい、何から手をつければいいんだろう。どう考えても終わりそうにない。ああ、どうしよう。
今週末は、久しぶりに子どもとゆっくりできると思ったのに……。仕事が一段落したら、しっかり休もう。
誰にだってありますよね、仕事がうまく回らなくて泣きたくなるような一日が。
けれど、こんな日が「たまたま」ではなく、「しょっちゅう」だったとしたら……。
それは、あなたの「頭の中のコビト」が、まだまだ成長途上だからかもしれません。
「ん!? コビト? そんなものはいない!」とビックリした人もいるかもしれませんね。
でも、いるんです。
もちろん、本物のコビトが住んでいるわけではありません。
私たちの頭の中には、感情や知識、行動をコントロールする、ホムンクルス(もう一人の自分)が存在しています。
頭の中にもう一人の自分がいて、あなたを監視したりコントロールしたりする。
こんな意識や実感を「メタ認知」と呼びます。
このコビトは、
「この仕事は難易度が高いから、もっと集中しないとできないんじゃないの?」
「今すぐ取り掛からないと、マズいことになるよ」
と私たちにツッコミを入れ、行動や判断を正しいほうへと導いてくれる、司令塔の役割を担っています。
仕事を先延ばしにする、締め切りに遅れる、仕事が遅れてプライベートが充実させられないなど、自己管理能力が不足している人は、頭の中のコビトがツッコミを入れられるほど成熟しておらず、メタ認知力がうまく機能していません。
だから、「できるはず」とあて推量で仕事を進め、事態が深刻になってから慌てて対処しようとして、ミスを犯すのです。
では、メタ認知力を高め、あらゆる仕事の問題を解決するにはどうしたらいいか。
それが「仕事日記」をつけることなのです。
仕事日記をつけ始めると、メタ認知力が、しっかり機能するようになります。
仕事を中心としながらも、恋愛、お金、家庭、事実や感情、成功や失敗を織り交ぜながら、「いま、自分が一番気になっていること」を何でも書いてみる。
そのことで自分自身の客観化や深い自己洞察ができ、本当の意味で「自分を知る」ことができます。
仕事に関係ないことを書くのも、自分についての情報量をできるだけ増やしていくためです。「夫婦喧嘩をすると落ち込んで、1日使い物にならなくなる」「休日出勤すると週前半の作業効率が落ちる」など、仕事とプライベートは切っても切り離せない関係にあります。
これを続けていけば、それまでロクなアドバイスをくれなかった頭の中のコビトが、あなたの感情や行動にブレーキをかけたり、励ましたりしてくれるようになるのです。